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2013.08.13IP中国:商標法改正案に関する最新情報 他


中国:商標法改正案に関する最新情報

全国人民代表大会法律委員会は、常務委員会成員の審議意見及び各方面からの意見に基づき、「商標法」改正案をさらに修正した。

主な内容は下記の通り。

  1. 馳名商標の認定機構は商標局、商標評審委員会及び最高人民法院より指定された人民法院であると明確に規定した。
    また、馳名商標の濫用を回避するため、生産者、経営者は『馳名商標』という文字を商品、商品のパッケージ或は容器に使うこと、また宣伝、営業戦略及びその他の商業活動で使用することを禁止すると明確に規定した。
  2. 審査の期間に関する規定の追加。
    これは審査期間が長く不確定な現状に対して、今回初めて審査期限を明確にし、出願人及び権利人の利益を十分に考慮したからである。
    「商標登録出願は、商標局が出願書類を受領した日から、9ヶ月以内に審査を終えなければならない。再審の場合は、商標評審委員会が6ヶ月以内に裁定しなければならない。」などの規定が取り込まれている。
    また、改正案には無効及び取消手続に関する審査期限の関連規定もある。
  3. 商標権侵害賠償額の上限が引き上げられた。
    権利人の損失、侵害者が権利侵害による所得が確定することが難しい場合、侵害状況によって、裁判所が賠償額を決められるが、その侵害賠償額の上限は200万元に引き上げられた。これによって、商標権侵害のコストが上がり、権利人一層の保護と立証負担もある程度軽減できる。
  4. 単一色彩を商標として登録できるという規定を削除した。
  5. 商標代理事務所の業務を標準化するため、以下の新しい規定を追加した。
    出願人の商標が商標法の規定に基づいて登録できない可能性がある場合、代理人は明確に出願人に告知しなければならない。

    商標代理事務所は、依頼人が他人の商標を不正な手段により抜け駆け登録する或は他人の先行権利を侵害することを知る或は知るべきであった場合、その依頼を受けることを禁じる。

    商標代理事務所は代理サービスの商標以外、利益を求めるための商標の出願をすることを禁じる。

[出典:Kangxin Partners, P.C]


ハンガリー:商標法改正

ハンガリー知的財産権法複合改正の一環である、商標・地理的表示の保護に関する1997年法改正が2013年4月1日より発効された。

改正は国際条約・EU規則を実施するものであり、商標法制の大幅な改革を導入している。
以下が主な改正の概要である。

  • 国家の紋章登録制限の緩和
    一般的な原則として、国家の紋章を商標として登録することは禁じられている。
    しかしながら、管轄機関が認可した場合、他の規制又は保証を示す公的標識・ホールマークと同様、国家の紋章の一部若しくは全体からなる商標を登録できる。
    更に、規制や保証を示す公的標識・ホールマークは、当該標識等の本来の指定商品と同一・類似する場合のみ拒絶される。
  • 地理的表示を含む標識登録の制限
    改正により、地理的表示を含む標識の登録について更なる制限が加えられた。
    EU法下で商標として登録できない地理的表示から成る、或いは含む標識はハンガリーにおいても商標登録できないこととなる。
  • 名称の使用における商標保護の制限
    改正法では、自然人、法人その他機関は事業活動において合法的に使用している名称について、商標権者に対し異議申立をする権利を有する。
  • 商標保護の終了日
    遡及効のある商標取取消(不使用に基づく取消・識別力を失ったマークの取消等)について、商標保護は取消申請をした日或いは取消理由が生じた日付に遡及して取消される可能性がある。
  • 公開-個人情報の保護
    新規則では、手続中に提出された登録簿に記載されず、官報等で公開されなかった個人情報については、行政手続の一般規則による公的情報若しくは関係者の同意を得られた場合のみ公開される。
  • 決定の取下・変更
    当事者系でない特定の審理において、その決定自体に法律違反がなくとも、ハンガリー知的財産権局の同意がある場合、同局は決定の再検討の申請に基づき決定の取下・変更を行う権限を有する。
    決定が変更された場合、申立人・前決定が通知された関係者に対し、通知がされる。
  • 早期審査の為の出願料金支払期限の短縮
    早期審査手続において、早期審査費用・出願費用の支払は申請日より1ヶ月以内に行わなければならない。
    通常では、当該期限は出願日より起算して2ヶ月である。
  • 商標侵害への権利行使主張についての制限
    商標侵害において、被告が言及した場合、商標保護が終了する事由が存在していた期間については、損害又はその他の法的結果は適用されない。
  • 団体商標に関する改正
    団体商標以外のものと認識される等、消費者の混同を招く虞がある場合は適用されない。
    改正法では、団体商標の権利者は団体であり、団体の個人に限らず当該団体によっても使用されることを明確にしている。
    団体商標の使用法に関する変更は、ハンガリー知的財産局に申請し、承認を得なければならない。
    当該変更は登録された時から有効となる。
    変更の結果、当該商標が団体商標の法的基準に合わなくなった場合は登録できない。
  • 証明商標に関する改正
    証明商標の権利者は認証の為にそれらの商標を使うことはできないが、そのような使用を認可する権限を有する。
  • 電子出願の拡大
    2014年1月1日より、国際出願・それに関する申請は電子出願が可能となる。
    現在は国内出願のみ電子出願が可能である。

