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2022.08.09IPアメリカ:米国特許庁を偽った不正な更新案内に有罪判決


アメリカ:米国特許庁を偽った不正な更新案内に有罪判決

アメリカでは米国特許庁を偽り商標権利者に不正に更新案内を行い、費用の支払いを求める事態が発生している。この度ラトビア国籍のViktors氏が商標権利者に対し更新案内を偽った通知を3年間にわたり送り続け、120万USD以上を詐取した罪で4年以上の禁固刑となり450万USD以上の賠償金を支払うよう命じられた。

この手口は、米国特許庁から更新案内が届いたように見せかけ、商標登録の有効期限を偽った更新案内と高額な更新料の請求書を送付するものであった。多くの被害者は権利を持つ商標が米国特許庁で更新されると考えて費用を支払ったが、Viktors氏は更新手続きを行わず費用のみを詐取していた。事件に関する商標権はまだ更新手続きが出来る期間では無く、Viktors氏は認可された代理人でもない。

このようなケースはオーストラリアでも問題視されており、2021年6月オーストラリア競争・消費者委員会は、定期刊行物「詐欺の標的化」を発表した。この調査によると、不正請求詐欺は、すべての種類の詐欺の中で最も高い損失をもたらし、2020年にオーストラリア企業に1億2800万豪ドルの損害を与えたことが判明している。これらの詐欺には、(ビジネスメールの漏洩やフィッシングによる)支払いリダイレクト詐欺のほか、ドメイン名の更新、事務用品の偽請求書も含まれる。

またEUIPOやWIPOの名前を騙ったケースも報告されており、知的財産権(特許や意匠を含む)の権利者がより注意深く詐欺行為に慎重に対応する事が必要となる。


[出典:K&L Gates LLP]


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