2022年04月14日ブランディングこれからの時代に必要な「ブランド」を構成する要素
「ブランド(Brand)」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?
ルイ・ヴィトンなどに代表されるような高級ラグジュアリーでしょうか?はたまたLEXUSのような高級車でしょうか?いえいえ、ファストフードや値段数十円の水にだってブランドは存在しています。
「高級な商品=ブランド」という考えはもう時代遅れで通用しません。いまや、気が付くと身の回りにはブランドが溢れかえっています。
では一体、なにが「ブランド」たらしめているのでしょうか?今回はそんな「ブランド」を構成する要素について解説していきます。
目次
・ブランドを構成する要素その2:デザイン(ロゴやパッケージ)
・まとめ
Brand(ブランド)とは?
そもそも「ブランド(Brand)」とは何なのでしょうか?諸説ありますが「Burned」、つまり家畜に「焼き印を押す」ことが由来と言われています。焼き印を押すことで自分の家畜と他人の家畜を区別する目的です。この由来からもお分かりいただける通り「Brand(ブランド)」の目的も、「自他を識別・区別する」また「自他を識別・区別してもらう」ことが目的ということになります。
もともとの「ブランド」の由来や言葉が担う目的から考えると、「高級品=ブランド」では無いことがご理解いただけるのではないでしょうか?
では、この「ブランド」とは具体的にはどの様な「モノ」なのでしょうか?
いいえ、私たちは「ブランド=情報」だと定義したいと思います。
ブランドを分解して見えてくること
「ブランド=情報」と捉えた場合、情報を組み立てている要素があるはずです。「ブランド」をカレーに例えるならば、カレーを作る為のいろいろな材料が必要ですよね?その材料の中には「入っていたら嬉しい材料」もあれば、「これが無ければカレーが完成しないので、絶対に必要な材料」もあるはずです。それは「ブランド」についても同じです。
「ブランド」を漠然とした情報としてではなく「ブランド」を組み立てている情報の要素に分解することで、「「ブランド」には何が必要なのか?」が見えてくるのではないでしょうか?
・ネーミング
・デザイン(ロゴやパッケージ)
・コスト(ポジショニング)
・品質
・ストーリー
・世界観
・商標権
これらが「ブランド」を構成する必須となる7要素です。
ブランドを構成する要素その1:ネーミング
ブランドは情報なので、その情報を伝達して認識する必要があります。ネーミングは視覚的にも聴覚的にも情報を伝達する必須のブランド要素です。
「読みやすくて、言いやすくて、親しみやすいネーミングが欲しい‼」
当然、ネーミングをするならこのように思うでしょう。しかしそれは他の人も同じです。みんなが欲しがっているので「読みやすくて、言いやすくて、親しみやすいネーミング」は「商標権の壁」によって採用できないケースが多発するので特に注意が必要です。
ブランドを構成する要素その2:デザイン(ロゴやパッケージ)
視覚的にブランドとしての情報を伝える為の非常に大きな部分を占めている必須のブランド要素が、デザインです。デザインも細分化するとロゴやパッケージ、色彩や書体、ホームページなどの伝達媒体が含まれます。視覚から入る情報のインパクトは大きく、一貫性、統一感を持たせることで相乗効果を発揮します。その為、ネーミングも含めたデザインの世界観に一貫性や統一感を持たせる必要があります。
ブランドを構成する要素その3:コスト(ポジショニング)
高級ラグジュアリーブランドは、なぜ高級なのでしょうか?
答えはシンプル。「値段が高い」からです。
そして「値段が高い」からこそ人々は魅力を感じ、そして人々に求められてきました。
逆に100円ショップではどうでしょうか?「こんな商品が100円で購入できるの⁉」ということに魅力があります。
つまり、ブランドを展開するコストの「ポジショニング」、「どの程度の価格帯で展開するのか?」がブランドの魅力を伝える必須の要素となります。
ブランドを構成する要素その4:品質
当たり前すぎて、案外と見落とされがちな要素が「品質」です。そして「品質」と「ブランド」にはこのような誤解があります。
「品質が良ければブランドなんて無くても売れる」
「広告宣伝やブランディングに力を入れれば、品質が低くても売れる」
ちょっと考えればわかるように、そのようなことはありません。どれだけ品質が良くても認知されなければ評価されないでしょう。また、どれだけ広告宣伝やブランディングにコストを投じても中身が伴わない「ハリボテ」ならば、すぐに見破られて淘汰されていきます。
ブランドを構成する要素その5:ストーリー
どのような願いや思いでこのブランドが誕生したのか、そして、どのような価値を世界に提供していくのか?
そのコミュニケーションを図る上で欠かせないのがブランドに込められたストーリーです。
ネーミングやロゴの由来、将来のビジョンなどストーリーがあることにより、ユーザーの共感、そしてリピーターやファンの獲得へと繋がっていきます。
ブランドを構成する要素その6:イメージ・世界観
ネーミングやデザイン、コストや品質などから成る世界観もブランドを構成する重要な要素です。
高級フランス料理店を毎日のディナーに利用する方は少ないのではないでしょうか?何か特別な「ハレ」の日に食事にいく方が多いと思います。逆にそのような「ハレ」の日にファストフード店だといかがでしょう?どちらが良い悪いではなく共にニーズがあるからこそお店として存在しています。
ではその時々でどちらを選ぶのか?それこそがブランドが与えるイメージであり世界観の力です。
これはB to Cに限りません。例えば「短納期が強み」をアピールし認知されたいのであれば、その方向性で統一感をもった世界観を作る必要があります。逆に「クオリティの高さ」をアピールしたいのであれば、その印象が残るような統一感のある世界観が必要です。
ブランドを構成する要素その7:商標権
どれだけ素晴らしいネーミングやロゴが出来たところで、他者の商標権を侵害してしまっては、そもそも使用することが出来ません。そして商標権の場合、故意であろうと過失であろうと権利侵害を構成します。また、自分たちの「ブランド」を守っていくためにも商標権の取得は必須です。
これからのブランドを構成する新要素
ここまでブランドを構成する7つの要素をご紹介してきました。これからの時代、この7つの要素に加えて必要となる新たな要素をご紹介いたします。
それは「顧客体験」です。
インターネットやSNSなどの普及によりB to B、B to Cを問わず、購買に至るまでのプロセスは変化しています。みなさんも、商品を購入する前や業者に発注を決定する前に、実際に商品やサービスを利用した方の意見や感想など情報収集を少なからず行うのではないでしょうか?むしろ「全くそのような情報収集はしない」という方の方が少数だと思います。それらの情報は「顧客体験」により蓄積されて作られています。
より良い「顧客体験」は体験をした本人がファンになるだけではなく、その「顧客体験」を知った他の人も、ユーザーそしてファンに繋がっていく可能性があります。
従来のマス広告のような一方向からのコミュニケーションだけではなく、双方向のコミュニケーションにより得られる「顧客体験」は、ブランドを構成する要素として今後ますます重要性を増していくことでしょう。
まとめ
今回はブランドを構成する必須の要素8つをご紹介しました。このように改めて要素ごとに分解をしてみると、これからの施策につながる新たな発見があったのではないでしょうか?
ブランドは特定の大企業やマス広告によって作り出されるモノではありません。ぜひ、これからのブランド戦略にこの8要素を活用してみてください。
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