2007年のIPニュース

2007年1月16日号オーストラリア、韓国の商標事情

  1. オーストラリア ガス、水道、通信等の小売は35類から38類あるいは39類へ
  2. 韓国にて小売制度導入開始

オーストラリア ガス、水道、通信等の小売は35類から38類あるいは39類へ

ユーティリティ(電気、エネルギー、ガス、水道、通信情報ネットワーク)の小売・卸売サービスは、従来35類で登録されていたが、WIPOから、これらは「小売」の概念に当たらないとの指導を受けたために、取り扱いを変更する。
今後は、「電気の供給、エネルギーの供給、ガスの供給、水の供給」は39類で登録、また「通信」サービスは38類で登録されることとなった。
当該役務について35類を指定して出願した案件については、分類の変更が必要となるが、すでに登録されたものについては特に変更を要しない。

[出典:オーストラリア特許庁]
【解説】

ガス、水道、通信の小売又は卸売、って一体なんだ?小売っていうのは、「商品」を他人の便宜のために取り揃えて消費者の購入に際し便宜を図ること、っていうんじゃなかったっけ?ガスの供給、水道の供給は、サービスであって商品じゃないし、「小売」の対象物じゃないだろう?
日本人の感覚ならばこう思うところだが、上記布告がでるということは、オーストラリアでは今までごく普通に「小売」として登録されていたらしい。
ちなみにオーストラリア特許庁のホームページで公開されているATMOSS Search Tool 「Classification search and list of class heading」で「retail」を含む分類を探してみると
35類:Pharmacy retail services; Retail services
以外になんと
36類:Retail brokerage
39類:Rental of retail storage equipment and fittings
42類:Retail design services
とある。あくまでも推測ではあるが、仲介業者的な扱いのものを「retail」と称しているようにも伺える。。

ともあれ、
WIPOの指導によって、ガス、水道、電気といった公共施設サービスの対象物の「小売」「卸売」は各サービス分類に属するとされたことから、日本からの出願でトラブルが生じる虞は低いだろう。

韓国にて小売制度導入開始

2007年1月より、小売制度が導入され、商標登録が可能となる。ニース分類第9版が2007年1月より導入されることを受けたもの。新区分法では、コンピュータの小売、靴の小売といったように、事業の対象を具体的に指定して出願を行わなければならない。「一般小売業」「百貨店業」といった指定をすると不明確であるとして拒絶される。
より具体的に説明しよう。
「被服・履物・帽子の小売業」の記載でも不可。「被服の小売業」「履物の小売業」のように、いわゆる「サブクラスヘディングに記載される商品名の小売業」の記載、あるいは「個々の商品名の小売業」の記載でなければならない。

なお、35類「小売業」は、各対象商品との間で、いわゆるクロスサーチがなされる。つまり35類「被服の小売業」と25類「被服」の間で、先後願の審査がなされることになる。すでに25類の「被服関連」商品につき、権利を抑えていれば、第三者によって同一・類似商標が35類「小売業」で取得されることはない。

[出典:MOON YUNG & ASSOCIATES]
【解説】

日本も韓国同様、ニース分類第9版に合わせて小売制度を導入するが、2007年4月からスタートする日本に対して、韓国では、一足早く小売の出願制度がスタートする。
日本では、4月1日の施行から3ヶ月間の猶予期間(同日出願扱いとする)が認められているが、韓国ではかかる特例期間は設けられてはいないので、その点に注意し、必要に応じ、可及的速やかに出願するのが望ましい。

クロスサーチについては、手元に上記以外の情報が入っていないので、詳細は定かではない。韓国特許庁の英文サイトにて、詳細については将来告知されると思うので、是非とも確認をお勧めする。

また韓国では、2007年7月より、さらなる改正が予定されている。
主な改正点は

  1. ホノグラム商標、動く商標の登録が可能となる
  2. 指定商品包括名称が許容される
  3. 先使用権の認定が改訂される
  4. 異議申立期間が2ヶ月に延長される
  5. 周知商標立証要件が緩和される

などだ。
韓国出願に際して最も重要なのは、2.指定商品の包括表示の許容、だろう。ただし、複数の在韓国事務所に聞くと、予想される「包括表示」内容についての回答はまちまちなので、具体的な表示がどうなるかについてはまだまだ不明な点も多い。折を見てKIPO関連サイトの確認が必要だ。

解説:豊崎国際特許商標事務所 弁理士 豊崎 玲子

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