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2022年04月28日ブランディング「ブランド戦略」を考える上で誤解される3つのポイント

ブランド戦略はとても大切。

言わずもがな広報部やマーケティング部、企画部や営業部などブランドのオフェンスに携わる部門、また知的財産部門のようにブランドのディフェンスに携わる部門だけでなく、どの部門の方も企業活動において「ブランド戦略」はとても大切だと考えていらっしゃることでしょう。

しかし具体的な「ブランド戦略」については「自分には関係がない」「他人事」と思っていませんか?


そんな「ブランド戦略」にまつわる3つの誤解を解説していきます。

目次


ブランド戦略とは?

ブランド戦略の定義

ブランド戦略における誤解その1

ブランド戦略における誤解その2

ブランド戦略における誤解その3

今日から始めるブランド戦略

ブランド戦略とは?

「ブランド戦略」

この言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?むしろ、今まで一度も耳にしたことが無い方はいらっしゃらないでしょう。では具体的に「自社のブランド戦略」について説明を求められると回答に困る方がほとんどなのではないでしょうか?なぜなら「ブランド戦略」と単語は良く耳にしても具体的に「何を」示しているのか、人により定義が曖昧であり、多種多様であり、そして目に見えないモノだからです。

まずは企業活動において広く表現される「ブランド戦略」の目的から「ブランド戦略」の正体を具体的に定義していきたいと思います。

ブランド戦略の定義

まずは「ブランド戦略」とは具体的にどのような事なのか定義していきましょう。文字取り「ブランド」における「戦略」と言えますがこれでは結局、何のことなのかさっぱりわかりません。

我々は「ブランド=自他を識別・区別するためのイメージを伴った情報」であると定義しています。つまりブランド戦略とは「「自他を識別・区別するためのイメージを伴った情報」(=ブランド)の価値を高めるために企業や組織が計画し実行するプロセスであり行動」であると言えます。

そしてその目的は「○○を購入するなら△△のブランド」や「□□ブランドは、どれもクオリティが高い」といった選択肢としての他社優位性の構築という目的のケースもあれば、「☆☆ブランドの世界観が好きだから、そこで働きたい」「××ブランドの取り組みに共感できるから応援したい」といった、企業理念や世界観などを社内外へ知ってもらうことが目的のケースもあります。

その為、当然のことですが一口に「ブランド戦略」と言っても、目的がことなればアプローチが異なることは言うまでもありません。

しかし日本企業の多くにはこれから解説するようなブランド戦略に対する誤った認識があります。

 

ブランド戦略における誤解その1

ブランド戦略」とは「限られた大手B to C企業や大手B to B企業、また大手外資系企業や高級製品」に対して行う活動、という誤解です。

先ほど「ブランド戦略」とは、「「自他を識別・区別するためのイメージを伴った情報」(=ブランド)の価値を高めるために企業や組織が計画し実行するプロセスであり行動」であると定義しました。

この定義からも分かるように「ブランド戦略」とは自社の事を知ってもらうことにより、「自他を識別・区別する」また「自他を識別・区別してもらう」ためのプロセスであり、そのための行動です。あくまで対象は常に「自社」そのものであり、業種や企業規模そして製品やサービスの価格によらず行動する必要があることがお分かりいただけるのではないでしょうか?

「ドン・キホーテ」「ユニクロ」「ダイソー」など低価格を「強み」としてアピールしている企業や、「AGC」「日清紡」「旭化成」などの「B to B企業」が「まず自社について知ってもらうための取り組み」を行っていることが、ここでの誤解に対する良い反証です。

ブランド戦略における誤解その2

マス広告が必要」という誤解です。

「ブランド戦略」といえばCMなどのマスメディアを通じた「マス広告」と思われている方も多いのではないでしょうか?これも非常に多い誤解です。

確かに「ブランド戦略」の効果的な方法の「1つ」として「マス広告」という方法があることは事実です。そして特に日本においては大手広告代理店が企業のマーケティングの外注先としてブランド戦略を担うケースが多く、また圧倒的な規模とメディアとしてのシェアを占めています。その為、実際のマス広告における影響も大きく「ブランド戦略」=「マス広告」との誤解が生じます。もちろん「マス広告」も有効な方法の1つであることは事実ですので活用できるのであれば、活用することをお勧めいたします。

しかし「マス広告」はあくまで数ある「方法」の1つであり、「ブランド戦略」=「マス広告」ではありません。

その反証として有名な例が「スターバックス」です。「スターバックス」の「マス広告」をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか? 

