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2022年01月14日ブランディングネーミングのためのコミュニケーション術 ~商標担当者へ贈る言葉 (後編)~

これまで、ネーミングのためのコミュニケーション術と題し商標担当者へ贈る言葉として前編・中編にわたりネーミングプロジェクト担当者のミッションや、そんなプロジェクト担当者に対してしてはいけないNGなコミュニケーションを解説してきました。

今回は、デキる商標担当者が実践しているプロジェクト担当者とのコミュニケーション術について解説していきます。

―――プロジェクト担当者に対するNGなコミュニケーション、特に禁断の一言は改めて気を付けるべきポイントだと実感しました。

西岡 そうですね。実はとても些細な一言で、特に商標担当者のお立場からするとポロっとふとした時に口から零れ落ちるキーワードかもしれません。

―――その通りですね。改めて意識をしないといけないですね。

西岡 ネーミングに限ったお話では無いですが、何気ない一言が実はけっこう強烈なダメージを与えることは多々あります。そして大体の場合、言葉を発した側はダメージを与えていることに気が付かないものです。

―――おっしゃる通りだと思います。どちらが良い悪いではなく、商標担当者にとってもプロジェクト担当者にとっても、気づきのきっかけになると嬉しいですね。

西岡 そうですね。気づき、そして改めて考えるきっかけにしていただければと思います。

―――では、今回は、商標担当者にお勧めできるコミュニケーションについてご紹介していただきます。

✔優秀な知財担当者が実践しているコミュニケーション術

西岡 さて、そもそものお話ですが商標担当者の立場から考えた場合、ネーミングのプロジェクトとして理想的な状況とはどのような状況でしょうか?

―――理想的な状況ですか?

西岡 プロジェクトとして望ましい状況、目指すべき状況と言い換えても良いかもしれません。

―――なるほど。その意味では、普段感じている課題が解消されている状況、つまり、ざっくり言うと「ネーミングの時に商標の事を考えてくれていて、センスがあるネーミングで、情報共有を早い段階からしっかりと行ってくれている。」ことでしょうか?

西岡 まさにその通りでしょう。そして「そんなに簡単に解決する課題ではないから、常に悩まされているんやないかい!!」という皆さんのお声が聞こえてきそうです。

―――まったくもってその通りだと思います。

西岡 そして、この記事をご覧いただいている商標ご担当者の皆様は課題解決に向けて、社内での啓蒙活動やコミュニケーションなど実施されていらっしゃると思います。

―――はい。そうですね。

西岡 繰り返しにはなりますし、嫌というほどご経験されていらっしゃると思いますが、残念ながら課題を解決するための特効薬はありません。どのような改善策を実施するにしても効果が表れるまでには一定の時間は必要となります。

―――だからこそ、商標担当者の方が無理なく啓蒙活動を継続していけることも重要ですよね。

西岡 はい、その通りです。そして意外と見落としがちですが、それらの受け手側、つまりプロジェクト担当者側も継続して意識や行動していく必要があります。

―――情報を発信する側も、情報を受け取る側も継続することが必要なんですね。

西岡 そしてお互いに継続して行動を行う為のトリガーの1つとして常に「メリットを中心」にして情報発信をしてみてはいかがでしょうか?

―――「メリットを中心」にとは、具体的にどのようなことでしょうか?

西岡 例えば商標権の必要性・重要性を伝える場合に、商標権を取得できなかった時のリスクや、トラブルに遭遇するときのリスクばかり伝えていませんか?

―――これらは非常に重要な点ですよね?

西岡 もちろん重要です。そして皆さんご理解の通り、逆に自分たちで商標権を取得できたら、名称を独占できるし特許と違い維持し続けることで競合優位性を強められるメリットがありますよね?

―――もちろん、そうですね。

西岡 例えばですが商標権を取得できなかった時のリスクだけでは無く、これらの取得できた時のメリットなどもちゃんとお伝えしていますか?ということですね。

―――なるほど。確かにコーチングなどでも言われたりしますが、メリットというかポジティブなキーワードの方がやはり受け入れやすい傾向はありますよね。私自身のことで考えてもそうだと思います。

西岡 その通りですね。特に商標担当者の普段の業務がリスクとの闘いが多い為、コミュニケーションもついついリスクを中心にお話しがちです。この点、少し意識を変えてみてはいかがでしょうか。

―――そうですね、ありがとうございます。

西岡 また、これもよくある課題ですが、やはりネーミングとして分かりやすい名称、ぱっと聞いてどんな製品なのかイメージしやすい名称を求めがちで識別力がない・・・

―――はい。これもよくある課題だと思います。

西岡 例えば、他社の似たような名称に埋もれやすいですよ?といったデメリットや、また本当にわかりやすさを追求するのであれば「社名+一般名称」を使用していくことも選択肢の一つとして考えられますよね?もしくは商標以外の他の要素、パッケージや説明文などで訴求する選択肢もありますよね?

―――おっしゃることはごもっともだと思いますが、ねぇ・・・?って感じです。

西岡 それぞれの選択肢に当然、メリット・デメリットがあります。重要なポイントは、それぞれの選択肢に対する商標の観点からのメリット・デメリットを明確にしてあげることだと思います。そして、これらを明確に示してあげられるのは、プロジェクトに携わる商標担当者しかいません!!

―――なるほど、確かにそうかもしれません。

西岡 そしてプロジェクト担当者や製品担当者は、製品に注力するあまり視野が狭くなる傾向があります。一方で商標担当者は商標スクリーニングを実施したりと他者のネーミングと触れる機会も多い為、ネーミングを俯瞰して捉えることが出来ると思います。

―――そうかもしれません。

西岡 なので「視点をかえてみれば?」といったアドバイスも「俯瞰してプロジェクトを捉えられる商標担当者ならでは」のアドバイスだと思います。

―――参考になります。

西岡 またネーミングの作り方そのものに担当者が行き詰まっているようであれば「他社例をもとに作り方を参考にしてみれば」とアドバイスしてみてはいかがでしょうか?

―――他社例をもとに、ですか?

西岡 はい、その通りです。他社のネーミングそのものを真似することはNGですが、その作り方や考え方は「生きた教科書」として有効に活用することが出来ます。

―――どういうことでしょうか?

西岡 基本的に世に出て使用されているネーミングは、どれだけ「んー、いまいち」とあなたが感じたとしても、これから自分たちが越えなければならないのと同じような社内調整や商標権などのハードルを全て乗り越えてきたネーミングのはずです。つまりは大先輩なわけですね。

―――なるほど、確かに良し悪しではなく見習える要素、参考に出来る部分があるだろう、ということですね。

西岡 その通りですね。ですので、既に世に出ている他社のネーミング事例などの情報を蓄積していくと、自分たちのオリジナル教科書になります。

―――まさに「ノウハウ作り」ですね。ぜひ今後のご参考にしたいところです。

西岡 そして、もしも「課題は感じている。でも何からアクションを起こせば良いのか全く分からない。」「他の部門の人とのコミュニケーションに自信がなくて、課題は感じているけど・・・」などなど、初めの第一歩に悩まれていらっしゃるご担当者様の場合は。

―――初めの第一歩についても何かアドバイスがありますか?

西岡 まずは、このメールマガジンやブランドオンラインセミナーの案内などを共有してみてはいかがでしょうか?課題を放置していても解決にはつながりません。まずは本記事のような軽めな内容から少しずつ共有してみてはいかがでしょうか。

―――外部のリソースを上手く活用することも重要ですよね。どうもありがとうございます。考え方や明日から実践できることなど含め非常に参考になります。
是非、今後の業務へ活用いただければと思います。