2017.01.11IPアメリカ:商標審判部手続に関する改正施行規則発効
アメリカ:商標審判部手続に関する改正施行規則発効
2016年10月07日、米国特許商標庁商標審判部(TTAB)は手続に関する改正施行規則を公布し、2017年1月14日よりが発効される。これは2007年度以降で最初の大きな改正であり、当事者系手続(異議申立、取消審判、同時使用の認定)及び査定系審判に関する施行規則が多数改正されている。主な改正点は以下の通り。
- 書類の電子提出
TTABへの提出書類は、特定の事情又は技術的困難を伴う場合を除き、全てオンライン・ファイリングシステム(ESTTA)により提出しなければならない。特にマドプロ経由の出願に対する異議申立通知と延長申請は必ずオンライン提出が義務付けられる。 - 電子メールの活用
審判に関する全ての書類はメールでの送達が義務付けられる。これにより、郵送による配達で認められていた対応に関する5営業日の延長は認められない。
文書の容量が多い場合、TTABはクラウドサービス又はUSBの活用を推奨している。
また、異議申立通知、取消審判請求、同時使用(Concurrent use)認定に関する通知についてTTABはTTABVUE(Trademark Trial and Appeal Board Inquiry System)にリンクしたメール配信を行う。 - マドプロ経由の出願に関する異議申立手続について
マドプロ経由でアメリカを指定国とする出願に対する異議申立について、対象となる指定商品・役務及び異議事由はESTTAカバーシートに記載されたものに限定され、補正できない。画集国法典第15巻第1、44条に基づく出願について、ESTTAカバーシートは申立の一部と看做され、異議申立の範囲は必ずしも同シートに限定されるものではない。 - 審判前手続及びディスカバリー手続の合理化
改正規則はディスカバリーを含めた審判前手続の迅速化を定めており、ディスカバリーに関する全ての応答、拒絶、書類提出等がディスカバリー終了日の30日前に提出されていなければならない。これに伴い、ディスカバリーにおける書類提出要求(Request for production of documents)及び自認要求(Request for admission)は75項目に限定される。 - 宣誓書による証言(Testimony by affidavit)に関する変更
各当事者は他方の当事者の合意がなくても宣誓書(Affidavit or Declaration)による証言が可能となる。これには反対尋問の機会が付与がされる。
今回の改正は特に審判手続におけるコスト削減と効率性を目指したものであり、2017年01月14日において係属している全ての案件に関して適用される。
[出典:Shumaker Loop & Kendrick]
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