2016年のIPニュース

2016年3月23日号韓国:商標法改正 他

  1. 韓国:商標法改正
  2. EU:商標制度改正(続報)
  3. インドネシア:ライセンス登録に関する施行規則公布
  4. トルコ:異議申立期限の変更

韓国:商標法改正

韓国では商標法全部改正法が公布され、公布後6カ月が経過した2016年09月01日から施行される。今回の商標法全部改正は1990年の全部改正以降26年ぶりに行われるものであり、その意味は大きい。

1990年以降、韓国商標法は実に23回改正されており、枝条文が過度に羅列される、日本語からそのまま取り入れた表現が多いなどの問題があった。
今回の改正法では、①商標の定義を国際的な流れに合わせ簡潔に整備、②不使用商標に対する商標登録の取消審判を何人でも請求できるように請求人の範囲を拡大、③先出願登録商標の類否の判断時点を登録可否の決定時点に変更する等、出願人の利便性向上や商標法の国際的調和に重点が置かれた。
尚立法予告時に含まれていた①商標共存同意制度(コンセント制度)、②不使用取消審判における駆込み使用に関する規定、および③同日に2以上の出願が競合した場合の先使用者の出願優先規定は除外された。具体的な内容は以下の通り。

1.商標定義規定の整備

現行の商標定義規定は、商標として機能する全てのものが商標として登録可能であるにも拘わらず、限定列挙的に定義することにより誤解を招く素地があることから、改正法では「商標」は他人の商品と識別するための標章、「標章」はその構成や表現方式にかかわらず商品の出所を表すために使用する表示と定義し、標章類型を例示列挙する形をとった。併せて、サービスマークを商標に一元化した。

2.不使用取消審判請求時の利害関係要件の廃止および取消効力発生時期の変更

旧法において不使用取消審判は「利害関係人」のみ請求することができたが、改正法では「何人でも」に拡大した。更に取消審決の効力を審判請求日に遡及して商標権が消滅するようにし、登録を受けたのに実際には使用せず、他人の商標選択権や企業の営業活動を制限するという問題点を解消した。

3.商標不登録事由判断時点を登録可否決定時に変更

改正法では日本商標法と同じく商標不登録事由の存在に対する判断時点を登録可否決定時に変更した(ただし、著名商標保護規定、不正の目的に基づく出願の制裁規定、信義則違反出願の制裁規定、条約当事国の代理人不正出願の制裁規定は出願時を基準に判断)。これにより、出願時に先登録商標が存在していた場合、登録可否決定時には消滅したとしても先登録商標との抵触による拒絶理由が解消されず再出願しなければならないという現行法下での不合理が解消される。

4.商標権消滅後1年間の出願禁止規定の廃止

商標権が消滅した後1年間、需要者間にその商標に関する信用が残っているため商標出所の誤認混同を生じさせる虞があるして他人の同又は類似した商標の登録を排除していた規定を削除し、出願人が新たに出願することによって発生する時間と費用を削減し、迅速な権利化ができるようにした。

5.条約当事国の登録商標に対する保護範囲の拡大

条約当事国の登録商標に対する保護規定が、現行法のもとでは異議申立/取消事由であったものを、改正法では拒絶理由/異議申立/無効事由に該当するものに変更した。また、改正法では同規定の適用範囲を①「代理人もしくは代表者」から「代理人、代表者など共同経営・雇用などの契約関係や業務上の取引関係またはその他の関係の者」に拡大し、②出願日前1年以内に代理人や代表者の関係にあったことを求める要件を削除するとともに、③除斥期間の適用を受けないことに変更し、条約当事国の登録商標に対する保護範囲を広げた。

6.指定商品別の権利範囲確認審判請求を可能に

権利範囲確認審判を指定商品別に請求できると明文化することにより、一部に対してのみ権利範囲確認審判を請求する場合の審判請求費用を節減できるようになった。

また、商標が最終登録されれば、登録事実を商標公報に公告し、国民が商標に関する情報にアクセスしやすくした他、出願人の細かい記載ミスを審査官が職権で直すことを可能にし、やむを得ない事由により手続きを逃した場合、救済期間を14日から2カ月に延長する等、出願人の不便を解消するための改善事項も反映されている。

[出典:KIPO、Kim & Chang]

EU:商標制度改正(続報)

OHIMは今回の商標制度改正(2016年01月13日号参照)に鑑み、EUを指定する国際商標の所有者に対してクラスヘディングで指定した商品等について、保護範囲を明確にする機会を与えるとの通知を出した。
即ち、2012年06月21日以前にクラスヘディングで出願し、登録となったEUを指定する国際商標の所有者は、出願時に有効であったニース国際分類に基づき、クラスヘディングの文字通りの意味ではなくそれ以上の範囲を保護する目的で出願したことを記載した宣誓書を提出できる。
この宣誓書は2016年02月08日付OHIM長官通達第1/2016号(Communication No 1/2016 of February 8, 2016 of the President of OHIM)で規定された様式に従い、2016年03月23日から09月24日までの間にOHIMへ提出することになり、WIPOに送付する必要はない。OHIMは当該宣誓書を受理した場合、その旨をWIPOに通知することになる。

[出典:WIPO]

インドネシア:ライセンス登録に関する施行規則公布

知的財産権のライセンスは契約を登録することにより、第三者対抗要件を有するが、これまでインドネシアでは登録のガイドライン又は規則がなかったため、実際にライセンス登録することができなかった。しかし2016年02月24日、インドネシア法務・人権省令第8/2016号が発せられ、知的財産権のライセンス登録に関する施行規則が定められた。
それによると、ライセンス登録申請にあたっては以下を提出しなければならない。

  1. 1)ライセンス契約書の写(秘密条項を開示していない、必要事項を記載した雛形契約書の提出可)
  2. 2)登録証写
  3. 3)委任状
  4. 4)登録費
  5. 5)対象となる知的財産権が保護期間にあり、国家経済と技術の発展に害するものではなく、公序良俗や法律に違反するものではないことを誓約する特別宣誓書

尚、省令では申請はオンラインでも可能と規定しているが、現実には未だオンラインによる申請制度はない。
申請は受理されると方式審査が始まり、不備がある場合は10日以内に補正しなければならない。この期間に対応しなかった場合、申請は取下と看做される。
登録要件を満たした場合、ライセンス契約は登録され、公告される。
ライセンス契約登録の有効期間は5年間で、更新可能である。

[出典:Rouse]

トルコ:異議申立期限の変更

トルコ特許庁はこれまで月1回だった公報の発行を月2回発行することを決定し、2016年02月から実施された。今後、公報は毎月12日と27日に発行されることになる。
これにより、今まで月1回であった異議申立期限が月2回になり、出願人は公告日に応じて毎月中旬と下旬に異議期限を迎える案件をチェックしなければならなくなる。

[出典:DERIS PATENTS & TRADEMARKS AGENCY A.Ş.]

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