2005年のIPニュース

2005年7月5日号商標権保護のための水際規制に関する改正−韓国 他

  1. 商標権保護のための水際規制に関する改正―韓国
  2. 新商標条例にて周知商標決定“Yakult”−香港

商標権保護のための水際規制に関する改正−韓国

商標権侵害などの疑いのある物品を税関で保留する、いわゆる水際規制に関する「知的財産権保護のための輸出入通関事務処理に関する告示」の改正が2005年5月16日立法予告されました。主要項目は次の通り。

  1. 商標権者の通関保留要請期間の調整(告示2-3条)
    現行告示では商標権侵害のおそれがある物品の輸入事実の通報を受けた日から10日以内に通関保留要請が可能なように規定しているが、改正案では7日以内に通関保留を要請できるようにする。
  2. 専用使用権者が輸入通関に同意する際の通関許容規定の新設(告示1-4条)
    並行輸入が禁止されている場合でも、第三者が当該商標を付着した輸入物品に対し韓国内の専用使用権者が通関に同意する場合は権利者本人の輸入として認める。
  3. 商標使用許諾事項の申告条項の新設(告示6-4条)
  4. 商標権侵害の可能性がある輸出入者に対する税関申告の有効期限の新設(告示2-2条4項)
  5. 通関保留期限の延長のための「法院提訴」の意味の具体化(告示3-5条1項)
  6. 法院提訴及び判決の効力範囲の明確化(告示6-2条)
  7. 担保物の更新、延長に関する事前通知規定の新設(告示3-12条)
  8. 商標権侵害のおそれがある公売物品の処理手続の新設(告示6-3条)
  9. 商標権侵害に関する調査結果の反映を明示化(告示5-1条1項9号)
[出典:KIM & CHANG]

新商標条例にて周知商標決定“Yakult”−香港

香港高等法院は株式会社ヤクルト本社(原告側)の主力商品『Yakult』に酷似した企業名、登録商標、ボトルのデザインで類似商品『YAKUDO』を販売した香港養楽多(ヤクド、被告側)と役員一人に対し、商標権を侵害したとする判決を下した(第2409/2002)。

裁判は2002年8月、原告側による被告会社が香港証券取引所への株式上場を予定していることに対する差し止め請求を申し出たのを機に始まった。
被告側は原告側が販売する『Yakult』同様の乳酸菌飲料を『YAKUDO』という会社名と商標名で販売。この『YAKUDO』の中国語の発音である『YEUNG-LOK-DOR』は、台湾で原告側が使用していた中国語と日本語の発音『ヤクルト』と似ているものである。

判決によると中国語発音『YEUNG-LOK-DOR』は台湾で原告側が商標登録を持つのみで、香港では保有していないものの、周知商標である、と認定している。
また商標『YEUNG-LOK-DOR』が香港で周知商標となったのは、長年台湾で使われていたこと、また台湾と香港は地理的な近接性や、商業レベルでの関係も十分に近く、企業や商品の評判や商標がもたらす信用は容易に広まるという事実が原因としている。

新しい商標条例の下、周知商標というものが香港の法律ではっきり認識されたのは今回が初めてである。商標が周知であるか否かを決める様々な条件については、商標条例に不完全ながらもリスト化されているが、今回の事件はそれらの条件が現実にどのように働くかを示す結果となった。

[出典:Wilkinson & Grist]

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