2007年のIPニュース

2007年7月17日号モンテネグロにおける国際登録の効果、効果の継続 他

  1. モンテネグロにおける国際登録の効果、効果の継続
  2. 台湾商標法改正

モンテネグロにおける国際登録の効果、効果の継続

2006年6月3日、モンテネグロのセルビアからの分離にともない、セルビア共和国が前身国となった。セルビア・モンテネグロ(YU)を指定している国際登録商標は、引き続きセルビアで保護される。
また、2006年6月3日以前にセルビア・モンテネグロ(YU)を指定する国際登録は、下記1.2.の手続きを行うことでモンテネグロ共和国内で有効となる。

  1. WIPOから届く通知の日付から6ヶ月以内に権利維持の要請をWIPOに対して行う。
  2. 所定手数料64スイスフランを支払う。

上記手続きが行われない場合には、モンテネグロにおける権利は認められない。

[出典:SD PETOSEVIC]
【解説】

2007年3月9日付WIPOの通知(ウェブにて公開中)によると、国際事務局から、各出願人に対し、モンテネグロへの権利維持要請ができる旨の通知が出されることになっており、上記代理人のコメントによれば、既にかかる通知がWIPOから出願人に出されつつあるとのことだ。

ちなみに、WIPOの「Madrid Express」を使って、「指定国:セルビア(RS)」で検索すると132,975件なのに、「指定国:モンテネグロ(ME)」はたった614件。なんで、こんなに差があるの?

「指定国:セルビア」でヒットする登録商標は、「セルビア」または「セルビア・モンテネグロ」を指定したものの両方が含まれている。これに対して「指定国:モンテネグロ」でヒットする登録商標は、「モンテネグロ」にも権利維持要請したもの、あるいは、2006年3月6日のモンテネグロ独立以降に出願したもののみの様子。つまり「将来、モンテネグロにも権利維持申請する」ものは入っていないようだ。
仮に「モンテネグロ」を念頭に入れた調査をするなら、このことを頭の片隅に入れておいたほうがよさそうだ。

台湾商標法改正

経済部智慧財産局は、大幅改正を予定する商標法改正草案を提出した。
当該草案は昨年のWIPOで採択された「商標法に関するシンガポール条約(Singapore Treaty on the Law of Trademarks)」を参酌したもので「匂いの商標」「動く商標」等を商標として新たに認めるものである。

また、智慧財産局は、「商標権者が商標をめぐるトラブルに関する手続きを提起する際、係争商標を使用していることを証明する証拠を提出しなければならない」とする規定も追加した。その結果、係争商標が登録後既に満3年経過しているのに、商標権者が係争商標使用に係る証拠を提出することができない場合、係争商標に基づいて他人の登録商標を取り消すことはできなくなる。
したがって、商標使用に係る証拠は商標紛争において、かなり重要な役割を果たすことになるであろう。

[出典:Lee and Li]
【解説】

「商標法に関するシンガポール条約(Singapore Treaty on the Law of Trademarks)」とは2006年3月に開かれた外交会議にて採択された条約で、1994年に採択された商標法条約の改正に関する取極のこと。この条約によると「匂い」の標章等について、締約国の国内法令に従って適用できることになっている。

「商標権者が第三者との係争を提起する際には、自己の商標の使用証拠を提出しなければならない」、すなわち、「不使用状態の登録商標に基づいて第三者の商標登録を取り消すことができない」、とする改正草案は、どうやらシンガポール条約とは離れた改正内容のようだ(少なくともシンガポール条約上、かかる規定は存在しない)。

残念ながらTIPO(台湾経済部智慧財産局)のウェブページを探しても商標法改正草案に関する記事は見当たらなかった(2007年3月28日付で著作権仲裁センター規則の改正草案に関する記事はあったが)。草案段階なので、具体的なことは不明のまま。だが、「使用」が意識されていることには、今のうちから気をつけておくべきだろう。

解説:豊崎国際特許商標事務所 弁理士 豊崎 玲子

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