2014.06.24IPカナダ:商標法改正へ 他
カナダ:商標法改正へ
カナダでは今春商標法改正の動きが高まっており、草案C-31が議会に提出されている。同草案における主な改正点は以下の通りである。
- 使用の義務廃止
現在、カナダにおける出願は使用宣誓書の提出が求められるが、草案では使用開始日の提出が求められず、単に使用が開始されているか使用意思ベースで出願するかの記載のみが求められる。 - ニース国際分類採用
従来カナダは独自の分類を採用していたが、改正法では国際区分を採用し、これに伴い、従来の指定商品(wares)が(goods)へ変更される。 - 商標権の有効期限が15年から10年に変更
- 商標の定義拡大
- 連合商標の廃止
法案の施行日等は未だ決まっていないが、カナダ特許庁の職員からの非公式なコメントでは早ければ年内の可能性がある。従って、現時点で更新可能なカナダ商標を所有されている場合、改正法施行前に更新しておくことをお勧めする。
[出典:Moffat & Co、Baker Botts LLP]
韓国:情報提供の活用増加
情報提供は、審査段階で出願された商標が登録されてはならない趣旨の情報を証拠とともに特許庁に提出する制度で、特許出願ではよく利用されるが、商標において当該制度がある国はそれほど多くない。韓国は商標出願でも当該制度を利用できるが、その利用率が増加していることが判明した。
韓国における情報提供の方法は比較的シンプルで、審査終了前までに情報提供書を事業期間、年間売上、広告宣伝費等の資料と一緒に提出するが、特に決まったフォームはない。
韓国特許庁によれば、2011年から2013年まで、商標審査における拒絶の割合は22%であったが、情報提供がなされた出願は63%になった。
韓国特許庁は情報提供を模倣商標から商標の価値を守る効果的制度と評価しており、当該制度の普及に努めていく意向である。
[出典:韓国特許庁]
日本:地域団体商標の登録主体拡充
2014年06月11日、特許庁は本年05月14日に公布された「特許法等の一部を改正する法律」のうち、「商標法第7条の2第1項の改正規定(地域団体商標の登録主体の拡充)」の施行期日を2014年08月01日と定める「特許法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」(第207号)が公布されたと発表した。
「特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)」は、その施行日を「以下の事項を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」としているが、そこでは、以下の事項は「地域団体商標の登録主体の拡充」(公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日)と、「ジュネーブ改正協定(「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」)の実施のための規定の整備」(「ジュネーブ改正協定」が日本国について効力を生ずる日)となっていた。
今回の政令公布により、8月1日以降、地域ブランドの普及の担い手である商工会、商工会議所及び特定非営利活動法人(NPO)も、従来の事業協同組合等に加えて、地域団体商標制度の登録主体に追加されることとなった。
[出典:特許庁]