「スターバックス」は、家でも職場でもない「サードプレイス」の提供を企業理念として掲げており、製品だけではなくスタッフや店舗の雰囲気などすべてが「サードプレイス」に繋がるよう設計されています。「サードプレイス」というフレーズを商標登録している点から見ても「スターバックス」にとっていかに重要な「キーワード」であるかが見て取れます。

そして「スターバックス」は「マス広告」ではなく、実際に来店して利用することによる「来店体験」をブランド戦略として展開しており、実際にその他のコーヒー店と明確な差別化に成功しています。

ブランド戦略における誤解その3

「ブランド戦略には莫大な費用が必要」という誤解です。

「そんな高額な広告宣伝の予算はない」「自社の製品はそんな高級品ではない」「ニッチなB to B企業だから」。

「ブランド戦略」=「高級品」や「ブランド戦略」=「マス広告」の誤解に通ずる部分もありますが、こちらも多く誤解されてきました。

しかしここまでの説明を理解した今の皆様には、この「ブランド戦略には莫大な費用が必要」が誤解であることはご理解いただけるのではないでしょうか?

たしかに「マス広告」は効果的な側面がある一方で莫大な費用が掛かります。ただそれは「ブランド戦略」=「マス広告」と誤解をして、思考を止めてしまっているだけです。

全ての「ブランド戦略」に莫大な費用が必要な訳ではありません。必要なのは「費用」ではなく「考える力」「継続する力」「時間」です。

今日から始めるブランド戦略

では具体的に、どのようにして「ブランド戦略」を考えて行けば良いのでしょうか?その問いは非常に難解です。なぜなら業種や企業規模、対象となるブランドやターゲット、また目的の設定や自社の理念などにより、切り口は異なります。その為、様々な角度からトライしていく必要があります。

しかし、その一方で必ず押さえておかなければならないポイントがあります。それは、

関わるメンバーみんなが「他人事」ではなく「自分事」としているか?

あなたは今、自身が関わっている製品やサービスの「由来」「込められた思い」「ストーリー」「世界観」をちゃんと語れますか?また、あなただけでは無くプロジェクトに関わるメンバーも同じ熱量で語ることが出来ますか?

「ブランド戦略」はあくまで「戦略」でしかありません。どれだけ「戦略」が優れていようとも「コア」となる「ブランド」の要素がおざなりでは意味を成しません。そしてその「ブランドを形創るコア」が「由来」「込められた思い」「ストーリー」「世界観」であり、その担い手のトップランナーは「あなた」であり「プロジェクトメンバー」であるはずです。

どうして、トップランナーであるはずの「あなた」や「プロジェクトメンバー」ですら「世界観」などを語れないようなブランドが、ユーザーには「世界観」が伝わるというのでしょうか?

そしてそんな「由来」「込められた思い」「ストーリー」「世界観」を語れない「コアの無いブランド」の戦略を練ったところでユーザーには響きません。

まずは、自身が関わっている製品やサービスの由来やストーリーなどを理解した上で、ブランドについて「他人事」から「自分事」にしてみましょう。そして「自分事」にできたら、他のメンバーにも「他人事」から「自分事」にチェンジできる情報や機会を提供してみてください。

~「他人事」から「自分事」~

それが「費用」も掛からない、そしてすぐにでも出来る「ブランド戦略」の第1歩。
あなたもぜひ一緒に踏み出してみてください。

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