2016年のIPニュース

2016年6月28日号ケイマン諸島:年金納付制度の変更 他

  1. ケイマン諸島:年金納付制度の変更
  2. タイ:ライセンス登録と準拠法の選択
  3. トルコ:不使用取消に関する条文改正へ
  4. メキシコ:異議申立制度導入(続)
  5. イエメン:クラスヘディングの使用停止
  6. コロンビア:特許庁一時運営停止
  7. コソボ:委任状原本必須に
  8. ベラルーシ:知的財産法改正へ
  9. ルワンダ:知的財産法改正とオフィシャルフィー変更
  10. WIPO:各種証明書の早期発行
  11. エジプト:エジプトへの商品輸出に関する新規則

ケイマン諸島:年金納付制度の変更

ケイマン諸島総登記局(General Registry of the Cayman Islands)は年金の一括前払いを禁じる通知01/2016号を発し、2016年08月01日から施行される。
これにより、今まで認められていた存続期限までの一括前払い(最大10年まで)が不可能となり、今後は毎年期限を迎える年の01月01日以降に支払わなければならない。
03月31日を過ぎて年金を支払う場合は遅延金を支払わなければならない。
これは実質的な年金の値上げであり、該当する商標権を所有している場合は、7月中に年金の一括払いを行うことをお勧めする。

[出典:Caribbean IP]

タイ:ライセンス登録と準拠法の選択

タイ商標法第68条によれば、タイにおいて商標をライセンスするには、書面によるライセンス契約を知的財産局に登録しなければならない。ライセンス契約が登録されていない場合、当該ライセンスは無効となる可能性がある。

ところで、契約当事者はしばしば契約に準拠法の選択に関する条項を含め、タイ以外の国の法律を管轄法とすることがある。この準拠法がタイ以外の国の法律である場合、当該契約書はタイ国内で登録しなければならないか、という問題がある。
これについてタイ中央破産裁判所(Central Bankruptcy Court)は最近以下の興味深い判決をくだした。

継手・パイプの製造業者でタイを含め複数の商標権を有する企業Aが、ある商標権を第三者企業Bに譲渡した。後に、この第三者Bは当該企業Aに商標をライセンスし、AはBのライセンシーとなった。両当事者はイギリス法を準拠法とするライセンス契約書を締結したが、タイ知的財産局には登録しなかった。
後に、企業Aは会社更生手続に入り、その間に企業Bからライセンス契約で規定された義務の不履行を訴えられ、ライセンス契約違反について過去最高の69億THBの損害賠償を求められた。
裁判において、企業Aはライセンス契約が知的財産局に登録されていなかったため、民商法第152条に基づき無効であると主張し、企業Bはイギリス法では登録は求められていないと主張した。
通常、商標権のライセンス契約に関する紛争はタイのIPIT裁判所が管轄するが、本件において当事者である企業Aが更正手続に入っていたため、タイ中央破産裁判所が扱うこととなった。
タイ中央破産裁判所は判決において、商標権はタイで登録され、タイの法律によって保護されているものであり、ライセンス契約は登録されなければならないと判断した。当該契約が登録されていないため、本ライセンスは無効であり、企業Bは損害賠償の請求権はないと判断された。
タイ中央破産裁判所の判決は、準拠法の選択に関する条文によってタイ商標法第68条の適用が回避されないことを明確にしたものである。
タイにおいてライセンスビジネスを行っている場合は留意が必要である。

[出典:Tilleke & Gibbins]

トルコ:不使用取消に関する条文改正へ

商標に関する法律556号第14条によれば、継続して5年間使用されていない商標に対して、不使用に基づき取消審判を請求できるが、不使用取消審判はIP裁判所に請求しなければならない。トルコ特許庁は拒絶理由に関する審査又は異議申立において当事者の一方から主張された場合であっても、商標の使用を判断する権限がない。さらに法律556号には不使用に関する明確な条文がない。
しかしトルコでは知的財産法の改正が進んでおり、改正法第19条によれば、異議申立において、出願人から要望がある場合、トルコ特許庁は異議申立人に根拠となる商標の使用の立証を求めることができる。同人がトルコ国内における使用を立証できなかった場合或いは不使用に関する正当な理由がない場合、異議申立は却下される。
使用証拠が一部の商品・役務に関してのみ認められる場合、審判は当該商品・役務に限定して行われる。
また第25条によれば、出所混同の虞に基づく取消審判において、被請求人は取消審判の根拠となる商標の不使用を主張できる。更に29条ではこの不使用に基づき被請求人は商標権侵害を主張できる。

[出典:DERIS IP Attorneys]

メキシコ:異議申立制度導入(続)

2015年11月25日号でお伝えした通り、メキシコでは異議申立制度の導入が2016年06月01日付官報に掲載され、その90日後に発効される。これにより、2016年08月30日よりメキシコで異議申立が正式に導入されることになった。
これにより異議申立に関するオフィシャルフィーが新たに制定されることになる。

[出典:OLIVARES Y COMPANIA SC]

イエメン:クラスヘディングの使用停止

イエメンでは2016年05月04日付通知により、商標出願におけるクラスヘディングの使用が認められないことになった。
クラスヘディングで指定した商品・役務による出願は拒絶され、出願人は指定商品・役務の特定を求められる。
この新規則は2016年06月06日から施行される。

[出典:SABA IP]

コロンビア:特許庁一時運営停止

コロンビア特許庁は2016年07月01日から17日まで新システム導入のため、電子・紙双方の手続を中断することを決定した。

この間、出願、更新、補正などの書面を申請できなくなる。従って、上記期限にかかる案件がある場合は早めに対応することをお勧めする。

[出典:Brigard & Castro]

