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2022年06月30日ブランディングSDGsブランディングにおける注意すべきポイント~SDGsウォッシュに陥らない為に~

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」。略して「SDGs」。ここ数年で大幅に認知度が上がり、今やこのキーワードを耳にしたことが無いビジネスパーソンはいないのでは無いでしょうか?

また多くの企業が「SDGs」を掲げ、様々な課題に取り組んでいます。今後も企業のブランディング戦略と「SDGs」と概念の融合は切り離せないものとなっていくでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。

本当にその取り組みは「SDGs」と謳って良いのですか?安易に「SDGs」と謳ってしまうと、もしかすると思いがけずブランドのイメージダウンや、投資家の信頼を失う事につながるかもしれません。

そんなSDGsブランディングにおける注意点を考えてみましょう。

目次

・Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)とは

・いきなり注目を浴びた「SDGs」?

・SDGsブランディングの難しさ

・SDGsは新しい概念では無い

・SDGsは期限付き

・SDGsは自然環境についてだけの取り組みでは無い

・SDGsウォッシュに陥らない為に

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)とは

そもそもSDGsとは何なのでしょうか?

 

「SDGs」とは、2015年9月に国連サミットで採用された、国連加盟国の193ヶ国が2016年から2030年までに達成するために定めた国際目標のことです。なぜ目標を定めたのか?それは、「誰も取り残されない、持続可能な開発」を実現するためです。目標を達成するためには「経済」「社会」「環境」の3つの要素が調和する必要があります。「途上国」「先進国」を問わない目標です。

 

「経済」「社会」「環境」の3つの要素が調和する状態を目指すために、SDGsは「17の目標(ゴール)」とゴールごとに設定された「169の解決すべき課題(ターゲット)」で構成されており、主体的、自主的に取り組むことが基本です。

いきなり注目を浴びた「SDGs」?

ところで「SDGs」がいきなり注目を浴びたイメージをお持ちではないですか?実はそんなことはありません。意外と知られていないですが「SDGs」には前身があります。

それが「MDGs」です。

「MDGs」とは、2000年の国連サミットで採用された、「国連ミレニアム宣言」の基にまとめられた「Millennium Development Goals(ミレニアム開発目標)」です。「極度の貧困の撲滅」など主に「途上国」の問題を解決するための8つの目標が設定されました。そして期限として設定されていた2015年までに一定の成果を納めました。一方で2015年までに解決できなかった問題もあります。そして、

未達成に終わった目標に引き続き取り組む
②解決できた目標はさらに深く取り組む
③「途上国」「先進国」関係なくすべての国で主体的に取り組む

ことを目標とし「MDGs」の後継として2015年9月に国連加盟国全会一致で採用されたものが「SDGs」です。

つまり、いきなり「SDGs」が登場し注目を浴びた訳ではなく、「途上国」だけでは無く先進国を含むすべての国に対象を広げ「MDGs」をアップデートしたものが「SDGs」と言えます。

SDGsブランディングの難しさ

ここまで、「SDGs」の概要やその前身である「MDGs」について解説してきました。ここまでの解説で「SDGs」が、

全く新しい概念では無い
2030年までの期限付きの目標
自然環境についてだけの取り組みでは無い

  

ことがご理解いただけたのではないでしょうか?

そして大変厄介なことに、これらが折角の「SDGsブランディング」が「SDGsに取り組んでいるように見せかけ、実態が伴っていない‼」ととらえられてしまうポイントでもあります。それでは詳しく見ていきましょう。

SDGsは新しい概念では無い

今や市民権得て、どこでも標語のように使われている「SDGs」。では「SDGs」で取り組むべき課題である、今の地球で起きている様々な問題も最近になって発生したのでしょうか?

もちろん、そんなことはありませんよね。これらの問題は、「MDGs」や「SDGs」が定められる前からの大きな課題です。UNESCOやUNICEF、地球サミットなどの様に以前から議論がなされてきました。そして、企業においても「MDGs」や「SDGs」の策定以前から特に環境問題などの社会問題に取り組んでこられた企業も多く存在していることでしょう。

つまりSDGsは「近年登場したまったく新しい概念」ではなく、「今までの取り組みを、よりゴールを具体的にし、どの企業も主体的に取り組む事が当然であること」に昇華した概念であると言えます。

その為、「これはSDGsなのか?」それとも「ただの従来の取り組みの延長線上なのか?」の境目が曖昧になりやすく「SDGsブランディングとして」取り組むべきことも曖昧になってしまいます。

SDGsは期限付き

「SDGs」には2030年という期限が設定されています。

勿論、取り組むべき事項や課題は2030年までに全て解決できる問題ではありません。全人類が誰も取り残されずに地球に住み続けるためには継続し改善し続けていかなければならないものです。

その点において、人類の取り組みには終わりが無いのかもしれません。

一方で繰り返しですが「SDGs」は2030年までの目標です。2015年に「MDGs」から「SDGs」に変化したように、恐らく2030年以降の取り組みの呼び方は別のものになっていくことでしょう。

つまり「SDGs」の本質ではなく「キーワードだけ」に囚われていると、そのブランディングは2030年には終焉がきてしまうことになります。

SDGsは自然環境についてだけの取り組みだけでは無い

SDGsは「環境問題」「社会問題」「経済問題」の3つの要素について目標とターゲットを設定しています。それは「世のため、人のため、自分のため、そして次世代のため」の取り組みであり広い概念でもあります。

そのため、世間一般で議論がなされる課題や企業が取り組んでいる課題のほとんどは、よくも悪くも「SDGs」の枠組みに当てはめることが出来てしまいます。

つまり本来「SDGs」との関連性が低い事象についても、あたかも「SDGsブランディング」の皮をかぶって語ることが出来てしまうということです。

SDGsウォッシュに陥らない為に

「SDGsウォッシュ」とはSDGsに取り組んでいるように見えて、実際には上辺だけとりつくろって「SDGsに取り組んでいるフリ」をすることです。見掛け倒しのエコへの取り組みである「グリーンウォッシュ」から派生した言葉です。

「SDGs」は今まで取り組んできたことの延長線上や課題の多様性から、自社の事業と意外なほど簡単に「SDGsブランディング」として関連を持たせることが出来るのでは?と思われた方も多いと思います。そして実はその通りです。しかしそれこそが「SDGsブランディング」の落とし穴です。実態が伴っていなければ「SDGsウォッシュ」と揶揄され、せっかく今まで積み上げてきた企業としての信頼を失うことや、EGS投融資先としての信頼も失う可能性があります。

「SDGsウォッシュ」には明確な基準がないからこそ、

根拠がない、情報源が不明な情報を避ける
事実よりも誇張した表現を避ける
言葉の意味が規定しにくいあいまいな表現をさける
事実と関係性の低いビジュアルを用いない

(出典:株式会社電通 「SDGs Communication Guide」)

といったポイントを押さえつつ、「いかに自社の取り組みを表面的では無く自分事として捉え、掲げたからにはいかに自社の行動をかえていくか」が重要になってきます。

また、あくまで「SDGs」は2030年までの目標ですが、取り組みは2030年以降も継続することが前提です。

「SDGsブランディング」を実践するためにはSDGsの目標から逆算して、「今なにをすべきなのか」を考え、そして2030年以降のビジョンもイメージして組み立てることが肝要ということですね。

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