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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2011.12.13IPトルコ:小売に関する役務の改正 他


トルコ:小売に関する役務の改正

トルコ特許庁は2011年10月19日付で第35類の役務に関して改正を行うことを発表した。

The bringing together of "a variety of goods" enabling customers to conveniently view and purchase those goods (the mentioned services can be provided by wholesale, retail, electronic media, catalogues and like other methods)

他人の便宜のために「各種商品」をそろえ、顧客がこれらの商品を見、かつ購入するために便宜を図ること(上記の役務は卸売、小売、電子メディア、カタログその他の方法で提供できる)

上記役務は下記のように改正された。

The bringing together of "…."* enabling customers to conveniently view and purchase those goods (the mentioned services can be provided by wholesale, retail, electronic form, catalogues and like other methods).
* In this section, kindly indicate the goods, goods group or sector in which the service is used. In case the service covers all goods and sectors, kindly use "various goods."

他人の便宜のために「*」をそろえ、顧客がこれらの商品を見、かつ購入するために便宜を図ること(上記の役務は卸売、小売、電子メディア、カタログその他の方法で提供できる)*役務が使用される商品、商品群、分野を特定すること。当該役務がすべての商品・分野に係る場合は「various goods」と記載すること

現在トルコにおいて第35類の指定役務を改正前の記載(variety of goods)で登録している場合、トルコ特許庁は同一・類似商標が特定の指定商品について出願された場合(たとえばthe bringing together of perfumes)は、先行登録に拘わらず、後願商標の登録を認める。
したがって、現在当該指定役務をトルコで登録している場合、その内容が貴社ビジネスに関連するものを網羅しているか確認することをお勧めする。


[出典:INTA Bulletin]


WCO:2010年度税関白書

WCO(世界税関機構)は毎年6月に世界における不正商品の水際摘発報告を発行しているが、本年6月に2010年度の報告書が発表された。
2010年度の特徴として以下があげられる。

摘発の対象となる商品について、1位はタバコ、2位が繊維、3位がアクセサリーと続くが、2009年度に比べコンピュータ部品(前年度から50%)、電子部品(同37%)、国際スポーツイベント関連商品(52%)の上昇がみられた。

摘発数が高い国はアメリカ(11552件)、ドイツ(1319)、フランス(1220)、メキシコ(1072)、日本(904)と続くが、上位3か国で全体の60%を占める。
摘発した商品数の多い国としてはアメリカ(3100万個)、サウジアラビア(1700万個)、メキシコ(1600万個)と続き、全体の77%を占める。
なお、サウジアラビアは摘発数でも7位にランクされる。

模倣されたブランドは摘発数の数からみると、Louis Vuittonが604回とトップであり、以下Apple (557回)、Nike(500回)と続くが、日本のブランドもHello Kitty(426回)とNintendo(333回)がトップ10入りしている。
税関で押収された商品数から見ると、トップはBIC(1085万個)、Viagra(730万個)、Walt Disney(528万個)と続く。
模倣品の仕出国として、摘発数からみたトップは中国の13661回で、全体の約58%を占める。次いで香港(4497回)、インド(806回)、UAE(356回)と続くが、これは2009年度から続く傾向である。

摘発された商品数からみた仕出国のトップ2は中国(1億300万個)、香港(630万個)で変わらないが、イタリア(340万個)、UAE(264万個)と3位以下の順位が変更する。

これらの商品の目的地はアメリカ、ドイツ、メキシコがトップを占める。
トランジットで経由国としてはドイツ、オランダ、香港がトップを占めた。


[出典:WCO]


EU:トランジットの模倣品の取扱いについて

WCOの統計でトランジットとして最も模倣品が通過することが多いEUにおいて、留意すべき決定が下された。

欧州第一司法裁判所(CJEU)は2011年12月01日付で、税関職員はEU圏外からEUをトランジットで通過する疑義品について、これらの商品がEU市場に配布されるという疑いない限り、差し押さえてはならないと決定した。
当該裁判所はこれらの商品について「単にEU圏内に疑わしい方法で導入されたという理由のみに基づき“侵害品”または“海賊品”であると区別することはできない」、と判断した。