コソボ:委任状原本必須に

コソボ知的財産庁は2016年06月08日より、同庁に対する各手続について委任状原本の提出を求めると公布した。これは新規出願、更新、拒絶理由への応答、各種変更登録等一切の手続について適用される。
選択肢として、委任状(写)を現地で公証したものを提出できるが、コソボの公証人は本国で公証済の原本の写のみを認証するため、今後同国へ手続する前に、予め委任状を公証しておくほうが良い。
この変更は何ら予告なく行われたもので、同国の規則に沿ったものではないが、今のところ同国知的財産庁に何らかの手続を行う必要がある場合は、従うことをお勧めする。

[出典:SD PETOSEVIC]

ベラルーシ:知的財産法改正へ

ベラルーシでは2016年01月05日付で『商品商標と役務商標の保護に関するベラルーシ共和国法に関する改正と追加に関する』法律が採択され、2016年07月15日から施行される。

主な改正点は以下の通り:

  • 相対的拒絶理由の改正
    旧法下では専ら質、量、用途、商品の価値等について使用される標章や表示から成る商標の登録は認められなかった。改正法では出願商標においてこのような標章や表示が商標の主要部分を構成している場合も拒絶される。また、同種の商品に関して国内で保護されている植物品種、意匠、出願に先行する権利と混同をまねくほど類似又は同一の商標の登録も認められない。
  • 区分の明記
    指定商品の該当する区分の明記が選択から必須となった。
  • 出願書類
    出願時又は2か月以内に出願費用の証明と委任状を提出しなければならない。
  • 審査期間
    方式審査後、実体審査が行われるが、これについて出願の受理日から2年以内に行うことが定められた。旧法において実体審査は3年以上かかっていた。
  • 逸した期限の回復
    方式審査、実体審査の局指令への応答、再審査請求、不服申立の期限について、期限日から3か月以内であれば、費用と相当な理由を提出すれば回復できる可能性がある。
  • 公告期間
    査定日から2か月以内に当局の公式サイトへの掲載が定められた。旧法ではこの期間は規定されていなかった。
  • 著名商標の認定
    著名商標は認定日から2か月以内に公報に掲載される。旧法では3か月であった。その他、不服審査部の決定に対するアピールの期間が1年から6カ月に減縮された。また、改正法に関する細則も近々施行される予定である。
[出典:Mikhailyuk, Sorokolat and Partners]

ルワンダ:知的財産法改正とオフィシャルフィー変更

ルワンダでは法律第005/2016号及び複数の大臣令によって知的財産法が改正され、2016年04月20日から発効された。
主な改正点は以下の通り:
異議申立期間が30日から60日となり、出願人は14日以内に意見書を提出しなければならない。
新しいフォーマットの委任状が要求され、海外に居住所又は本拠がある権利人には公証が求められる。
また、改正と同時に複数の項目についてオフィシャルフィーも変更された。

[出典:Adams & Adams]

WIPO:各種証明書の早期発行

2016年06月06日より、WIPOの証明書や登録証明書の早期発行が可能となる。WIPOは追加費用の支払により、申請から5営業日以内に当該書類を発行する。詳細については以下のURLを参照されたい。

[出典:WIPO]

エジプト:エジプトへの商品輸出に関する新規則

エジプト貿易産業省は2016年01月16日付で2016年度規則43号を発令し、エジプトへ商品を輸出している海外企業に対して、一定の商品に関しては輸出入管理公団(GOEIC:General Organisation for Export & Import Control)に登録しなければならないと公布した。
対象となるのは食品、家電、生活雑貨等を含む25分類(下記参照)の商品で、2016年03月16日から施行される。対象となる商品を商取引目的で輸出する場合、当該商品がGOEICに登録された工場で製造されたか、商標所有者である企業又は正規流通業者による輸入でなければ、貨物を受け取ることができない。

同公団への登録にあたっては以下の書類が求められる。

  • 工場の場合
    1. 法人証明書
    2. 同工場の製造品目および商標
    3. 国際試験所認定会議(ILAC)又は外国貿易関連大臣が認定した、エジプトまたは外国政府機関が発行する品質管理システム適合証明書
  • 商標を保有する企業の場合
    1. 該当商品を指定する商標登録証明書
    2. 正規流通業者の場合、商標権者である企業が発行した商業ライセンス
    3. ILAC、国際認定フォーラム(IAF)、または外国貿易関連大臣認定の、エジプト・外国政府機関が発行した商標権者である企業の品質管理システム適合証明書

GOEICは書類の審査のため、企業・工場への検査を実施することもある。

本規則の対象となる商品は以下の通りである:
牛乳及び乳製品、プリザーブドフルーツ・ドライフルーツ、食用油・脂、砂糖菓子、チョコレート・カカオ製品、パスタ・パンなど穀物製品、フルーツジュース、天然・ソーダ水、美容・化粧品・口腔衛生ケア製品・デオドラント・制汗剤・香水、せっけん・洗剤、食器・台所用品、浴槽・シャワー・便座・ビデ等のトイレ類、トイレットペーパー・ティッシュ・おむつ・タオル・生理用品、壁・床用タイル・ブロック類、食卓用ガラス製品、鉄鋼板・棒、家電(冷蔵庫、エアコン、扇風機、洗濯機、ヒーター、テレビ等)、家庭・オフィス用家具、自転車・バイク、置時計・腕時計、家庭用照明、玩具、衣類・布および家具用布地類、敷物類、履物類

[出典:SABA IP]

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