2011.02.22IPマレーシア:商標規則改正 他
- マレーシア:商標規則改正
- 韓国:商標審査基準改正
- UAE:ラスアル=ハイマで税関登録開始
- アイスランド、イスラエル、ラトビア:オフィシャルフィー変更予定
- スウェーデン:更新のオンライン申請可能に
- ザンジバル:法改正以降の混乱
マレーシア:商標規則改正
2011年02月15日付で商標規則が改正された。主な改正点は下記の通りである。
- 早期審査の導入
出願日より4ヶ月以内に申請しなければならない。
申請にあたってはオフィシャルフィーの他、下記いずれかの理由を示した宣誓書が必要となる。- 公共利益又は国家利益に基づく
- 侵害に関する法的手続が開始されているか、侵害の可能性を示す証拠があること
- 政府又は公認機関から金銭的利益又は資金を受けるため
- その他相当の理由
- オフィシャルフィー変更
出願の全手続に渡り、オフィシャルフィーが上昇した。
また、シリーズ商標の3商標目以降等については追加でオフィシャルフィーがかかる。 - 移行期間
上記の規則は2011年02月15日以前に出願され、同日現在審査中のものには適用されない。
但し、2011年02月15日以前に出願され、同日現在で登録となったもの、同日以後に出願されたものには新価格が適用される。 - 電子出願の導入
ハードを提出する場合より低い価格が適用される。
[出典:Shearn Delamore]
韓国:商標審査基準改正
韓国では商標審査基準および商標デザイン審査事務取扱規定が一部改正され、2011年01月01日から施行されている。その主な改正内容は次の通りである。
- 結合商標の類似判断基準の再整備
これまで2つの語句からなる商標は、原則的に各部分のみからなる商標と類似するという規定があったが、改正審査基準では、取引上分離観察することが自然な場合のみ分離観察することに改正された。
また、識別力がない文字商標が文字の認識力を超えて図案化され登録された場合、当該標章の外観が同一・類似かどうかを中心に判断するという規定を新設した。 - 氏名商標の類似判断に関連する全体観察の基準を新設
氏名商標の場合、下記にて全体観察するという規定を新設した。- 1) 取引社会で氏名全体として使われる場合
(例:Calvin Klein) - 2) 国内の需要者に氏名全体としてある程度認識されている場合
(例:Michael Jackson) - 3) 外国でありふれた名前に姓が結合した場合
(例:「steven BY STEVE MADDEN」と「steven ALAN」;非類似) - 4) 商標の構成形態からみて全体で認識され得る場合
- 1) 取引社会で氏名全体として使われる場合
- 不正目的の判断基準の具体化
改正商標審査基準は、商標法第7条第1項第12号の「不正目的」を判断する際、1)商標の周知著名または創作性の程度、2)商標の同一・類似性の程度、 3)商標をめぐる交渉の有無とその内容、両当事者間の関係、出願人の事業準備の有無、4)商品の同一・類似性ないしは経済的牽連関係の有無、5)取引実情等を総合的に考慮するとしてその基準を具体化した。 - 国旗、国章等と関連した判断基準の明確化
改正前の審査基準では、「記章」を「勲章、褒章以外に国家機関が授与する表彰」と規定していたが、改正後は「功績を記念し、または身分・職位等を表象する徽章又は標章」と規定している。
また、国旗、国章等の標章の場合、類似範囲を広く判断するようにしていた規定を削除し、国旗、国章等に該当する例示を掲載し審査の一貫性維持を図っている。 - 商標デザイン審査事務取扱規定の主要改正内容
商標およびデザイン出願について優先審査が申請された場合、その処理期間を短縮させるため、商品および図形商標の分類、デザイン物品の仮分類処理期間を5日に短縮し、優先審査決定後の処理期間は優先審査決定書の発送日から商標は45日、デザインは2ヶ月に調整した。
[出典:Kim & Chang]
UAE:ラスアル=ハイマで税関登録開始
2011年01月01日より、ラスアル=ハイマの税関で知的財産権の登録制度が開始され、同首長国を通る疑義品の輸入差止が可能となった。
これで、UAEにおいて商標権等の登録制度がある税関はドバイ、シャルジャと併せて3箇所となった。
[出典:Abu-Ghazaleh]
アイスランド、イスラエル、ラトビア:オフィシャルフィー変更予定
イスラエル特許庁及びアイスランド特許庁は、それぞれ2011年01月01日及び04月01日から商標出願のオフィシャルフィーを変更する予定である。
また、ラトビアでは民事訴訟法の改正があり、知的財産権侵害に関する訴訟のオフィシャルフィーが上昇した。
[出典:SMD]
スウェーデン:更新のオンライン申請可能に
スウェーデン特許庁は商標の更新に関するオンラインサービスを導入し、今後、同国における更新はネットで申請できる。
しかしながら、住所変更や代理人変更等は未だ申請書を提出しなければならない。
[出典:SMD]
ザンジバル:法改正以降の混乱
タンザニアは1964年にタンガニーカとザンジバルが統一され、連合共和国となったが、統一された商標法制度がないため、それぞれの地域で別個の商標法が採用されている。
タンガニーカでは1994年10月01日に現行商標法が施行となり、商標は最初7年、以後14年毎に更新可能となっている。
一方ザンジバルは2008年09月13日に新商標法が発効されたものの、未だ施行規則が公布されていない。
旧商標法では商標は14年登録された後、14年毎に更新可能であったが、新法では、出願日より10年登録の後、7年毎に更新可能となった。
しかしながら、現在ザンジバルの特許庁は2008年09月13日以降に出願された商標についても、14年期限のものと10年期限のものを発行しており、更新登録証についても14年と7年のものを発行している。
従って、もし2008年09月13日以降に出願、申請した商標で期限が14年の登録証を受領している場合、念のため現地代理人に有効期限を確認することをお勧めする。
[出典:Adams & Adams]