これはNOKIAとPhilipsの模倣品がイギリスの税関でリリースされた件についての裁判に関して、CJEUに意見を求められたものである。
これにより、商標権者は今後、税関での差し押さえに成功するためには、輸入業者の申告先がどこであれ、EU市場向けであることを証明しなければならなくなった。


[出典:Marks & Clerk]


台湾:模倣品の購入が商標権侵害となる可能性

台湾において商標権侵害の行為とは、許可を得ずに商標を使用し、当該商標を付した商品を販売、販売目的で展示、輸出入する行為を含む。

「販売」行為とは通常、商品の販売そのものを指し、販売のための購入は含まれない。
しかし2011年05月18日、台北地方裁判所は100年智易字第16号判決において、利益を得る目的で侵害品を購入又は販売する行為は、販売行為とみなされ、法律により罰せられると決定した。
したがって、販売の目的で一旦模倣品を購入すれば、例えその後模倣品が差し押さえられ、実際に他人に転売していなくとも、依然として侵害品の販売として刑事責任が問われることになる。


[出典:Lee and Li]


中国:知的財産権保護の新機関設立へ

2011年11月09日、中国国務院の幹部会議は模倣品および知的財産権侵害の取締強化の声明を採択し、そのための新機関を商務部直下に設立することを計画している。

これは特に食品、機械、電子部品、自動車部品、化粧品、農作物、建設素材市場の監視と製造業者の管理を目的とする。
これは、昨今外国籍の知的財産権所有者のみならず、中国においても年々増加してきた知的財産権の権利者からの要請も反映したもので、新機関は知的財産権者からの援助がなくとも独自に権利行使を行うとされる。

また、同声明によれば、中国警察も複数地域・部門に跨る権利行使の協力システムを構築し、侵害品の調査を簡易化することを計画している。
地方共同体も管轄地域内における侵害品の取締を行うことを義務付けられ、その実績は定期的に監視される。

国務院はまた、製造業者の不正を取締るため、個人実業家・企業の信頼度確認システムを設立し、その情報を公開する必要性を強調し、侵害者の刑事責任を重くするため、刑法を改正し、侵害者側の立証負担を増やすことを検討している。


[出典:An, Tian Zhang & Partners]


グアテマラ:オンライン通信の採用

グアテマラでは政令15-2011により、2011年10月19日から司法機関への手続きに関して、あらかじめ通知したEメールアドレスを介してコミュニケーションができるようになった。

オンラインによる通知は条文で個人的に渡さなければならないと規定している場合を除き、従来のハードの通知と同一の有効性を持つ。


[出典:NJQ]


ブラジル:オフィシャルフィーの上昇

ブラジル特許庁は2012年01月01日よりオフィシャルフィーを平均で18.5%アップすることを発表した。


[出典:GUERRA]


ロシア:WTOへの加盟

2011年11月10日、WTOのロシア加盟作業部会が加盟の正式承認に必要な議定書を採択した。

12月15日から開催されるWTO閣僚会議での承認とロシア下院による批准を経て、来春ロシアがWTOの正式メンバーとなることはもはや確実になった。
ロシアがエリツィン政権下の1993年に加盟を申請してから、交渉は、農業や天然資源、知的財産権などの問題を巡って難航し、史上最長の18年間という長いものとなったが、ようやく実を結んだ形だ。

旧ソ連諸国15ヶ国の中では、9ヶ国目の加盟国ということになる。
WTO未加盟の最後の経済大国とされてきたロシアの加盟により、「WTOの加盟国は世界貿易の98%を占めるようになる(WTO事務局長)」。
これにより、ロシアにおいて知的財産権について下記の改正が期待される。

  • 政府が管理する工場における不正光学ディスク生産に対する刑事罰の設定
  • 海賊品・模倣品に対する厳罰
  • 文芸作品の保護に関するベルン条約の保留の取下げ

[出典:SD PETOSEVIC]


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