2013年のIPニュース

2013年1月16日号韓国:初の位置商標認定 他

  1. 韓国:初の位置商標認定
  2. 日本:商標法改正案に新たな非伝統的商標追加
  3. 中国:広東省模倣品生産販売取締条例改正

韓国:初の位置商標認定

昨今の企業活動の多様化・複雑性を鑑み、現在、日本を含む各国で香り、触覚、動き、ホログラム等非伝統的商標保護の検討が進められている。

韓国においては2007年から一部の非伝統的商標保護が開始されているが、2012年12月20日、韓国大法院は初の位置商標を認定する判決を下した。

位置商標とは商品等の、一定の位置に付すことで識別力を有する特徴がある標識であり、既に欧米、豪国等で登録例(例:米国登録第2363544号)がある。

今回の対象はアディダスが出願した「 」で、大法院はその判決において位置商標を「指定商品の特定の位置に付すことによって自他商品を識別させ得る標章」と定義し、本件商標の指定商品の両脇の位置に付された「三本線」を位置商標として認めた。

最近まで、韓国特許庁および法院は位置商標を一般的に認めておらず、標章に表示された指定商品の形状部分の具体的な意味を問わず、一律的に指定商品の形状部分を標章自体の外形をなす図形とみていた。

つまり、点線部分などを通して一定の形状や模様などが付される特定の位置を説明する出願人の意思が明らかな標章を出願しても、標章は点線部分を含んで全体として扱われ、結果的に識別力欠陥を理由に拒絶されるケースもあった。

しかし大法院は、今回の判決を通して、商標法上商標の定義規定は、記号・文字・図形またはその結合を使用して、視覚的に認識できるように構成されている、あらゆる形態の標章を商標の範囲に含むものであり、またこの規定によれば位置商標も認められる、として態度の変化を明らかにした。

さらに大法院は、韓国の商標出願および審査過程で、出願人が位置商標である旨を明らかにする手続き、または権利不要求手続が設けられていないという理由をもって位置商標を否定することはできないと強調した。

大法院は特許法院判決を破棄差戻し、本件商標の点線部分は標章の一部ではなく単に指定商品に付される特定位置を説明するための部分に過ぎないと判示した。
これにより、特許法院ではシャツの全体構成の登録可能性ではなく、三本線部分を位置商標としてその登録要件を再度判断することになる。

上記の判決によっても、商標制度に位置商標である旨を明らかにする手続または権利不要求手続が現行韓国商標法にはないことから、審査に本判決を厳密に適用することは難しいと思われるが、特許庁では本判決に従うために審査基準など関連規定改正の動きも予想される。

[出典:KIM & CHANG]

日本:商標法改正案に新たな非伝統的商標追加

経済産業省・特許庁は、2013年度通常国会に向けて新たに「音」「動き」「ホログラム」「色彩」「位置」の商標権を設定する商標法改正案を提出する方向で最終調整に入った。

ただ米国や韓国で権利を取得できる「匂い」は設定を見送る。
順調に成立した場合、2014年度にも施行する。

ネットの普及とともに音や動きを広告に使うケースが急増しており、既に一部の国では非伝統的商標の保護が認められている。

今後日本がTTP交渉に参加すれば、商標制度を国際標準に合わせるよう相手国から求められる公算が高く、その前に商標法の改正を行うことが望ましい。
同じ理由から「匂い」の商標権についても検討は継続される。

新たな商標権が生じれば法改正、特に第2条の改正が必要となるが、今回の改正では商標の定義規定改正は先送りされ、追加される商標権に絞った改正が予定されている。

特許庁は今後、審査と出願要件を詰めるが、新商標権の審査は、従来の出願人から文字や図形の提出を受ける手法を大幅に変更せずに対応できる見通しである。

動きやホログラムの出願では連続した図案のほか、説明文の添付を出願要件に加える。

一部の日本企業は既に海外でこのような新しい商標権の保護を進めており、今後はマドプロを経由して短期間で権利の保護化を促進できる等の道が開ける。

一方、欧米企業によるこれらの新しい商標権の出願が増え、また新たな権利侵害が増えてもその判定をどのように行うか等の問題の発生も懸念される。

[出典:日刊工業新聞]

中国:広東省模倣品生産販売取締条例改正

中国の模倣品対応機関のうち、TSBは主に「製品品質法」「製品品質法の実施に関する国家質量技術監督局の若干問題意見」及び各地方の「模倣品等生産販売取締条例」に基づき、違法が疑われる行為について調査、処罰する。

広東省は特に模倣品生産・販売の事例が多く報告されているが、同省においては1999年に制定された「広東省査処生産銷售假冒偽劣商品違法行為条例」が模倣品取締専用のための地方法規として施行されている。
しかし近年の模倣品に関する行為がますます巧妙になってきていることもあり、旧来の条例では対応しきれないことが明らかであった。

このため、同条例は2012年広東省第11期人民代表大会常務委員会第36回会議で大幅に修正され、2012年11月01日から施行された。

その主な特徴は以下の通りである。

  1. 「第一責任」の明確化
    消費者が販売者に賠償を求めた場合、販売者はまず賠償責任を負わなければならず、これを拒否できないことが明確化された(第65条)。
    販売者が賠償した後、生産者の責任が明らかな場合、販売者は生産者に事後保障請求をする権利を有する。
  2. ネットショッピングにおける販売取締の明確化
    ネットショッピングに対する監督管理強化を明確化し、必要な場合、サイト許可地の通信管理部門に対して当該サイトの一時閉鎖、アクセスの一時停止を命じる(第16条)。
  3. ブラックリストの構成
    改正条例は特に第三節を情報開示に割き、違法行為記録制度を策定し、行政処罰を受けた生産・販売者等の関連情報を強制サイト又はその他の方法で適時公表しなければならない。
    また、複数回に渡り違法行為を行ったものの記録は重点監督管理対象リストに入れられる。
  4. 模倣劣悪商品の明確化と当該製品を景品として用いた場合も模倣品販売とされる
    第10条においては、人体の健康、財産の安全に関する標準を満たさないもの、認証マークやラベルを偽造しているもの等14項目が模倣劣悪品として、第12条においては、当該商品の製造・販売者のためにネットワークプラットフォーム等のサービスを提供する、広告サービスを提供する場合等が、当該品のためのサービス提供として列挙され、更に第11条において、これらの商品を景品付き販売活動の景品として用いた場合も、当該商品の販売と見なすことを明確化した。
[出典:広東省質量技術監督局、人民日報]

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