2026.05.26IPジャージー島:商標法の抜本的改正(2026年8月1日)
ジャージー島:商標法の抜本的改正(2026年8月1日)
2026年3月31日に施行命令が発出されたことに伴い、ジャージー島では新たな商標法(Trade Marks (Jersey) Law 2026)が2026年8月1日に施行される予定である。(参考:ジャージー島:新たな知的財産制度の枠組み導入)
これに関連して、2026年ジャージー島商標命令(Trade Marks (Jersey) Order 2026)も2026年4月2日に公布されており、新法の運用を補完する内容となっている。
同命令についても、2026年8月1日に施行される予定である。
新法は、ジャージー島の商標制度に根本的な変更をもたらすものである。
従来の英国登録を基礎とする制度は廃止され、独立した登録制度へ移行する。
新制度の主な特徴は以下のとおりである。
・ニース国際分類に基づくマルチクラス制度の導入
・パリ条約優先権主張の導入
・団体商標及び証明商標に関する規定の導入
・国内出願の出願人には、商標を使用する真正な意思が求められること、またジャージー島における送達先住所の指定が必要となる
・出願は公告前に方式審査及び絶対的拒絶理由の審査を受ける
・抵触する出願に対する異議申立てにおける立証責任は、申請人が負う
・異議申立期間は公告日から2か月(最大3か月まで延長可能)であり、未登録の権利(パッシング・オフを含む)も異議理由として主張することが可能である
・更新については6か月の猶予期間が設けられており、登録簿から抹消された後であっても回復制度が存在する
国際登録商標
新法では、国際登録についても審査、公告、異議申立て及び保護に関する規定が設けられる。
ただし、その保護の仕組みは従来の制度とは異なる。
現行制度下では、英国を指定する国際登録は、商標権者による追加手続を要することなく、自動的にジャージー島に保護が及んでいる。
他方で、ジャージー島の登録局には、これらの権利に関するローカルな記録は存在していない。
ジャージー島は現在、英国を通じてマドリッド協定議定書をジャージー島に拡張適用するための手続を進めている。
批准が完了すれば、国際登録の名義人はマドリッド制度を通じてジャージー島を指定することが可能となり、またジャージー島の企業も国際商標登録制度を利用できるようになる見込みである。
既存登録及び英国指定の国際登録による保護
英国登録を基礎としてジャージー島に拡張された既存の登録商標及び、英国において既に保護が認められている英国を指定する国際登録については、2026年8月1日に自動的にジャージー島の新たな登録簿にデータが作成される予定である。
新法施行までの措置
新法の施行後は、ジャージー島で保護を取得するための方法は、同島において商標の登録出願を行うことに限られる。
なお、ジャージー島はマドリッド協定議定書の適用を同島に拡張することも検討しており、その動向が注視されている。
新法の施行前であれば、英国の権利を基礎とした拡張申請も可能であり、費用面でも利点があると考えられるが、英国の登録証を要する手続であるため、6月中に申請手続を完了しておくことが望ましい。
[出典:Spoor & Fisher]