2008年のIPニュース

2008年3月28日号モロッコ、委任状記載要件の変更 他

  1. モロッコ、委任状記載要件の変更
  2. イラク、電子化制度導入に伴う弊害
  3. バングラディッシュ サービスマーク導入

モロッコ、委任状提出要件の変更

モロッコ商標庁は委任状に関する要件を改正し、2008年2月より委任状には出願人の印と同人の氏名及び役職が明記される必要がある、と発表した。しかしながら、原本が届く前にコピーによって出願を行うことは可能である。

[出典:NJQ & Associates]
【解説】
委任状の提出は不要という国だって増えている今日にあってなぜ委任状の記載要件を厳格にしたのか、という疑問はさておき、とりあえずコピーによる提出でも可、という点はありがたい。
モロッコは基本的に方式審査さえパスすれば自動的に登録証が発効される制度を採用している。出願自体、電子出願が可能である。ただし、3ヶ月以内に、オリジナル書面が提出されることが必要。出願時に委任状のコピーを提出したら、必ず出願後3ヶ月以内にオリジナル書面の提出を忘れずにしないと、みすみす登録を逃してしまうことになるので要注意。

イラク、電子化制度導入に伴う弊害

イラク当局によれば、商標庁の業務拡大のため、コンピュータを導入する方針であり、これに伴い、2008年2月より3ヶ月間、商標庁の通常業務は停止される。この期間、商標庁の職員はコンピュータ・ソフトウェアを開発し、同庁が所有する全てのデータをインプットし、今後の審査及び調査を迅速化し、包括的な商標システムを展開する予定。出願は受理されるが、そのまま3ヶ月間は据え置きとなる。当局では、この方針に対し、各方面に対し協力を求めており、紛失したデータやファイル等の再提出を関係者に求めている。

[出典: NJQ & Associates]
【解説】
前回、ポーランドでオンライン出願が可能となった旨をお伝えしたが、続々と世界じゅうでコンピュータ化が進んでいる。それにしても、「3ヶ月間業務停止」というのは大胆な発想。果たして3ヶ月で、ソフトの開発から、データのインプットまでできるのか?という疑問が残る。しかもその期間の通常業務を停止し、据え置いてしまったら、今後しばらく商標庁の職員たちは大忙しとなるか、商標システムが大混乱となるかのいずれか(あるいは双方)だろう。それを見越したうえでの発言なのか、「紛失したデータやファイルの再提出の協力依頼」というのは正直かつ勇気あるカミングアウト宣言だ。いずれにせよ、この騒ぎの後には少なからずの件数のデータが紛失し、権利が理不尽な理由で消尽する可能性が非常に高い。イラクに権利を持っている人、出願中の人は、騒ぎが収まったら必ず、現地代理人を通じて自己の権利がきちんとイラン商標庁のデータベースに記載されているか確認することをお忘れなく。

バングラディッシュ サービスマーク導入

バングラディッシュでは2008年2月14日付指令によりサービスマーク制度が導入された。

[出典: HAZARI & HAZARI]
【解説】
バングラディッシュといえば2006年10月に当時の政権退陣後、行われるはずだった総選挙も国内情勢悪化のために延期に次ぐ延期となって今日に至っている。要するに政局きわめて不安定。外務省の渡航情報にも「渡航の是非を検討してください」とある。そんな国で商標制度なんて言ってる場合か?と思いきや、経済活動は着々と行われ、それに伴う行政制度は粛々と整っていくもの。バングラディッシュの商標制度は一通りきちんと整備されている印象を受ける。まあサービスマーク導入といえどもインドのように42類までしかない国もあるので、国際分類の何版に沿っているのかは気になるところだ。

解説:豊崎国際特許商標事務所 弁理士 豊崎 玲子

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