2022.02.08IP中国:商標の一般的違法に関する判断基準を通知
中国:商標の一般的違法に関する判断基準を通知
中国国家知識産権局(CNIPA)が「商標の一般的違法に関する判断基準」を発行した商標の管理を強化し、法執行の基準を統一し、法執行の実務能力を向上させるため、中国国家知識産権局 (CNIPA)が、「中国商標法」、「中国商標法実施条例」などの規定に基づき、「商標の一般的違法に関する判断基準」を制定した。
当該基準は全 35 条で構成され、商標法及び関連法規に定められている規定を参照し、違法と判断される基準を明確にしている。
以下は実務と関連性の高い条目をご紹介する。
第 3 条 本基準にいう商標の一般的違法行為とは商標管理秩序に違反する行為を指す。
次の各号のいずれかの行為があった場合はすべて本基準にいう商標の一般的違法行為とみなす。
(一)商標法第六条の規定に違反し、登録商標の使用が必須であるにもかかわらず使用しなかった場合。
(二)商標法第十条の規定に違反し、商標として使用してはならない標識を使用した場合。
(三)商標法第十四条第五項の規定に違反し、商業活動において 「馳名商標」の字句を使用した場合。
(四)商標法第四十三条第二項の規定に違反し、商標使用の被許諾者がその名称と商品の産地を表示していなかった場合。
(五)商標法第四十九条第一項の規定に違反し、商標権者が登録商標の使用において、登録商標、権利者の名義、住所、又はその他の登録事項を自ら変更した場合。
(六)商標法第五十二条の規定に違反し、未登録の商標を登録商標と偽って使用した場合。
(七)商標法実施条例第四条第二項及び「団体商標、証明商標の登録・管理弁法」第十四条、第十五条、第十七条、第十八条、第二十条、第二十一条の規定に違反し、団体商標と証明商標の管理義務を履行しなかった場合。
(八) 「商標印刷管理弁法」第七条~第十条の規定に違反し、商標印刷管理義務を履行しなかった場合。
(九) 「商標登録出願行為の規範化に関する若干の規定」第三条の規定に違反し、悪意のある商標登録出願をした場合。
(十)その他の商標管理秩序に違反した場合。
第 4 条 「商標法」第六条、「煙草専売法」第十九条、「煙草専売法実施条例」第二十二条および第六十五条の規定により、紙巻きたばこ、葉巻、包装されている刻みたばこ及び電子タバコ等新型煙草製品は、登録商標の使用が必須であり、中国で登録されていないものは、中国で製造、販売してはならない。
中国で販売する輸入紙巻きたばこ、葉巻、包装されている刻みたばこ及び電子タバコ等新型煙草製品は、中国で登録された商標を使用しなければならない。
第 5 条 使用する未登録の商標が商標法第十条第一項の規定に違反するか否かは、通常、中国国内の公衆の一般的な認識を判断基準とする。
ただし、使用する未登録の商標が同条第一項第六号~八号の規定に違反していると中国国内の特定の公衆が判断していることを、十分な理由により証明できる場合は除く。
第 6 条 使用する未登録の商標が商標法第十条第一項に規定の同一又は類似に該当するか否かは、「商標審査審理指南」を参照して判断する。
第 7 条 商標法第十条第一項第六号に規定の民族差別扱いの性質を有するものとは、使用する未登録の商標の文字、図形、又はその他の構成要素が特定の民族を貶し、貶める内容またはその他の当該民族を不平等に扱う内容を有することをいう。
第 8 条 商標法第十条第一項第七号に規定の欺瞞性を有するものとは、商標がそれを使用する商品又は役務の品質等の特徴若しくは産地についてその固有の程度を超えた又は事実と異なるものを示し、公衆がその商品若しくは役務の品質等の特徴又は産地について誤った認識を容易に生じるものをいう。
ただし、日常生活の経験等により、商品若しくは役務の品質等の特徴又は産地について、公衆が誤った認識を生じないものは除く。
第 9 条 使用する未登録の商標が次の各号のいずれかに該当する場合は、商標法第十条第一項第七号に規定の欺瞞性を有するものとみなす。
(一)商品又は役務の品質、主要原料、機能、用途、重量、数量、及びその他の特徴について誤認を生じさせやすいもの。
(二)商品又は役務の出所について誤認を生じさせやすいもの。
(三)その他のそれを使用する商品又は役務の品質等の特徴若しくは産地についてその固有の程度を超えた又は事実と異なるものを示し、誤認を生じさせやすいもの。
第 18 条 商標法第四十九条第一項にいう登録商標を自ら変更するとは、商標権者が勝手に登録商標の文字、図形、アルファベット、数字、3D 標識、色の組み合わせ、音声などの構成要素を部分的に変更したり、相対的な位置を変えたりして、登録商標に対する認知又は識別を影響したが、依然として「登録商標」又は商標登録表示を明示することをいう。
第 20 条 次の各号のいずれかに該当する場合は、すべて商標法第四十九条第一項に規定の商標登録の登録事項を自ら変更する行為とみなす。
(一)商標権者の名義 (氏名又は名称)に変更があった後、法に基づき国家知識産権局へ変更申請をしなかった場合。
(二)商標権者の住所に変更があった後、法に基づき国家知識産権局へ変更申請をしなかった、又は商標権者の実際の住所と「商標登録簿」に記載の住所とが一致しない場合。
(三)商標権者の名義、住所以外のその他の登録事項に変更があった後、権利者が法に基づき国家知識産権局へ変更申請をしなかった場合。
第 22 条 商標法第五十二条にいう登録商標と偽る行為とは、未登録の商標を使用する商品、商品の包装、容器、役務の提供場所及び取引書類又は広告 ・宣伝、展示及びその他の商業活動において、「登録商標」と明示し、又は未登録の商標に商標登録表示を記載し、又は未登録の商標に商標登録表示に近似する記号を表示し、関係する公衆を誤解させることをいう。
第 23 条 商標権者又は使用者に次のいずれかに該当する行為があった場合は、すべて商標法第五十二条に規定の登録商標と偽る行為とみなす。
(一)国家知識産権局に登録出願をしていない商標を使用し、かつ 「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載する場合。
(二)国家知識産権局に登録出願をしたが拒絶査定とされた又は登録が許可されていない商標を使用し、かつ「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載する場合。
(三)登録商標が取消とされ、無効とされ、期間満了後更新しなかったことにより抹消され、又は抹消申請が許可された後も、継続して 「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載する場合。
ただし、登録商標の失効より前に流通している商品は除く。
(四)登録商標として使用が許可された商品又は役務の範囲を超えてその商標を使用し、かつ「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載する場合。
(五)登録商標の顕著な特徴を変更した後も 「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載する場合。
(六)二つ以上の登録商標を組み合わせて使用し、かつ商標登録表示を記載しているが、登録商標毎に商標登録表示を記載していない場合。
(七)「登録商標」と明示し又は商標登録表示を記載した輸入商品について、その商標が中国で登録されておらず、かつ声明していない場合。
商標権者又は使用者による上述の行為は、同時に商標法第五十七条に規定の他者の登録商標専用権の侵害を構成する場合、商標法執行担当部門は商標法第六十条第二項の規定に基づき調査、処分する。
犯罪が疑われる場合は、法に則って処理するため、速やかに司法機関に移送しなければならない。
出所:CNIPA
[出典:中国北京路浩国際特許事務所]