2023.06.27IPサウジアラビア:商標登録取消請求について
サウジアラビア:商標登録取消請求について
サウジアラビアでは、商標法第22,23,24条に基づき以下の場合について商標登録の取消を請求することができる。
a. 商標の所有者が、正当な理由なく5年間連続して、その商標を使用していない場合。
b. 公序良俗に反する行為、不正・不当な行為(悪意)、詐欺行為、虚偽の情報提供により商標登録された場合。
原則として、サウジアラビアでは取消訴訟は一般的ではない。
勝訴するためには、商標法第22,23条で述べられるような確固たる証拠が求められる。
もし、対象登録商標の現在の所有者が詐欺や虚偽の情報によってその商標登録を得たとして取消訴訟を行う場合、その登録商標の周知性(サウジアラビアおよび全世界)を証明できる証拠資料や、登録商標の所有者と以前に何らかの関係があったことを示す資料(契約、ライセンスなどの文書)があれば、訴訟の成算は見込めるだろう。
なお、商標法第22条によると、サウジアラビアで不使用または不誠実な登録に基づく取消訴訟を開始するには、商標権利者に予告通知を送付する必要がある。
この書簡は、現在の商標権利者の情報が司法省の電子プラットフォームで利用可能である場合、同プラットフォームを通じて直接送信されなければならない。
しかし、情報がプラットフォームからアクセスできない場合は、サウジアラビアの現地代理人を通じて書簡を送付する必要がある。
書簡の目的は、現在の商標権利者の商標に対する差し迫った取消訴訟について通知することである。
書簡の受領後、権利者は15日間の応答期間を有するが、この期間内に応答がない場合、取消訴訟が開始される可能性がある。
[出典:Abu-Ghazaleh Intellectual Property (AGIP) Saudi Arabia Office,H&H IP LAW]