2018.06.26IPアメリカ:商標使用見本に対するメールによる抗議試験プログラム開始
アメリカ:商標使用見本に対するメールによる抗議試験プログラム開始
アメリカでは使用証拠の登録後監査プログラム(Post-Registration Proof of Use Audit Program)を導入し、不使用の商品を含んで使用宣誓書を提出したか否か等のチェックを行っているが、この都度更に新たなプログラムを試験導入することを決定し、ますます商標の使用の監視を厳格化している。
この制度は、商標使用見本に対するメールによる抗議試験プログラム(TM Specimen Protests Email Pilot Program)と呼ばれ、虚偽、画像操作されたと思われる使用証拠について何人もアメリカ特許商標庁(USPTO)に報告できるというものである。
USPTOによれば、コンピュータ画像を操作した結果と思われる使用見本の提出が増えており、明らかに変形されたもの、操作されたと分かるものに関しては審査官は拒絶しているが、なかにはプロが加工したと思われる見本もあり、判別がつかなくなっている。
こうした状況を鑑み、USPTOは広く一般公衆に対して虚偽見本を特定し、アメリカ連邦登録簿の一貫性を保てるよう呼びかけたものである。
情報提供にあたっては、以下を含んだメールをプログラム専用のアドレスに送付する:
1.対象商標について、商標が使用されていない商品等の明白な証拠を添付する。例えば、問題の商標がイメージをストックする広告会社のストックイメージとして掲載されているページ、実際に商標を付されていない商品が掲載されたWebページ等
2. 同一商品にそれぞれ異なる商標が付された先行登録番号、出願番号等
これらの情報は対象商標の公告日から30日以内にUSPTOに受領されなければならない。
この試験プログラムは幾つかの問題を含んでいる。
現在、USPTOはこれらの情報提供について公にする予定はないとしているが、このポリシーは変更される可能性もあり、また同局への全ての提出物は情報公開法(Freedom of Information Act)又は訴訟等の理由により請求される可能性がある。
また、この制度は現在使用に基づく出願にのみ適用され、5-6年目の宣誓書、更新には適用されていないが、今後USPTOが適用範囲を拡大する可能性もある。
制度の詳細については以下のページで確認できる。
[出典:Gerben Law Firm]