2023.10.11IPジャマイカ:改正商標規則2023年9月30日から施行予定
ジャマイカ:改正商標規則2023年9月30日から施行予定
2022年3月27日にジャマイカでマドリッド協定議定書が発効となり、マドリッド制度を利用した国際登録出願においてジャマイカを指定することが可能になったことを受け、手続きおよびそれに対応するオフィシャルフィーなどの商標規則の改正が求められていた。
ジャマイカのブランドオーナーはマドリッド制度を活用して100以上の国や地域への国際商標出願が可能となっている。
今回の改正の注目すべき点は、商標出願に関するオフィシャルフィーが全面的に引き上げられたこと、早期審査申請手続きが導入されたこと、非伝統的商標を出願する際の形式的要件が定められたことである。
■国際登録出願
改正商標規則はジャマイカを指定国とする国際登録出願およびジャマイカの商標登録を基礎とする国際登録出願に関する手続きについて規定している。
改正商標法の第26L条に基づく国際登録の変更から生じる商標出願、および同法第26O条に基づき登録簿に国際登録を記録するよう登録官に請求する際に使用する新しい書式が提供された。
また、国際登録の審査手続きに関する一定の期限を規定し、国際登録の分割および合併手続きについても示している。
■オフィシャルフィーの引き上げ
2023年9月30日から、ジャマイカ国内商標出願全般に関するオフィシャルフィーが引き上げられる。
ジャマイカにおいてオフィシャルフィーが値上げとなるのは、過去10年以上においてはじめてのことである。
新たなオフィシャルフィーは、国際的に標準的な価格帯と同水準である。
2023年9月30日より前に出願された商標は、たとえ公告及び登録料の納付が2023年9月30日以降になる場合であっても、改正規則施行前の料金体系に従って処理される。
■早期審査
改正規則は、新規商標出願について早期審査を請求することを認めている。
また、追加料金を支払うことで、他の種類の出願や申請についても早期審査を請求することが可能となる。
出願時に早期審査を請求した場合、単区分(シングルクラス)の商標出願費用は約2倍になる。
早期審査を請求した商標出願の審査がどの程度迅速に行われるかはまだ不透明だが、現在通常出願の審査は一般的に約6か月以上の期間を要している。
■非伝統的商標
非伝統的商標(立体商標、色彩商標、音商標、地模様商標、触覚商標、味商標、匂い商標、ホログラム商標、マルチメディア商標など)の商標出願を検討しているブランドオーナーは、具体的には、音声ファイル(音商標の出願)、動画ファイル(ホログラム商標の出願について)、音声動画ファイル(マルチメディア商標の出願について)の受理を定めた改正規則の最新の書式要件に留意すべきである。
匂い商標および味商標の出願においては、匂いや味を構成する化学式を出願時に含めることができるようになる。
なおジャマイカの商標法では商標を図案化することが要求されており、これはどの商標においても引き続き一般的な要件である。
また、改正規則においてカラークレームを行う場合、国際的に認知されたパントーンなどの色識別システムを参照し色指定を行うことが要求される。
形式的な要件がより明確化されたことにより、非伝統的商標がどれほど出願されるか注目である。
[出典:Ogier]