2014年のIPニュース

2014年10月28日号トルコ:無効審判は違法と判定される 他

  1. トルコ:無効審判は違法と判定される
  2. 中国:音響商標の審査基準決定
  3. ウルグアイ:不使用取消に関する改正
  4. チリ:2012年1月から2014年4月までの登録商標に関する変更
  5. ブラジル:電子登録証発行へ
  6. カーポヴェルデ:知的財産庁の組織変更
  7. シリア:委任状に関する要件厳格に
  8. 中国:最高人民法院、知的財産法院設立を推進

トルコ:無効審判は違法と判定される

トルコでは案件2013/147に関する2014年04月19日付判決2014/75号により、憲法裁判所は商標に関する法律第42条(c)が取り消された。
当該条項は商標の無効を以下のように規定している。
「登録商標が、第14条に違反する場合(ただし、手続の提起日と5年の期間の満了日の間の善意の使用は、無効の理由を構成しない。手続が提起されることを知った上で使用がなされた場合は、裁判所は手続提起に先立つ3月の間になされた使用を考慮に入れない。)」

当該条項について、トルコ第4知的財産所は、以下の理由に基づき憲法第2、35、91/1条に違反するとし、憲法裁判所に取消を求めた。

  • 第42条(c)において、登録商標は裁判所によって無効とされ、第44条に基づき遡及効があるため、登録日より無効となる。この宣言は遡及的ではなく、寧ろ取消決定からの取消とするべきである。商標法第14条においても、不使用の場合は取り消されると規定しており、遡及効を有する無効とすべきではない。
  • 登録商標は財産権であり、商標法(decree law)に基づく登録商標の無効又は取消により制限されることになる。しかし財産権は議会が可決する法律(legislative act)に基づき制限又は廃止されるべきである。

憲法裁判所は、商標法第42条(c)を、商標が財産権であることを定めた憲法第35条、財産権を法令(Decree law)に基づき制限又は廃止することを禁じる憲法第91条に違反するとし、当該条項を取り消した。しかし、同裁判所は第4知的裁判所が主張していた取消に関しては言及していない。

憲法裁判所が取消について判断しなかったため、現在トルコにおいては登録日より5年以上不使用の登録商標について、無効審判を求めるのか、取消審判を求めるのか不明瞭な状況となっている。
トルコでは最近、特許、著作権法についても憲法裁判所による同様の憲法違反の判決が出されており、却って知的財産権の枠組みを弱体化するものであると指摘されている。

[出典:Deris Patent ve Marka Acentaligi AS]

中国:音響商標の審査基準決定

中国商標庁(CTO)はこのほど、音響商標の審査基準を以下のように明確化した。

登録・使用できない音響商標

中国その他の国の国歌と同一・類似の音響、悪影響を与える音響(暴力を宣伝する音楽等)

識別性

音響商標の識別性は通常、広範な使用によって獲得される。出願人は実体審査において、審査官の要求により、識別性を獲得したことを示す証拠を提出しなければならない。
また、以下の音響は識別性に欠けるとみなされる。

  • 対象消費者、指定商品・役務の特徴を直接あらわす音響(指定商品がミルクパウダーで、商標が子供の笑声等)
  • シンプルで特徴のない音又はメロディ
  • 完全又は長編の音楽又は声楽作品
  • 人間の通常の声で表現される通常のスローガン
  • 産業で通常に使用される音又は音楽作品
類似性

原則として、音響商標の類似性は他者の音響商標、その他商標との比較で判断される。音響商標が他者の音響商標又はその他の商標(文字商標等)と比較し、両者に関連性があると誤解される又は消費者に混同をもたらす虞がある場合は類似と判断される。たとえば、“a good neighbor”というタイトルの音響商標は、文字商標“GOOD NEIGHBOUR”と類似と判断される可能性がある。

[出典:Wilkinson & Grist]

ウルグアイ:不使用取消に関する改正

2014年01月14日号でウルグアイにおいて不使用取消が可能となる旨をお伝えしたが、2014年10月01日付政令第277/2014号が発せられ、2014年10月07日に公報に掲載された。これは法律第19.149号第187-189条の使用義務に関するものである。
これにより、2019年01月01日より、第三者の登録商標に対して直接的、正当な利害を有する自然人又は法人は、当該商標が5年以上継続して使用されていない場合、不使用取消を請求できる。

[出典:Vanrell Intellectual Property]

チリ:2012年1月から2014年4月までの登録商標に関する変更

チリ産業財産庁(INAPI)は、2012年1月から2014年4月にかけて登録された商標に関して、有効期限の計算に誤りがあったため、登録日を修正する旨を通知した。このため2012年1月から2014年4月にかけて登録された商標の登録証は無効になり、INAPIは新たに無料で電子登録証を発行する。新しい登録証が発行されるまでは現在の登録日で保護される。
弊社管理案件については、現在確認を行っており、該当する登録商標について順次対応する予定である。

[出典:Sargent]

ブラジル:電子登録証発行へ

ブラジルでは2014年09月15日付で電子登録証に関する規則第136/2014号が採択され、同09月30日より発効された。これに基づき、すべての登録証は電子の形で発行される。

[出典:Di Blasi, Parente & Associados]

カーポヴェルデ:知的財産庁の組織変更

カーポヴェルデでは知的財産局(Intellectual property Institute (IPICV)と品質管理局(Quality Management Institute, IGQ)が合併し、新たに品質管理・知的財産局(IGQPI)となった。当該局は知的財産権と著作権に関する事項を取扱い、商品・役務の品質の監視を管轄する。

[出典:INVENTA]

シリア:委任状に関する要件厳格に

シリアでは最近委任状に関する偽造が発見され、法務省はすべての行政機関に対して、署名日より3か月以上経過した委任状を受理しないよう命じた。しかしながら、これにより商標実務に影響が出ているため、同省は新たに、行政機関に対し署名日又は領事認証の日付から1年以内の委任状を認めるとの新たな通知を出した。

[出典:JAH & Co]

中国:最高人民法院、知的財産法院設立を推進

中国において、第12期全国人民代表大会常務委員会の第10回会議で、「北京、上海、広州に知的財産法院を設立することに関する決定」が採択されたが、これをうけて最高人民法院はこのほど、知的財産法院設立の準備作業に関するシンポジウムを開催し、知的財産法院設立に関する活動計画について議論した。
同法院は年内にも知的財産法院を設立し、業務を開始する予定であるという。

[出典:国家保護知識産権網]

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