2007年のIPニュース

2007年8月21日号ベトナム知財法改正 他

  1. ベトナム知財法改正
  2. ロシアの税関登録

ベトナム知財法改正

2007年2月14日科学技術庁は、新知的財産法(2006年7月1日発効)と103/2006/ND-CP(2006年9月22日付け)を踏まえ、国家知的財産権庁(NOIP)にて産業財産権を取得する手続きの詳細を指導するCircular01/2007/TT-BKHCN (Circular 01)を公布した。Circular 01は2007年5月9日より発効されている。概要は以下のとおり。

まず知財法一般について

  1. 翻訳証明について、公証・認証が不要となった。
  2. 出願書類受領日より1ヶ月以内ならば委任状の追完手続(いわゆる追って補充手続)が認められる。
  3. 改正前に引き続き、付与前異議制度を採用。異議申立の受領後、1ヶ月以内にNOIPは内容を審理し、出願人に通知を出す。出願人側の応答期間は1ヶ月。異議決定に対する不服申し立ては行政裁判所に対して行うことができる。
  4. 方式補正が認められる期間は1ヶ月。さらに1ヶ月の延長が1回かぎり認められる。

次に商標法に関する点について

  1. 出願に関し最低限必要な書類は、「申請書」「商標見本」「指定商品又は役務」そして「出願料」である。

Circular 01には、識別力、先後願に関する判断基準が記載されているほか、国際登録出願に関する手続方法についても記載されている。

[出典:International Business Law Office]
【解説】
ちょっと前まで、ベトナム商標出願には、委任状の公証が必要であったり、出願時と同時に提出することが求められたりと不自由な点も多かった。法改正のおかげでだいぶ手続が速やかになってきたようだし(あくまで私見)、代理人のレスポンスも従来よりは早くなったように思う。中国に続く生産拠点地としてベトナムを考える企業も多いと聞く。ならば、出願手続につき考えるよい機会ではないだろうか。

ロシアの税関登録

ロシア税関当局では、知的財産権の保護措置として、事前申請を行った商標権・著作権等の所有者に対し、模倣品の通関に際し、通知を行っている。並行輸入品も保護措置の対象であることから、並行輸入品対策を求める日本企業に対し、事前申請を行うよう呼びかけている。

2007年3月29日に開催された「ロシア連邦税関局の知的財産権保護に関する取り組みについて」の講演の中で、ロシア連邦税関局の知財・情報製品移動管理課長であるセルゲイ・シュルィギン氏が知的財産保護制度の概要、活用メリットについて以下のように解説した。

  • 通関時の保護措置対象となるのは、「商標権」「著作権」「原産地表示」で特許権は対象外である。
  • 保護申請に必要な書類は、ロシア特許庁への出願書類あるいはWIPOを通じて商標登録を行ったことを示す書類等である。
  • 上記のほか、税関職員が商品の判別を行う際にポイントとなるような情報を添付することも可能である。
  • 申請情報はデータベース化され、すべての税関支所に通知される。
  • 税関による保護措置により、違反者と判断された場合、商品の没収、最低賃金の400倍の罰金の支払いが命じられる。
  • 通関手続が済んで市場に出回ってしまった商品に対しても税関の検査が行われることもある。
  • 通関時のみならず販売時でも税関は模倣品や並行輸入品の摘発ができる。
[出典:通商弘報]
【解説】

シュルィギン氏の説明によると、日経企業の登録申請は今のところない。
登録者のほとんどはロシア企業であるが、EU企業が25%、米国企業が15%を占めている。ロシアを販売市場と考えるならば、ロシア国内での商標登録および税関への保護申請について検討すべきということ。ちなみにロシアで商標登録を行う際には、「キリル文字」での登録についても考慮する必要がある。英文字商標さえ登録しておけば、第三者による類似のキリル文字商標の登録を100%防ぐことができるとは限らないためだ。英文字商標を音訳するか翻訳するかで、キリル文字の構成が違ってくる。
これは、中国に出願する際と同様の問題。英文字とキリル文字の二段併記で出願する方法も考えられるが、英文字のみの使用、キリル文字のみの使用では、登録商標の使用とみなされないといった危険があるので要注意である。

参考:INTA Bulletin July 15, 2007 Vol 62, No.13

解説:豊崎国際特許商標事務所 弁理士 豊崎 玲子

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