2012年のIPニュース

2012年4月24日号バヌアツ:国内商標登録制度開始 他

  1. バヌアツ:国内商標登録制度開始
  2. カナダ:音響商標が登録可能に
  3. ペルー:著名商標特別登録局設立プロジェクト開始
  4. 韓国:優先審査の要件緩和
  5. 韓国:音響・匂い商標に関する審査基準改正

バヌアツ:国内商標登録制度開始

バヌアツでは2003年商標法が2011年02月08日に施行となったものの、その施行細則が定まっておらず、同国における商標法は不明な部分が多かった。

しかし2011年12月01日、新しい知的財産庁長官が任命されると、同庁が通商産業観光省内に設置され、様々な細則が定まり、現在新しい商標制度による出願登録の受付が開始されている。

新制度は、かつてのEU加盟国のいずれかの登録商標の再登録制度から、国内への直接登録制度へ移行したものであり、その主な特徴は以下の通り。

  1. 施行細則に定める加盟国における出願に基づく優先権主張が可能。
    しかし未だ当該国のリストは発表されていない。
  2. 1商標多区分であり、実体審査、異議申立期間がある。
  3. バヌアツ国内の代理人が必要
  4. 旧法下で申請され、新法開始直後に係属中であった手続に関しては、新法下において申請されたとみなされる。
  5. 有効期限満了後の猶予期間は3か月である。

また、新法においても、EU加盟国ベースで登録されたすべての登録商標は有効とみなされる。

[出典:AJ Park]

カナダ:音響商標が登録可能に

カナダ知的財産庁は2012年03月28日付で音響商標の出願を受け付けると公布した。

音響商標の出願にあたっては以下の要件を満たさなければならない。

  1. 音響商標である旨の申請
  2. 音響を視覚的に表したドローイング
  3. 音響の特徴に関する説明
  4. 音響の電子録音

今のところ、音響商標の出願はオンラインでは行えず、音の電子録音を除き紙面での出願が必要となる。

[出典:Joli-Coeur Lacasse Avocats]

ペルー:著名商標特別登録局設立プロジェクト開始

ペルーでは現在、商標局内に著名商標の登録のための特別局を設立するプロジェクトが開始されている。

また、アンデス条約の規定に基づき、著名商標の認定に必要な手続も併せて整備されつつある。
具体的には認定にあたってペルーにおける最先使用日、使用が開始された商品・役務リスト、使用継続期間、市場占有率、同国又はアンデス共同体における広告の期間、範囲、関連商品等における一般公衆の認識率等が求められる。

著名商標の認定の有効期間は10年で、公報に掲載されなければならない。

商標権者は異議申立、侵害事件、無効審判等の手続においてのみ認定を求めることができる。

上記は現在、草案として提出されているもので、不確定なものもの多いことにご留意願いたい。

[出典:Francisco Espinosa Reboa]

韓国:優先審査の要件緩和

韓国特許庁は、2012年04月01日から商標優先審査の申請要件を大幅に緩和すると発表した。

これまで使用又は使用予定に基づき優先審査を申請する場合、指定商品全てに対して証拠資料を提出しなければならなかったが、今後は主要な指定商品についてのみ提出すれば良い。

優先審査制度開始後から現在まで、主要商品ではない指定商品等について証拠を提出することが難しく、昨年の優先審査申請率が2%にも及ばないなど、同制度があまり利用されていないことが、このたびの申請要件を緩和の背景となった。

これによって通常審査では出願日から約10ヵ月が経過した後審査結果を受けるが、早ければ出願後2〜3ヵ月で商標権を取得でいる可能性があるという。

[出典:韓国特許庁]

韓国:音響・匂い商標に関する審査基準改正

韓国では、2012年3月15日の改正商標法施行により、音・匂いなど視覚的に認識できないものについても、視覚的な方法で写実的に表現した場合商標として出願し保護を受けることができるようになったが、このたびその審査基準が改正された。

  1. 音響・匂いなどの商標出願に関する審査基準
    1. (1) 視覚的表現の記載 :視覚的な方法で写実的に出願書に表現しなければならない。
      • 音響商標の視覚的表現の例示
        「本音響商標は添付ファイルの通り雄ライオンの鳴声からなり、雄ライオンが大きく吠える鳴き声が2秒間聞こえた後、少し間を置いて再び小さな鳴き声が聞える音からなる。」
      • 匂い商標の視覚的表現の例示
        「本匂い商標は、添付サンプルの通り刈りたての草の匂いからなり、ここでいう草とはゴルフ場で主に使用されるクリーピングベントグラス種をいい、刈りたての草の匂いとは芝を芝刈り機または鎌で刈ったとたんに発散する匂いで、刈ってから1時間が経っていない匂いをいう。」
    2. (2) 音ファイルおよび匂いのサンプルの提出
      音響商標は視覚的表現に合致する音ファイル1部をMP3(MPEG Audio Layer-3)、WAVまたはWMA(window media audio)などの汎用オーディオファイル形式で提出し(3 Megabyte以下)、匂い商標は視覚的表現に合致する匂いのサンプルとして、30ml以上の液体状の物質を入れた密閉容器を3個、または匂いが含まれた物質を3mg以上塗布した香りパッチを30枚以上提出しなければならない。
  2. 音響・匂いなどの商標の登録要件に関する審査基準
    1. (1) 識別力判断
      音響・匂いなどの商標は原則的に識別力が認められず、商標を使用した結果、需要者間にその商標が何人の業務と関連した商品を表示するものであるか顕著に認識されている場合のみ、つまり使用による識別力を取得した場合にのみ商標登録を受けることができる。
    2. (2) 類似判断
      音響・匂いなどの商標は、同じ類型の商標間で視覚的表現を基準に類否を比較して判断する。
      したがって、音商標の類否判断時に文字商標とは比較しない。
    3. (3) 機能性判断
      音響・匂いなどの商標は使用による識別力を取得した場合であっても、当該商品の機能確保に不可欠な音または匂いなどは登録を受けることができない。
      • 商品の特性から発生する特定の音または匂い
        例)ビール瓶の栓を抜く音、タイヤのゴムの匂い
      • 商品の使用に必要不可欠であるか、その商品に普通に使われる音または匂い
        例)オートバイのエンジン音、香水の香り、食べ物の匂い
      • 商品の販売増加の密接な原因になる音または匂い
        例)チャイムベルの音、芳香剤の匂い
    4. (4) 要旨変更判断
      音響・匂いなどの商標を他の類型の商標に変更する場合は要旨変更に該当し、要旨の変更か否かは視覚的表現を基準に判断する。
  3. 音響・匂いなどの商標の公告に関する審査基準 商標の説明、視覚的表現、音ファイルなどが掲載され、匂いのサンプルは第三者申請時に閲覧可能なように閲覧室に別途保管される
[出典:KIM & CHANG]

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