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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2013.10.08IP日本:改正著作権法施行 他


日本:改正著作権法施行

改正著作権法の一部が、10月01日に施行された。

今回の改正法は主に①「写り込み」、②国会図書館による図書館資料の自動公衆送信、③公文書等の管理に関する法律等に基づく利用、④著作権等の技術的保護手段、⑤違法ダウンロードの刑事罰化に係る規定の整備を目的とする。

改正法は2015年01月01日に施行される予定だが、うち⑤については今月1日からの施行となった。

今回の改正では違法ダウンロード行為に対する罰則(違法ダウンロード刑事罰化、第119条第3項)の他にDVDに用いられる「CSS」などの暗号型技術を回避して行う複製が違法(DVDリッピング規制)となった。

違法ダウンロード刑事罰化は、違法にアップロードされた有償の音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為に対して、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、あるいは併科される。
また、DVDリッピング規制が著作権法に盛り込まれたことにより、購入・レンタルした映画などのDVDを空のDVDにコピーしたり、映像をスマートフォンやタブレット端末に取り込む行為も違法となる。
ただし、罰則は設けられていない。

尚、第119条第3項は親告罪とされており、著作権者からの告訴がなければ公訴は提起されない。


[出典:文化庁]


ベトナム:知的財産権侵害の処罰に係る施行細則の改正

ベトナム政府は2013年08月28日付で政令第99/2013/ND-CPを公布し、2013年10月15日より施行される予定である。

これは知的財産権侵害に関する行政処罰に係る施行細則の改正であり、以下の内容となる。

  1. 罰金の増加
    個人に対しては最高VND2億5千万(USD11900)、法人に対しては最高VND5億(USD23800)までに引き上げられた。
  2. 行政機関の権限強化
    知的財産権の行政処罰に係る行政機関が科せる罰金の上限を引き上げ、更に幾つかの機関には新たなレイドの権限を付所した。
  3. ドメインネームと商号
    改正細則では不正なドメインネームの自発的取下について、当該手続に係る期間を短縮し、不正な商号について、自発的取下を行わなかった場合の罰則を強化した。
  4. 委任状
    行政手続に関する委任状の書式を簡素化した。

[出典:Tilleke & Gibbins]


フィリピン:著作権法改正

フィリピンは2012年07月23日付で共和国法第10372号を採択し、2013年03月22日付で共和国法第8293号の一部、著作権について以下のように改正した。

  1. 以下の者に対して実損を請求できる。
    • 直接の侵害者
    • 第三者の侵害行為から利益を受ける者(当該行為が侵害にあたると知らされており、第三者の活動を管理する能力と権限を有している場合)
    • 侵害行為を知っており、第三者の行為に対する侵害を援助する者

    侵害行為から利益を受けるとは、例えばショッピングモールにおいてテナントが海賊版のDVDを販売し、モールの管理者がその事実を知っている場合等が挙げられる。
    この場合、モールの管理者は侵害者が支払うテナント料を受けており、即ち侵害行為から利益を受けているとみなされる。
    しかし、侵害行為を知っていたかどうかに関しては、例えば事前に警告状を送付し、一定の対応期間を与えられていた等の事実が必要となる。

  2. 著作権局の設立
  3. 公正な使用の拡大
    改正法では、盲人及び視覚障碍者の著作物の非営利目的の制作を認めている。
  4. 著作権保護技術と管理の強化
    これはWIPOの著作権条約とWPPT(WIPO実演・レコード条約)と内容を調和させるものである。

[出典:Romulo Mabanta Buenaventura Sayoc &De Los Angeles]


サウジアラビア:オンライン出願受付開始

サウジアラビアは商標のオンライン出願制度を開始すると発表した。
このシステムは未だテスト段階であり、限られた代理人のみ使用可能である。


[出典:Abu-Ghazaleh Intellectual Property]


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