WIPOから2023年の知的財産統計情報が公表された。
プレスリリース本文

以下、統計情報の概要である。

・本プレスリリースは、国連の専門機関である世界知的所有権機関（WIPO）が昨年2023年のWIPOの知的財産に関する各種統計データを初めて公表するもの。

・具体的には、2023年の世界の国際特許出願（PCT出願）、商標の国際登録出願（マドリッド協定議定書に基づく国際出願）、意匠の国際登録出願（ハーグ協定に基づく国際出願）に関する国別、企業別等のランキングを含む統計情報を含む。

■国際特許出願（PCT出願）について
・2023年の世界全体の国際特許出願（PCT出願）件数（速報値）は、前年比1.8％減少し272,600件。
・出願人国籍別でみると、国籍別の出願件数トップ5は、中国（69,610件）、米国（55,678件）、日本（48,879件）、韓国（22,288件）、ドイツ（16,916件）。
また、インド (（+44.6%)） やトルコ (（+8.5%)）などの出願の伸びが目立つ。
・日本企業では、出願件数トップ10として、4位に三菱電機、10位にNTT。
・海外企業はファーウェイ、サムスン電子、クアルコムが前年同様1位～3位を独占。
中国の車載電池メーカー、CATLが大きく順位を伸ばして8位にランクイン。
・大学・教育機関別のランキングでは、日本は大阪大学が大きく順位を伸ばし10位にランクイン。
第1位は米国カリフォルニア大学（531件）で、米中の大学がベスト10のうち7を占めている。
 
■国際商標登録出願（マドリッド制度）について
・世界全体のマドリッド制度に基づく国際商標登録出願件数（速報値）は、64,200件（対前年比－7%）。
・出願人国籍別に見ると、第１位米国、第２位ドイツ、第３位中国で、日本は2022年に続き第7位の出願件数となった。
上位 10か国中、対前年比で増加を記録したのは中国 (（+7.7%)） と韓国 (（+2.9%)） の2か国のみ。
・出願人別ランキングでは、199件の出願を行ったフランスのL’Oréalが3年連続でトップとなった。
第2位は、前年から33位ランクアップしたドイツのBMW AG（124件）、第3位はブルガリアのEuro Games Technology（118件）だった。
・日本企業では、第7位に資生堂、第8位にミズノ、第14位に任天堂が上位にランクインした。

■国際意匠登録出願（ハーグ制度）について
・世界全体のハーグ制度に基づく国際意匠登録出願件数（意匠数）（速報値）は、意匠数25,343件（対前年比＋1%）、出願数8,565件（対前年比＋7.3% ）。
・日本からのハーグ出願は、1001意匠（対前年比＋6.9%）、466出願（対前年比＋6.6%% WIPO日本事務所計算）と、前年比で増加した。
・出願人国籍別に見ると、第１位ドイツ、第２位中国、第３位米国で、日本は昨年の第10位から第８位にランクを上げた。
伸び率では、上位 10 か国中、中国 (（+46.9%)）とトルコ (（+45.7%)）が 対前年比2 桁の増加を記録した。
米国 (（+9.2%)）、日本 (（+6.9%)）、フランス (（+4.7%)）も力強い増加となった。
・出願人別ランキングでは、韓国のサムスン電子がトップに返り咲いた。
次いで第２位は前年度第１位の米国のP＆G、第３位は韓国のLG電子だった。
・日本企業の第１位は、三菱電機だった。