2013年のIPニュース

2013年5月14日号コモロ諸島:OAPI加盟 他

  1. コモロ諸島:OAPI加盟
  2. マケドニア:関税法改正へ
  3. ロシア:民法典改正による知的財産権規則への影響
  4. フィリピン:商標規則の改正
  5. 韓国:模倣商標の出願増加
  6. 日本:「ご当地グルメ」商標保護のため商標法改正へ
  7. 中国:「傍名牌」特別摘発行動開始
  8. 中国:異議申立における最近の決定

コモロ諸島:OAPI加盟

OAPIは、コモロ諸島が2013年3月25日にバンギ協定を批准したことを発表した。

コモロ連合は2013年5月25日付でOAPIの正式な加盟国になり、OAPIの加盟国は全部で17ヶ国になる。

これまでコモロ諸島には知的財産法がなく、新聞警告によって権利保護を求めてきた。
2013年5月25日以降、OAPIに出願される全ての商標、特許、意匠、実用新案及び植物品種はコモロ諸島に及ぶ。

2013年5月25日前に出願され、有効なOAPI登録に関して、2013年5月25日以後の次回の更新時にコモロ諸島に自動的に拡張され、その権利は更新日から効力を有する。
更新期限よりも前にOAPIの権利をコモロ諸島に拡張することも可能である。

[出典:Lysaght& CO.]

マケドニア:関税法改正へ

マケドニアでは関税法の改正が行われているが、主な改正の一つに侵害品である繊維商品、靴類について、自然災害で被害を受けた地域住民や社会的に恵まれていない人々へ寄付する条項を盛り込むことが検討されている。

それによれば、商標権者の同意と当該商品から商標を削除した後、管轄機関が配布を行う。商標を削除できなかったり、商標権者の同意を得られない場合、当該商品は廃棄される。

[出典:SD PETOSEVIC]

ロシア:民法典改正による知的財産権規則への影響

2010年12月14日号でもお伝えしたが、ロシアでは民法典の改正が進められており、現在以下3点について改正が行われる予定である。

  1. ISPプロバイダーの責任について
    改正法では「情報の仲介者」即ちコンテンツを直接伝達する、又はオンライン上にコンテンツを提示する機会を提供するものは需要者を故意に選択したり、伝達した情報が知的財産権を侵害するものであることを知らなかった等の場合は、責任を回避できる。
  2. 出願手続
    同意書を提出可能であるが、特許庁は職権で拒絶の有無を決定できる。
    また公告後の異議申立も導入される予定である。
  3. 知的財産権の移転
    書面による譲渡・使用許諾書が必要で登録が義務付けられる。
    また企業同士における無償の契約書はわずかな例外を除き、認められない予定である。
    使用許諾の場合、ライセンシーは契約書に従い、契約書に規定がない場合は、ライセンサーの求めに応じて知的財産権の使用について報告しなければならない。
    ロイヤリティ等の支払いについてライセンシーが条件を守らなかった場合、ライセンサーは正式な通知を送付し、一方的に契約を終了できる。

上記の改正は未だ検討段階であるため、詳細が決定され次第お伝えする予定である。

[出典:SD PETOSEVIC]

フィリピン:商標規則の改正

フィリピン知的財産総局(IPOPHL)は2013年4月に命令書第13-054、056、061号を発行し、以下の商標規則を改正した。

審査官が各国特許庁のデータベースから他国の出願登録を確認できる場合、出願人は優先権書類を提出する必要はない(命令書第13-061号)。
しかし、そのようなデータベースがない国の場合、出願人は優先権書類とその英訳を提出しなければならない。

フィリピンにおける出願が登録査定となった時点で優先権の基礎出願が登録となっていない場合、又データベースで検索できない場合、審査官は登録査定とともにその通知日から6か月以内に当該出願の登録証コピーの提出を求める。
当該期日は更に1年間の延長が可能である。

使用証明(命令書第13-054、056号)について、既にプラクティスでは行われていたことだが、オンラインによる販売に関してフィリピン国内の販売店の代わりに当該ページのURLの記載が認められたほか、提出期限を明確化した。

詳細については、下記を参照されたい。

Office Order No. 13-061 - Trademark Applications with Priority Right Claim:

Office Order No. 13-054 - Amendment of Rule 20(2), Office Order No. 139, series of 2012:

[出典:IPOPHL]

韓国:模倣商標の出願増加

韓国では5月1日、日本のディスカウントショップが同国の類似商号の雑貨店の運営会社に商標権侵害に基づく仮処分を申請し、韓国の裁判所は称呼と外観が類似することを理由に雑貨店に対して商標使用を差し止める処分を下した。

これはほんの一例だが、韓国ではここ数年ある程度知られた商標をそのまま模倣した商標が出願され、異議等において拒絶される事例が増えている。

異議申立で模倣商標として認定された例は2009年には59件にすぎなかったが、2012年には645件と増加しており、2013年も3月の時点で既に144件と今後も増え続けることが予想される。

