2015年のIPニュース

2015年11月10日号イギリス:国際商標でカバーされるイギリス海外領土の明確化 他

  1. イギリス:国際商標でカバーされるイギリス海外領土の明確化
  2. ガンビア:マドプロ加盟へ
  3. 韓国:ASEANへの商標出願増加
  4. 韓国:立体商標の機能性審査強化
  5. ウクライナ:警察にサイバー犯罪対策チーム設立
  6. リビア:登録証発行開始

イギリス:国際商標でカバーされるイギリス海外領土の明確化

イギリス知的財産庁は2015年09月30日付でWIPO事務局に国際商標でイギリスを指定国とした場合、実際に保護される同国の海外領土と王室属領(British Crown Dependencies)に関するリストを提出した。

イギリス海外領土とはアンギラ、バーミューダ諸島、イギリス領南極地域(BAT)、イギリス領インド洋地域(BIOT)、バージン諸島(BVI)、ケイマン諸島、フォークランド諸島(マルビナス諸島)、ジブラルタル、モントセラート、ピトケアン諸島(Pitcairn Island、デュシー島、オエノ島、ヘンダーソン島を含む)、セントヘレナ(アセンション島、トリスタンダクーニャを含む)、サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島、タークス・カイコス諸島である。

王室属領とは、ガーンジー代官管轄区、ジャージー代官管轄区、マン島である。
海外領土はイギリスの政治的権限と法制度が及ぶ地域であり、イギリスに含まれるものではなく、ジブラルタルを除き、EUに含まれない。
王室属領とは独自の自治権を有し、独自の法、行政、税金制度を有する地域であり、イギリスにもEUにも含まれない。国際条約についても、これら属領の同意がある場合のみ同僚域内に発効される。

イギリスを指定するマドプロ経由の国際商標について、保護対象となるのはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、フォークランド諸島、マン島、ジャージー代官管轄区となる。
詳細については以下のURLで確認できる。

[出典:WIPO]

ガンビア:マドプロ加盟へ

ガンビアは2015年09月18日付で世界知的所有権機関(WIPO)へマドリッド協定議定書への加入書を寄託し、同議定書は2015年12月18日付で同国内で発効される。

[出典:WIPO]

韓国:ASEANへの商標出願増加

韓国特許庁(KIPO)によると、2007年に韓国とASEAの間でFTAが締結されて以降、同国からASEAN諸国への商標出願が増加している。2007年では321件であったが、現在では3,287件であり、国別にみるとシンガポールが計1,661件で全体の51%を占める。次いで出願が多い国はタイ(611件)、マレーシア(547件)、インドネシア(262件)であるが、ASEAN10か国のうち、ラオスのみは1件も出願がなかった。

分野別ではコーヒー、茶、果物等の食品類が560件、次いで生活・家電製品類、化粧品、衣類・靴類が最も多く、サービス業では卸・小売と飲食・宿泊業が多かった。

このような増加について、中国の成長鈍化に伴い、ASEANが中国に代わる取引地域として浮上していること、中国同様模倣品等の被害が懸念されるためと考えられる。

[出典:KIPO]

韓国:立体商標の機能性審査強化

アメリカにおけるアップル対サムスンのトレードドレス侵害無効判決等を反映して、韓国では立体商標の審査基準が変更された。主な変更点は以下の通り:

1.立体商標等に対する審査の観点の転換

以前は、識別力の有無を重点的に判断し、機能性判断は不十分であった。今後は、機能性がある商品や商品包装は商標登録を受けることができないため、審査時には識別力と機能性を同時に判断する。

2.立体商標等に対して機能性要件を厳格に適用

立体商標等に対して機能性要件を厳格に適用する前は、標章全体に機能性がある場合のみに法第7条第1項第13号を適用し、他の代替的な形状がある場合には適用しなかった。したがって、機能性により商標登録が拒絶された事例は多くなかった。今後は、標章を全体的に見たとき機能性があると判断されれば、一部非機能的な要素が含まれていても法第7条第1項第13号を適用する。すなわち、立体的形状等が当該商品の目的と利用に本質的なものであれば、代替可能な形状が多数あっても法第7条第1項第13号を適用する。これは商標権の効力制限規定である法第51条第1項第4号を考慮した解釈である(指定商品の機能を確保するために不可欠な形状、色彩、色彩の組合せ、音又は匂いからなる商標は商標権効力が及ばない)。

3.機能性の有無を判断するために種々の資料を検索・活用

以前は、識別力や類否の判断のために、先願及び先登録商標を中心に商標DB内で主に検索を行い、外部資料の活用は微々たるものであった。今後は、商標DB以外で特許の有無や使用実態も調査して機能性の有無の判断に活用する。例えば、特許は新しく有用な機能を保護するため機能性があるとみることができ、製品の特定形状を競争業界で多数使用する場合にも機能性を有すると推定することができる。

4.機能性の有無の判断のための手続の具体化:
  1. 願書の商標見本、商標の説明、指定商品との関係をまず検討・分析
  2. 特許及び実用新案の検索、インターネットを通じた使用実態及び広告・宣伝実態を調査し、必要な場合には関連協会や学会等に諮問
  3. 立体的形状等に機能性があると判断される場合には法第7条第1項第13号を適用して拒絶理由通知後に出願人の非機能性立証主張を聴取
[出典:中央国際法律特許事務所]

ウクライナ:警察にサイバー犯罪対策チーム設立

ウクライナ内務省は本年度末に国内で最初のサイバー犯罪対策チームを設立すると発表した。同省は10月15日より人材募集を開始しており、高度な教育を受け、英語とIT技術に優れ、サイバー犯罪の法制度に詳しい職員を雇用する予定である。
同チームはサイバー犯罪と脅威に対応でき、国境を越えた犯罪に対しても他国と協力体制を築けるようにする。取扱内容としては不正コンテンツ、ハッキング、ネット詐欺、情報漏洩となる。

[出典:SD PETOSEVIC]

リビア:登録証発行開始

リビア商標庁は内戦のため中断されていた商標登録証の発行を開始し、現在5000番台の案件について登録証の発行が再開されている。
また未確認情報であるが、2015年10月01日から更新申請の受付も開始したとの連絡もある。
リビアについては詳細が判明次第、続報をお伝えする。

[出典:SABA IP]

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