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2021.12.28IPスイス:原産地表示の規制を緩和


スイス:原産地表示の規制を緩和

スイス連邦知的財産庁(IPI)は商品又は役務の地理上の出所表示を含む商標に関する制限を緩和すると発表した。
2021年10月15日に改正内容を公表し1ヶ月間の公開協議期間とした。

背景と現在の商標実務
関連する公衆が、商標の地理的な表示が商品又は役務の出所を示すと認識する場合、その地理的表示は商標保護法(「TmPA」)第47条(1)によれば「原産地表示」とみなされる。
原産地表示を含む商標は、誤認混同が生じない事を前提に登録することができる(TmPA第2条(c))。
原産地表示を含む商標が、商品又は役務の原産地と異なる名称を採用している場合、誤認が生じるものと見なされる。

スイスは何十年もの間、国際的なレベルで原産地表示の保護強化を提唱してきた。このような努力が、地理的表示を含む商標についてスイスが厳格な運用を行っている理由となっている。
スイス連邦最高裁判所により認められたスイス連邦知的財産庁(IPI)の現在の慣行では、需要者を誤認させる(少なくとも抽象的な)リスクを排除するために、原産地表示から成る商標は、商品や役務の出所に限定して登録される。

改正内容
スイス連邦知的財産庁(IPI)は欧州連合知的財産庁やスイスの近隣諸国の官庁が採用している基準を基本的に採用し、厳格な登録実務を緩和することを発表した。
商標登録時に正しい使用が可能であれば、原産地表示を含む商標は誤解を招くものとはみなされず、商品や役務の地理的制限なしに登録が認められる。
原産地表示の使用は、実際に出所の異なる商品や役務に使用された場合などは誤っているとみなされ、誤認を生じるとみなされるが、最終判断は民事裁判所や刑事裁判所に委ねられる。
いずれにしても、明らかに誤認を招く(正しい使用が排除される)原産地表示を含む商標の登録は認められない。
特に、不正確な原産地表示が含まれている場合や、異なる出所の商品や役務に対して保護を求める場合が該当する。

出典元代理人コメント
スイス連邦知的財産庁(IPI)による現在の厳格な慣行は、不適切で不均衡な手段であると思われるため、改正を支持する。
地理的表示や原産地表示の厳格さが緩和されれば、商標の出願人にとっても大きな利点がある。
地理的表示が出所表示を満たすかという不明確な問題点を明らかにするだけではなく、特定の産品を保護する商標が異なる産品に使用された場合、不使用を理由に商標を失うリスクも低減できる(TmPA第11条第1項)。
また、商品や役務を制限する要件が撤廃されることで、スイス連邦知的財産庁(IPI)による暫定的拒絶の発行が大幅に減少し、効率的な審査の一役を担う事ができる。
発効日はまだ不明だが、スイス連邦知的財産庁(IPI)の厳格な慣行により登録が認められなかった商標を再出願する事も検討できるであろう。


[出典:Walder Wyss Ltd]


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