2006年のIPニュース

2006年11月14日号マカオ(商標):ニース協定に基づく国際分類[第8版]の導入

  1. マカオ(商標):ニース協定に基づく国際分類[第8版]の導入
  2. マカオ(特許):中華人民共和国からマカオへの特許権拡張手続時期に関する変更のお知らせ
  3. アメリカ:商標希釈化防止法改正法令が連邦議会にて可決

マカオ(商標):ニース協定に基づく国際分類[第8版]の導入

2006年5月17日より、マカオ特許庁ではニース協定に基づく商品・サービスの国際分類[第8版]を導入した。

[出典:Luis Reigadas]
【解説】
ようやくマカオにてニース分類第8版が導入。ニース分類第8版というのは、2002年1月1日に発効されたもの。ニース分類第9版が2007年1月から発効することを考えると、やや、カメの歩みを思わせるほどゆったりとした歩調といえる。ともあれ、マカオで商標権を獲得するためには、直接出願するしかない。中国はマドリッドプロトコルに加盟しているものの、マカオについては未適用。より国際基準に近づいてくれたことをありがたく思うべきだろう。

マカオ(特許):中華人民共和国からマカオへの特許権拡張手続時期に関する変更のお知らせ

従来、中華人民共和国からマカオへの特許権拡張・特許出願の拡張が可能であったところ、2006年7月25日以降、一定の期間制限が設けられることとなった。つまり、「特許原簿の抄本」「特許明細書」を特許付与公告後3ヶ月以内にマカオ特許庁に提出しなければならない。
特許権が拡張された後の年金の支払いは、中華人民共和国における出願日から4年次以降にスタートする。出願日から3年次までの年金は、特許出願費用に含まれているため、4年次以降、権利存続の最終年である20年までが支払い対象年となる。年金納付の際に必要とされていた特許証明書の提出はもはや不要となった。

[出典:Luis Reigadas]
【解説】
マカオといえば、東洋のラスベガス。カジノ産業がGDPの4割を占める。世田谷の半分ほどの大きさしかない小さな地域だが、日本からの輸出高は、2003年度の段階で、248,300,000米ドルにも及んでいる。JETRO発行の知財ニュースによれば、「知財案件訴訟における、香港、マカオ、台湾に関する案件が一定比率を占め、さらに全体として増加傾向にある(中国裁判所の裁判官談)」とのことだ。その点を考慮すればマカオへの特許権拡張手続は重要手続ともいえる。

アメリカ:商標希釈化防止法改正法令が連邦議会にて可決

2006年10月6日、ブッシュ大統領が、2006年商標法希釈化防止改正法令に署名。同法令は署名後ただちに発効された。この法令は、著名商標を、その識別性を損なう、あるいはその名声を傷つける使用から保護するもの。2006年商品希釈化防止改正法令は、モーズリー対ヴィクトリアズ・シークレット・カタログ裁判の最高裁判所による判決に対応するものであり、アメリカ合衆国における著名商標の保護と現行の希釈化防止法令に関する控訴裁判での多くの軋轢への対応となるものと見込まれる。

[出典:INTA]
【解説】

「モーズリー対ヴィクトリアズ・シークレット・カタログ」事件。ビクトリアズシークレットといえば、とってもセクシーなランジェリーを超一流モデルに着せた通販カタログ「Victoria’s secret」のこと(なんでも男性読者も多いらしい)。他方、モーズリー氏は、アメリカの一地方にて「ビクターズシークレット(Victor’s secret)」の名前で主に大人むけ玩具を販売していた。ビクトリアズシークレット側の訴訟提起で始まったこのケースは、「著名商標の希釈化とは何か」の問題提起につながる最高裁判決にまで発展。改正法令は、著名商標か否かの判断要素、希釈化の判断要素等について明確にしている。先の最高裁判決の「希釈化されたというためには、消費者が著名商標を認知するためのキャパシティが失墜したとの証拠が必要」の判断を受けて、証拠となるべきものとは何かを法文上明らかにした。希釈化について頭を抱える著名商標所有者にとっては朗報だ。

解説:豊崎国際特許商標事務所 弁理士 豊崎 玲子

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