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2022.03.08IPタイ:文字と数字で構成される商標に関する新審査基準


タイ:文字と数字で構成される商標に関する新審査基準

知的財産局は、文字と数字で構成される商標を含む審査における、審査官のための審査基準の新マニュアル(以下「新基準」とします。)を発行した。
新基準は、2022年1月17日より施行される。

これまで、文字や数字で構成される商標(母音のない商標を含む。)は、固有の識別性があるとは見なされず、文字または数字が「十分に」デザイン化された様式で表されていない限り、登録できないのが一般的であった。
新基準によると、特定の順序で配置されておらず、かつ文字または数字自体の読み方(発音)でなければ、少なくとも3文字または3つ以上の数字で構成されている商標は、デザイン化された様式で表されているかどうかに関わらず、独創性のある文字または数字と見なされ商標法第7条第2段落(4)に基づき登録を受けるのに十分な識別性を有すとされる。

新基準は、商標法第7条第2段落(4)のもと固有の識別性を持ち、かつ独創性があると認められる文字または数字で構成される商標の判断基準を次のように規定している。

1) 少なくとも3文字または3つ以上の数字で構成されている商標であること
2) 特定の順序で並べられていない文字または数字を使用していること
3) 文字または数字自体の読み方(発音)ではない文字または数字を使用していること
4) 文字または数字が商標法第7条第2段落(2)規定の記述的な単語やフレーズではないこと

結論:
新基準では、少なくとも3文字または3つ以上の数字で構成される商標は、それらが特定の順序で配置されておらず、文字または数字自体の読み方(発音)でない場合は、該当文字または数字がデザイン化された様式で表されているかどうかに関係なく、登録の要件を満たす十分な独創性と識別性があると見なすことができる。

「htc」、「145」のように、特定の順序で並べられていない商標は独創性と識別性があると認められる可能性がある。
「ABC」、「123」のように、特定の順序で配置されている商標には独創性や識別性がない。
「ワン、トゥー、スリー」「ワン、フォー、ファイブ」のように、文字または数字の読み方や発音には独創性や識別性がない。

ただし、文字または数字で構成される商標は、商標法第7条第2段落(2)のもと識別性があるかどうか(記述性)についても考慮する必要がある。
新基準では、以下はデザイン化された様式で表現されていても独創性や識別性がない旨指摘されている。

・食品サプリメントや飲料の商品に「B12」などのビタミンの名称を使用すること
・肥料の商品に窒素、リン、カリウムの略語である「N」、「P」、「K」などの主な栄養素の名称を使用すること
・衣類に「XXL」、女性用下着に「34B」などの商品のサイズを使用すること
・たばこに「200」などの数量を使用すること
・コンピュータデータ保存用デバイスに「32G」などのメモリーサイズを使用すること


[出典:Kasame & Associates Co., Ltd.]


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