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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2013.04.09IP韓国:卸売・小売業等の役務及びその対象商品間のクロスサーチ緩和 他


韓国:卸売・小売業等の役務及びその対象商品間のクロスサーチ緩和

韓国特許庁は、サービスマーク審査細部処理指針の変更にもとづき、2013年2月から第35類の卸売・小売業、販売代行・斡旋業、購買代行業、商品仲介業等の役務とその対象となる商品は互いに非類似と推定して審査すると発表した。

これまで第35類の卸売・小売業等と対象商品との間に同種性を認め類似と判断してきたが、(1)原則的に商標とサービスマークはその機能が互いに異なり、(2)現実的に商品は流通業者によって販売されるため取引実情上、商品製造業者が卸売・小売業を兼業するのが一般的とは見做し難いとして、従来の審査方針を変更した。

但し取引実情上、役務とその対象商品との間に誤認・混同の虞がある場合には、異議申立や特許審判院の審決・法院の判決を通して個別に判断することを原則とし、審決例・判例が蓄積すれば「判例反映目録」に反映して類似と判断することにした。

新たな類似判断基準の適用時点は「審査時点」であるため、第35類の卸売・小売業等と対象商品との間の類似性による拒絶理由に対しては新たな基準により克服可能なケースも出てくると思われる。

このような審査指針の変更によって少なくとも審査段階では商標サービスマーク間のクロスサーチに基づく拒絶は減少すると予想されるが、クロスサーチの緩和で共存が可能になった商標・サービスマーク間に異議申立や無効審判などの紛争がある場合、両商品・役務間の類似性が認められれば依然として拒絶・無効の可能性がある点に留意する必要がある。


[出典:KIM & CHANG]


パキスタン:知的財産裁判所設立へ

パキスタンは知的財産機構令第16-19条を受けて、独立した知的財産裁判所の設立を目指している。
これらの裁判所は知的財産権に関する案件を専属的に管轄し、設置された後、特許、商標、著作権等に関する案件は全て当該裁判所へ移送される予定である。

しかし法案は国民議会を通ったものの、詳細は詰められておらず未だ不明な点も多い。


[出典:DAWN.COM]


ホンジュラス:商号の登録維持に関する新規則

ホンジュラスでは商号の登録維持に関する新規則が発効された。
旧規則において、商号は5年毎に法的存在を示す証拠の提出は求められたものの無期限に登録できた。

プラクティスにおいては、企業が所在する国・又は地域の更新済優良企業証明書、定款書又は商工会議所が発効する証明書等を提出すればよかった。

新規則において、商標その他の標章に関する条文と調和させるべく、知的財産庁はホンジュラス知的財産法は原則的に属地主義であり、使用証明は当該書類がホンジュラスの公的機関が発効したもののみを有効とするとした。
即ち、以後ホンジュラスに本社を有する又は所在する企業のみが使用証明を提出できる。

知的財産庁は、外国に所在する企業については、5年毎に再出願を行うよう勧めている。


[出典:Bufete Mejia]


カナダ:侵害品対策法の導入に伴う商標・著作権法改正

カナダでは2013年03月01日付で以下の改正を含む侵害品対策法(草案C-56)が導入された。

  1. 非伝統的商標を含む「商標」の定義拡大
  2. 使用意思による証明商標の導入
  3. 出願分割
  4. 水際対策の改善

水際対策は具体的には具体的に以下の手続きとなる。
権利人はカナダ国境サービス庁(Canada Border Services Agency)に「援助申請(Request for assistance)」を提出する。

これは税関への2年間の登録制度であり、権利人は差止又は廃棄によって生じる費用を負担し、侵害品を掲載する船舶に関する情報を税関職員で共有できる。
税関職員は職権による差止を行うことができ、疑義品を発見した場合は権利人に連絡する。
疑義品は10営業日、差止られ、申請によって更に同日間延長可能である。

著作権法では、権利者が税関にカナダで製造された著作権侵害品の写しと通知を送れる条文が追加された。

商標法では、販売又は流通目的で登録された商標と同一又は非常に類似する商標を付した商品又は包装を所有・製造することは禁じられた。
また登録商標の指定商品について、当該商標を意図的に連想させる商標を付した包装又はラベルを販売することは制限されている。

更に商標法では侵害品及びそれに関する包装であることを知りながら、販売、販売するため商取引で流通、製造、所有、輸出入したり、指定商品又は役務に関して登録された商標と実質的に同一又は識別不能な商標に関してサービスを提供、宣伝する行為について最高100万カナダドルの罰金且つ/又は5年以下の禁固刑が科される旨の条文が追加されている。

草案C-56は今後更に審議が重ねられる予定である。


[出典:Smart & Biggar/Fetherstonhaugh]


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