韓国では第7条1項12号により、「ある程度知られている」商標でも、同一・類似商標の場合は模倣商標として認定される。
また同国においては登録査定・拒絶査定が下りるまで情報提供が可能である。

韓国で事業展開する又は予定のある企業はこのような制度を積極的に利用し、監視することをお勧めする。

[出典:共同通信、KIPO]

日本:「ご当地グルメ」商標保護のため商標法改正へ

特許庁は全国各地の特産食品「ご当地グルメ」を便乗商法などから守るため、商標法を改正する方針を固めた。
農産物や伝統工芸品の地域ブランドを保護する「地域団体商標制度」の登録条件を緩和し、ご当地グルメも制度を活用できるようにする。

地域団体商標は地域ブランド育成のため、平成18年に通常の登録よりも手続を簡略化した新制度で、今年3月末現在で536件の登録例があるが、登録できるのが農業協同組合や漁業協同組合、酒造組合などに限られる。
ご当地グルメは商工会議所や商工会、NPO法人が活動の担い手の場合が多く、商標法を改正し、登録主体の範囲を広げることにした。

「ご当地グルメ」は地域おこしの一環として全国で活況を呈しており、2012年10月に開催された「B-1グランプリ」には、63の地域団体のご当地グルメが参加し、実際には100を超えるご当地グルメが存在するとみられる。

人気の一方で、地域と無関係な企業や個人に、勝手に名称を使われる被害も増え始めた。
しかし商標登録を受けていないと使用差し止めなどの有効な対策が打てない。

特許庁は今国会での法案成立を目指している。

[出典:MSN産経]

中国:「傍名牌」特別摘発行動開始

知的財産権侵害と模倣品摘発活動全国指導グループの第5回全体会議の決議に基づき、国家工商総局は今年第2四半期(2013年4月1日〜6月30日)より、「傍名牌」特別摘発行動を展開している。

同局は4月11日には摘発特別行動の手配を兼ね、執行事例についての会議を開催し、北京、浙江、江蘇等12省・直轄市の工商局の責任者が出席した。

今回の行動は苦情が多かった家電製品、日用品、食品、建築装飾材、農産物などの商品とインターネットにおける「傍名牌」行為を取り締まる。

2013年5月より、各省レベル工商局は毎月5日の前に、総局に先月の《「傍名牌」特別摘発行動成果統計表》と代表的ケースを提出し、2013年7月15日の前に特別摘発行動の総括報告を提出する予定である。

[出典:工商行政管理総局]

中国:異議申立における最近の決定

中国における異議申立において、商標庁(CTO)は対象となる商標と異議の根拠となる商標のみを考慮し、被異議申立人によるその他の商標出願はCTOの決定に対して影響を及ぼすことはなかった。
しかしながら、CTOは最近このような傾向と異なる決定を2件出している。

第1のケースはKent Nutrition Group Inc(Kent社)対Ningbo Guan Ya Trade and Business Co Ltd(NGYTB社)であり、Kent社は商標「BYNATURE」を第31類のペットフードに対して使用していたが、同社の出願の前にNGYTB社が同一商標を同一区分へ出願した。

Kent社は異議申立を請求し、NGYTB社が出願していたその他の商標リストを提出し、これらが第三者によって類似商品について既に中国内で名声を確立している商標と同一であることを理由に出願人の悪意を主張した。

CTOは2012年12月04日付決定において、NGYYB社の出願は
- 悪意によるものであり
- 善意の原則に違反し
- 商標法第10条1項8号に規定する公共の利益及び秩序に悪影響を及ぼす標章に該当する
と判断した。

第2のケースは中国個人が出願した商標「貝吉哈克」に関するもので、これはフランスワインの地理的表示である「Bergerac」の音訳で、フランス国立原産地名称研究所(INAO)が異議申立を請求した。

CTOは2012年11月27日付決定において、出願人がこの地域の出身ではなく、又対象商標の他にラテン語の「Bergerac」商標を出願していることに基づき、対象商標が登録となった場合、公衆に出所混同をもたらすとして第16条(地理的表示)に基づき出願商標を拒絶した。

上記の件で注目すべきは、CTOがその決定において出願人によるその他の商標出願について言及していることである。
第2のケースは地理的表示であったこともあり、通常のケースとは異なるが、第1のケースにおいて、異議申立人の商標が「一定の影響力」を獲得していなかったため第31条は適用されなかったが、CTOは出願人によるその他の第三者商標出願を考慮し、第10条を適用している。

これらは一例であり、今後もCTOが異議申立においてこのような決定を下すかは不明であるが、特に冒認出願に対する異議申立においては、出願人のインデックス調査をしておくことをお勧めする。

また、同一出願人の複数出願商標に対して異議申立を請求する場合、CTOに対して審判官を1名に集約するよう上申書を出しても良いだろう。
上申書を出しても必ずしも審判官が集約されるわけではないが、少なくとも各審判官に案件の概要を提示し、出願人の悪意を認める可能性を広げられると思われる。

[出典:Wan Hui Da Intellectual Property Agency]

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