2011年のIPニュース

2011年3月23日号日本:東北地方太平洋沖地震による国内外出願等への影響 他

  1. 日本:東北地方太平洋沖地震による国内外出願等への影響
  2. アメリカ:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置
  3. 台湾:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置
  4. 欧州共同体商標意匠庁:東北地方太平洋沖地震に伴う期限延長に関する決定
  5. 香港:香港特別行政区政府知識産権署の業務中断
  6. 韓国:東北地方太平洋沖地震に伴う期間延長又は救済方法
  7. ドイツ:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置
  8. ボスニア ヘルツェゴヴィナ:新知的財産権法
  9. ブラジル:新商標審査基準の発行

日本:東北地方太平洋沖地震による国内外出願等への影響

東北地方太平洋沖地震の影響を受けて、在日領事館では領事が一時帰国し、領事認証等に遅延が生じている。

一部の大使館・領事館では代理による署名、海外の領事に郵送で署名してもらう等の対応を行っているが、通常業務への回復に時間がかかる見込みである。
また、一部の郵送機関が業務を停止しており、海外への書類送付が遅れる可能性がある。
海外への出願、係属中の案件がある場合は、予め回答期限の延長や本号の以下のニュースにある対応が可能かを担当代理人に確認することをお勧めする。

また、日本特許庁でも東北地方太平洋沖地震によって影響を受けた手続の取扱いと具体的な申請方法について、2011年03月14、18日に同庁のHPに掲載しているので参照されたい。

アメリカ:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置

アメリカ特許商標庁(USPTO)は東北地方太平洋沖地震による影響を、連邦規則37CFR1.183及び7CFR2.146の規定する“異常事態”と見なし、それに応ずる救済措置を取ることを発表した。

所有者の連絡先又は居所が震災で影響を受けた日本の地域にあり、拒絶理由通知等出願人の回答を必要とする同庁からの通知に対応できない場合、USPTOは請求によって通知を取下げ、再発行する。当該請求は最初の期限日前に提出され、理由を説明しなければならない。
また当該地域の所有者の出願・登録が震災の影響で放棄又は取消され、回復請求があった場合、USPTOはこの請求費用を免除する。

しかしながら、以下の期限について延長は認められず、通常の費用がかかる。

  1. 登録から3年以内の使用宣誓書
  2. 登録から5-6年目の使用宣誓書
  3. 更新期限
  4. 異議申立又は取消審判等の請求期限
[出典:アメリカ特許商標庁]

台湾:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置

台湾知的財産局は、日本における東北地方太平洋沖地震の発生により手続が遅延し、法定期限を守れなかった案件について商標法第9条を適用するという通知を2011年03月14日付で公布した(公布番号智法字第10018600170号)。

これにより当該期限が再設定され、原状回復の可能性が生じる。
遅延が天災又は自らの責に帰することのない事由によって生じた場合、当該事由の解消から30日以内に遅延の理由を説明した書面を提出する。
しかしこのような遅延が1年を超える場合には、第9条は適用されない。

[出典:Gradation]

欧州共同体商標意匠庁:東北地方太平洋沖地震に伴う期限延長に関する決定

欧州共同体商標意匠庁(OHIM)長官は2011年03月17日付で東北地方太平洋沖地震に伴う期限延長に関する決定を公布した。

同決定において、長官は本震災を同庁への適切な通信を妨げる異常事態であると認め、欧州委員会実施規則第2245/2002第58条(4)に従い、日本に居住又は登録事務所を有する当事者の2011年03月11日から18日の間にかかるあらゆる手続の期限は4月28日まで延長されることになった。

[出典:OHIM]

香港:香港特別行政区政府知識産権署の業務中断

香港では先般の地震の影響による海底ケーブルの損傷でインターネット回線が被害を受け、知識産権署の業務が2011年03月14日から18日の間中断した。

文書等の申請期限が当該期間にかかる場合、当該期限は3月21日まで延長される。

[出典:香港特別行政区政府知識産権署]

