レポート−商標

出願ルートの選択

出願ルートは大きく分けると二つあります。一つはパリルート、もう一つはマドプロ(マドリッド協定議定書)ルートと呼ばれます。前者は出願国の所轄官庁に直接願書を提出し、後者は本国官庁とWIPO(国際事務局)を通じて願書を提出します。

マドプロルートは一般的には出願国が多く、商品/役務がある程度一般的で各国でも認められる表現である場合に採用される傾向があります。パリルートに比べれば費用を抑えることができ、出願国ごとに願書を用意しなくともよいため、手続き的な負担も軽いためです。
もっとも、セントラルアタックにより取り消される虞があるため、注意が必要です。セントラルアタックとは、国際登録日から5年の期間が満了する前に、国際登録出願の基礎出願又は基礎登録の拒絶、放棄、無効等が確定となった場合、又は当該5年の期間満了前に、拒絶査定不服、登録無効(取消し)等の審判が請求され、5年の経過後に、拒絶、放棄、無効等が確定となった場合に、国際登録出願において指定された商品(役務)の全部または一部についての国際登録が取り消され、又は減縮され、その結果として指定国における国際登録にも同様の効果が及ぶという制度です。
例えば基礎出願の指定商品aに拒絶理由があり、そのaを削除する補正を行った場合、指定国ではaに拒絶理由がなかったとしても、国際登録の指定商品からaが削除されるため、保護が及ばなくなってしまいます。そこで、基礎出願の登録性に不安が残る場合には登録査定を待ち(通例4〜5か月)、パリ優先権を主張してマドプロ出願するのが賢明かもしれません。
なお、セントラルアタックの救済措置として、各指定国において国際登録を国内出願へ変更することが可能です。しかしながら、先の事案を例にとると、指定商品aについて救済措置による国内出願、その他についてはマドプロ出願によって権利を確保することになり、すべての指定商品について一元管理ができず、2件分の更新費用を負担しなければならない等のデメリットは残ります。
また、商品/役務によっては本国(日本)とは異なる区分に属する可能性がある場合、指定国において類移行を求められても基礎出願/登録にその区分がなければ、削除せざるを得ないというケースも発生します。「革製キーホルダー」を例にとると、本国(日本)では第14類に属しますが、指定国によっては第18類に属する場合もあります。基礎出願/登録に第18類がなければ類移行ができず、削除しなければならないので保護が及びません。さらに、審査において国際登録が加味されず、後願の類似商標が登録になった事例や、侵害対応を行う場合は別途登録証明書を申請しなければならない、といった不都合も報告されています。

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