2026.08.25IPタンザニア:公正競争委員会への商標登録制度が本格運用へ ― ARIPO登録・外国登録も受理対象に
タンザニア:公正競争委員会への商標登録制度が本格運用へ ― ARIPO登録・外国登録も受理対象に
タンザニア公正競争委員会(Fair Competition Commission:FCC)は、商標権をFCCに登録する制度(以下「タンザニアFCC商標権登録制度」という)が、本格的に運用されていることを明らかにした。
本制度は、タンザニアへの輸入品に対する税関での模倣品取締りを強化し、商標権者の権利保護を図ることを目的とするものである。
■ARIPO商標および外国登録商標も税関登録申請の対象に
タンザニアの控訴裁判所は、タンザニアを指定したARIPO商標登録について、タンザニア国内において直接権利行使することはできないとの判断を示した。
これを受け、FCCは当初、タンザニアFCC商標権登録申請について、タンザニア国内で登録された商標のみを対象としていた。
しかし、FCCは現在、この方針を変更し、「タンザニアを指定したARIPO商標登録」ならびに「外国で取得された登録商標」についてもタンザニアFCC商標権登録申請の根拠として受理することを明らかにしている。
ただし、申請者またはその代理人は、当該商標権の存在を証明するため、当該登録を所管する商標当局が発行した有効な登録証明書を提出する必要がある。
今回の明確化により、タンザニアにおける税関取締りを目的としてタンザニアFCC商標権登録を希望するブランドオーナーにとって、利用可能な選択肢が広がる可能性がある。
■タンザニア国内で出願中の商標について
タンザニアの商標登録機関であるBRELAにおいて商標出願が係属中である場合についても、FCCは以下のような一定の見解を示している。
タンザニア国内で出願された商標出願が公告されたことを示す証拠のみでは、タンザニアFCC商標権登録申請の根拠として不十分である。
一方、当該商標について、外国において対応する商標登録が存在する場合、またはARIPO商標登録が存在する場合には、その登録証明書をタンザニアFCC商標権登録申請の根拠として使用することが可能である。
なお、FCCは必要に応じて追加の証拠書類の提出を求めることがある。
■登録商標と未登録商標が併存する商品
タンザニアFCC商標権登録申請は、未登録商標を根拠として行うことはできない。
輸入商品に複数の商標が表示されている場合、表示されているすべての商標が登録されている必要はない。
したがって、商品に表示されているすべての商標についてタンザニアにおける登録を取得することがタンザニアFCC商標権登録申請の必須条件となるわけではない。
例えば、商品にハウスマーク、商品ブランドその他の複数の商標が表示されている場合、そのうち登録済みの商標を根拠としてタンザニアFCC商標権登録申請を行うことが可能である。
■ブランドオーナーへの実務上のポイント
FCCはARIPO登録および外国登録を考慮する姿勢を示しているものの、これまでに承認された申請は、タンザニア国内の商標登録に基づくものとみられる。
したがって、タンザニアにおける商標保護を確保し、タンザニアFCC商標権登録を取得するとともに、税関による取締りの機会を最大限に活用するためには、タンザニア国内で商標登録を取得することが依然として最も確実な方法である。
タンザニアに商品を輸入する企業は、変化しつつある制度の枠組みを最大限に活用できるよう、自社の商標ポートフォリオ、商標の記録状況および権利行使戦略を見直すべきである。
[出典:Spoor & Fisher]
- EUIPO:「OpenAI」欧州一般裁判所で敗訴2026.08.25
- 台湾:並行輸入と権利消尽の原則:国内外の商標権者が同一でない場合2026.08.25
- 韓国:韓国の知財権侵害に対する懲罰的損害賠償制度強化の動き2026.08.25
- イラク:ニース国際分類第11版への再分類に関する費用について2026.08.25
- タンザニア:公正競争委員会への商標登録制度が本格運用へ ― ARIPO登録・外国登録も受理対象に2026.08.25
- ベトナム:VAT(付加価値税)税率変更について2026.08.25
- 台湾:「商標の政府料金徴収基準」第2条改正案の予告について2026.08.12
- 中国:商標の類似性に関する一考察2026.08.12