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2021.08.11IP韓国:商標不使用取消審判における商標の同一性に関する特許法院判例集


韓国:商標不使用取消審判における商標の同一性に関する特許法院判例集

登録商標と使用商標の同⼀性は、商標不使用取消における争点の1つである。
商標の同⼀性に関する判例を考察することによって、登録商標が不使用により取り消されることを防止するためにいかに登録商標を使用すべきかを検討することができる。

例えば、特許法院は、下記商標は同一性の範疇であると判断している。

1. 商標登録「」と使用態様「
・・・使用態様に図形と「SELECT」が付加されているがこれらは識別力が強いとは言い難く、さらにこれらが「Autoline」と結合して新しい観念から識別力を形成するわけでもないため。

2. 商標登録「」と使用態様「
・・・使用態様の「Grace&Lucere」は、「SIMIUS」の上段に小さく表示されて全体標章に占める比重が小さく、図形部分は文字とはっきりと区別認識されており、図形と文字が一体不可分的に結合されていないことから、その結合により新しい観念を形成するとみることができないため。

3. 商標登録「」と使用態様「
・・・「丸い形態の図形」と、特異な書体で書かれたハングル文字「숨」と、高低が異なって書かれた英⽂字「SUUM」の3つの部分全てが独自の要部として機能し得る商標に該当するだけでなく、この3つの部分が密接に関連して全体的な外観を形成して識別力が認められるものと思われる点を勘案すれば、英文字「SUUM」中の⼀部のみを使用する場合は、登録商標と同⼀性のある商標の使用とみることができない。  

4. 商標登録「」と使用態様「
・・・登録商標の構成部分のうち、識別力のない「」だけを含み、図形「」を含まない商標は、登録商標と同⼀の商標とみることができない。  

大法院判例によると、「商標不使⽤取消における同⼀商標の使用には、登録された商標と同⼀の商標を使用する場合はもちろんのこと、取引社会通念上識別標識として商標の同⼀性を損なわない程度に変形して使用する場合も含まれる」とある。

自己の商標権取消を避けるためには登録された商標の通りに使用することが原則であるが、やむを得ず登録商標に図形や単語を付け加えて使用しなければならない場合は、上記において考察した判例に留意し、登録商標の同⼀性範疇から外れない程度に変更した商標を使用する必要がある。 


[出典:CENTRAL Intellectual Property & Law]


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