韓国:東北地方太平洋沖地震に伴う期間延長又は救済方法

韓国では以下の救済措置が適用される(商標法第5条)。

  1. 指定期間の延長
    係属中の出願又は審判については、請求により、または特許庁長官、審判長等の職権により指定期間の延長が可能である。
    しかし、指定期間経過後は延長申請ができない。
  2. 法定期間の延長及び付加
    原則的に延長できないが、異議申立理由等の補正期間、拒絶査定等に対する審判請求期間、出願の補正却下決定に対する審判請求期間(全て30日)は請求により、又は職権により延長可能である。
    審決に対する訴訟及び審判請求書や再審請求書の却下決定に対する提訴期間について、交通が不便な地域にある者のために、審判長は職権で付加期間を付与できる。
  3. 責に帰することのない事由が認められ救済される場合
    手続に対する補正命令を受けた者の責に帰することのない事由により指定期間を遵守できなかった場合、拒絶査定不服審判の請求期間又は再審の請求期間を遵守できない場合、その事由が消滅した日から14日以内(期間満了日から1年以内)に請求すれば無効処分の取消が可能である。
    また、出願人又は権利人の責に帰すことがでない事由により納付期間又は延長された納付期間以内に商標登録料を納付又は補填しなかった場合、その事由が終了した日から14日以内(期間満了日から6ヶ月以内)に、納付又は補填できる(商標法第36条の3)。
[出典:MARK KOREA]

ドイツ:東北地方太平洋沖地震に対する救済措置

2011年03月18日付で以下の救済措置を発表した。

自己の過失によらず、特許庁又は特許裁判所に対する期限を遵守できなかった何人も、請求により元の状態への権利回復が認められる。但し、この規定は異議申立期限及びその手数料納付期限には適用されない。
権利回復の請求は、遵守できなかった原因の消滅より2ヶ月以内に行わなければならず、根拠となる事実の説明と証拠を提出しなければならない。但し、遵守されなかった期限の満了から1年経過したときは、回復の請求はできない。

尚、権利回復請求の決定は個別案件毎に行われ、その決定について争うことはできない(商標法第91条)。

[出典:ドイツ特許商標庁]

ボスニア ヘルツェゴヴィナ:新知的財産権法

2011年01月01日より新法が施行され、下記の変更点が挙げられる。

  • 相対的事由の審査廃止、異議申立制度導入
  • ディスクレーム申請が可能となった
  • 品質や出所を保証する認証マークの出願が可能となった
  • 出願商標の著名性を決定する新しい基準の導入
  • 登録商標が辞書等に表記される際、当該商標が指定商品・役務について単なる一般名称であるかのような印象を与える場合、出版者は商標権者の要請により、次回以降の版で当該商標が登録されていることをRマークの使用によって明示しなければならない。
[出典:Producta Ltd.]

ブラジル:新商標審査基準の発行

ブラジル特許庁は2010年12月28日付で、規則第260/2010号を発行した。

留意すべき点として、下記が挙げられる。

  1. ディスクレームについての規則
    特許庁は次の用語についてはディスクレームを要求する。
    :日付、トップレベルドメイン(.com, .org等)、技術用語、数字、色彩名、各種法人の種類(& Co, Company等)
    但し、普通名称が非記述的な方法で使用されている場合(蜂蜜に対してHoney Moon)、指定商品等の内容を示唆する用語の並列又は組合せの場合(医療器具に対してOrthomed)ディスクレームは要求されない。
  2. 専らスローガンとして使用される用語の登録禁止
    新基準は知的財産権に関する法第124条VIIの解釈を厳密にし、「宣伝手段としてのみ使用される商標又は表現」の登録を禁じている。
    但しこれらが商標として使用されている証拠を提示し拒絶理由を克服する可能性については記載していない。
  3. 先行類似商標についての厳密規定
    知的財産権に関する法第124条XXIIIは商標として登録できない標章を規定する条項だが、以下の場合について拒絶される。
    1. (1) 先行する商標と混同するほど類似する場合
    2. (2) 出願人の事業分野の性質からみて、同人が先行商標を認識していた場合
    3. (3) 先行商標の権利人がブラジル、ブラジルと協定を締結している国、又はブラジル国籍の出願人に互恵待遇を与えている国に居住している場合

当該条項は異議申立又は無効審判手続きにおいて、先行商標が外国で登録されている場合のみ適用される。
しかしながら、ブラジルで使用されているがどの国でも未登録の先行商標には適用されない。一方で、周知商標に関しては126条で規定されている。

[出典:Machado & Vieira de Mello]

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