[出典:SD PETOSEVIC]


チュニジア:マドリット協定議定書への加盟

2011年12月27日号でもチュニジアがマドプロ加盟を目指すことをお伝えしたが、この度チュニジアのマドプロ加盟が決定した。

同国は2013年7月16日、世界知的所有機関(WIPO)に“標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書”への加盟を提出した。
マドリッドプロトコルは2013年10月16日より同国にて発効される。


[出典:WIPO]


ベラルーシ・モルドバ・ポーランド・ルーマニア・トルコ・ウクライナ:国際刑事警察機構(INTERPOL)侵害品防止活動へ参加

ベラルーシ・モルドバ・ポーランド・ルーマニア・ウクライナ・トルコ各国はヨーロッパでの侵害・密輸行為に対する防止活動に加わった。

国際刑事警察機構(INTERPOL)が“ブラックポセイドンII” と呼ばれる当該活動を指揮し、侵害品・不正品の大量押収と大規模な逮捕に成功した。

ポーランドでは、管轄機関により200人近く逮捕がされ、およそ2600万USドル(2000万ユーロ)に相当する不正貿易品が押収された。

ウクライナでは、管轄機関により地下組織の違法タバコ工場が発見され、25万箱の偽物タバコが押収された。

ルーマニアでは、管轄機関により約2200万本のタバコ、2150キロに相当する刻みタバコ、また密輸の為に利用されていた136台の車両が押収された。

トルコでは、3000人以上が逮捕され、約1200万パックの密輸タバコが押収された。

同様の活動がアフリカ・アジア・アメリカでも行われている。合計で2400万個、1億3300万ドル(1億100万ユーロ)に相当する侵害品が押収された。

当該活動は2012年6月に開始された国際刑事警察機構(INTERPOL)の不正品・侵害品の不正取引防止活動の一環である。


[出典:INTERPOL]


中国:最高法院が判決不履行者のリスト公表に関する司法解釈発表

中国の最高人民法院はかつて債務不履行者のブラックリストを公開する等、執行業務の効率向上と司法権威の維持をめざし、積極的に執行回避を取り締まってきたが、近年の知的財産権関連事件の増加に伴い、敗訴者が判決を履行しない「執行難」に関して、2013年07月19日付で「判決を履行しない者のリスト情報の公開に関する若干規定」を発表した。

判決の執行を拒む被執行者の名称などの情報を各級の裁判所が最高法院のデータバンクに入力し、インターネットや新聞、ラジオ、テレビ、記者会見などの方法で定期的に公開することになる。
同「若干規定」は今年10月1日より施行する。


[出典:Searchina]


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