2010年のIPニュース

2010年6月8日号OHIM:新データベースのリリース 他

  1. OHIM:新データベースのリリース
  2. 中国:商標の権利付与・確定に係る行政訴訟に関する最高裁判所の意見公布
  3. アイルランド:期限延長申請に関する新ガイドライン
  4. ウルグアイ:オンライン出願導入へ
  5. 国際商標登録出願数の減少、日本は例外
  6. 韓国:無償の販促品が商標権侵害と判断された例

OHIM:新データベースのリリース

欧州共同体商標意匠庁(OHIM)は2010年4月13日付で数カ国の特許庁のデータベースを検索できるデータベース(Tmview)をリリースした。

当該データベースでは第一段階として、OHIM、WIPO、UK、チェコ、イタリア、ベネルクス、ポルトガル、デンマークの特許庁のデータベースが検索可能となっている。本年度後半には、これに加えて8カ国のデータベースが追加される予定である。

TmviewのURLは下記の通り

[出典:OHIM]

中国:商標の権利付与・確定に係る行政訴訟に関する最高裁判所の意見公布

最高裁判所は4月25日に、『最高裁判所による商標の権利付与・権利確定に係る行政訴訟の若干問題に対する意見』を公布した。
このような規範的な公文書を通して、商標の権利付与・権利確定に係る行政訴訟の若干の司法審査基準について指導性意見を出すのは、初めてである。

『意見』は20条あり、総体的な司法政策方向、使用期間が長く名声を有する先行商標の保護(第1条)、公衆に知られている外国地名の保護(第4条)、商標の顕著な特徴の有無に関する審査や判断、代理人又は代表者の先取り出願(第12、18条)、類似商品や類似商標の判断(第14-16条)、先行権利への保護、登録商標の三年不使用に関する審査や判断など商標の権利付与・権利確定の司法審査おける問題について指導意見を出している。

これは、関係法的限界の明確化と司法基準の統一化により、裁判所による司法審査職責の正確な履行、及び商標の権利付与・権利確定行為の規範化に対して重要な意義がある。

[出典:LINDA LIU]

アイルランド:期限延長申請に関する新ガイドライン

アイルランドでは、期限延長申請に関する新しいガイドラインが2010年5月4日付で発効された。

新ガイドラインでは、期限延長の申請は従来と異なり、"異例又は例外的な状況"によるものであるという証拠を提出しなければならない。"異例又は例外的な状況"とは、例えば裁判所の決定を待っている、和解交渉の結果を待っている、等が含まれる。
また、延長期間も従来は殆ど3ヶ月が認められていたが、新ガイドラインでは、これらの状況に基づき個々に判断される。

[出典:アイルランド特許庁]

ウルグアイ:オンライン出願導入へ

ウルグアイ特許商標庁(UYTPO)はIT導入により、提出書類のデジタル化を積極的に進めている。

オンライン出願システムを導入するためであるが、同システム(SIWEB)はウルグアイの弁理士のみアクセス可能である。これにより、第三者の包袋ファイルへのアクセスが迅速になると期待されている。
しかしながらSIWEBは2010年2月22日に導入されたものの、オンライン決算ができない、UYPTO職員の再教育が必要等、現時点では100%機能しているわけではない。

[出典:SMD]

国際商標登録出願数の減少、日本は例外

世界知的所有権機関(WIPO)の統計によれば、2009年度の国際商標登録の出願数は16%減少した。

これについて同事務局長は、不安定な経済下で新製品の販売が減少していることを原因に挙げているが、経済が好転すれば出願数も増えると予測している。
出願数の減少が最も顕著な国はチェコ、スウェーデン、イタリア、スペイン、デンマークである。
一方、興味深いことにOHIM及び日本特許庁経由の出願数はわずかながら増加傾向にある。2009年度の出願数のうち約半数は欧州の各国特許庁又はOHIM経由のものだった。
特に人気のある指定国は中国、ロシア、アメリカとなっている。

[出典:AWA PATENT AB]

韓国:無償の販促品が商標権侵害と判断された例

これまで無償の販促品は無償の広告媒体であり、独立取引の対象にならないため商標的使用ではないとされることが定説のように認識されていたが、状況によって商標権侵害と判断される案件が韓国で発生した。

フランスの有名ブランド「renoma」の韓国専用使用権者A社はB社と使用契約を結んでいたが、B社はA社の許可なく韓国個人Cにバッグ類に関して通常使用権を付与した。
Cは商標「renoma」を付したバッグを製造し、D社(携帯電話通信サービス業)に全量納品し、D社はこれを新規加入顧客に謝恩品として提供した。
A社はCとD社に商標権侵害を理由に損害賠償を請求した。

ソウル中央地方法院は本件について、CのD社への「renoma」バッグ販売はそれ自体で交換価値をもち、商取引の目的となるため商標的使用、D社が顧客に「renoma」バッグを配布した行為も、例え無償であっても当該バッグに「renoma」標章を付すことでその商品の出所を表示し、商品の品質を消費者に保証する機能を持つと見なし、商標的使用と判断し、商標権侵害を認め4000万ウォンの損害賠償を命じた。

現在、同判決は高等法院に上告され、今後の判断が大いに注目される。
しかし韓国の有名デパートが客への謝恩品として配布したかばんが、国内の零細業者の知的財産権を侵害したものとして、責任を問われた事件がマスコミによって報道されたところもあり、今後は無償の謝恩品配布であっても商標権を初めとする他人の知的財産権を侵害していないか、十分に事前検討をする必要がある。

[出典:KIM & CHANG]

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