2022.08.09IPラオス:ラオスで商標を出願する際の5つの注意点
ラオス:ラオスで商標を出願する際の5つの注意点
近年、ラオスにおける知的財産の保護は増加しているが、これは工業化・近代化および地域的・世界的地位の強化を目指す同国にとって知的財産が重要であることを政府が公式に認めており、その支援を行っているためである。ラオス政府のこうした姿勢は、ラオス商工省管轄の知的財産局(DIP)に提出される商標出願の数が毎年増加していることにも反映されている。商標出願手続きを円滑に進めるためには、以下のような事項に留意されたい。
1.先願主義
ラオスでは、「先願主義」に基づき、最初に出願した個人もしくは団体に商標登録証が付与される。従って、商標を使用しようとする場合は、可能な限り速やかにラオスで商標出願を行う必要がある。
2.優先権主張
ラオスは、1998年10月8日に工業所有権の保護に関するパリ条約に正式に加盟し、パリ条約によって設立されたパリ同盟の一員となった。従って、パリ条約第4条に基づき、本国での出願日から6ヶ月以内に出願された商標については、ラオスにおいて優先権を主張することが可能である。
3.ラオスにおける商標出願前の先行類似調査について
ラオスでの商標出願に先立ち、商標調査を行うことは必須ではないが、商標調査を行うことで得られる利益を鑑みると、このステップを踏んで出願へと進めることが強く推奨される。類似調査を行うことで、出願予定の商標と同一または類似する商標が登録もしくは出願されているかを確認し、その結果に応じて、登録を得られるであろう最適な選択肢を検討することができる。出願前の商標調査には追加費用が発生するが、長期的な観点から言えば出願人の費用と時間を節約することができるといえるだろう。ラオスにおける商標調査の詳細については、こちらの記事も参照されたい。
4.ラオスにおける商標出願時のディスクレーム(権利不要求)
商品やサービスの品質や属性を説明するような記述語や一般語である商標の要素について、ラオスの知的財産法上、部分的な保護は認められていない。したがって、拒絶理由通知やそれによる追加費用の発生を可能な限り避けるためには、ラオスでの商標出願時に、出願書類に記載された標章以外の標章の一部、つまり上記のような部分的な保護を認められない一般的な単語・要素の部分について権利を主張しないこと、及び標章全体として保護されることを希望する旨明記することを推奨する。
5.ラオスにおける商標出願時の必要事項
ラオスで商標を出願する場合、以下の書類が必要となる。
i. 委任状(英語およびラオス語の併記/要公証)
出願時は写しのみでも問題ないが、その後1ヶ月以内に原本を知的財産局(DIP)へ提出する必要がある。
ii. 商標の見本画像(JPEGファイル、最低解像度600dpi)
iii. 指定商品および/または指定役務
ラオスは、ニース商品・サービス分類(45分類)を採用しており、登録する商品・役務は、商標出願時のニース分類の最新版に従って分類されなければならない。ラオスにおける商標実務に関する詳細は、こちらについても参照されたい。
[出典:Ageless IP Attorneys & Consultants]