2023.12.26IPモザンビーク:Whirlpool社異議申立て事例
モザンビーク:Whirlpool社異議申立て事例
Mozambique Commercial LDA(以下「出願人」と称する)が出願した第11類の商標「WESTPOOL」のロゴ(以下参照)の登録に関して最近争われた異議申立の事案において、モザンビーク商標局(Mozambican Trade Mark Registry)は異議申立人である米国の家電メーカーWhirlpool Properties Inc. を有利とする判断をおこなった。
出願人はモザンビークの商業地であるマニカ(Manica)を拠点とする企業で、多彩な商品の卸売業者として活動している。
異議申立人は周知商標「WHIRLPOOL」に関する国際的な権利を有しており、世界屈指の大手家電メーカーのひとつとして、家電、キッチン家電、洗濯機など多種多様な家電および製品を市場に提供している。
異議申立人はモザンビークにおいて文字商標「WHIRLPOOL」の登録を有するとともに、きわめて認知度の高い周知商標「WHIRLPOOL」の図案も複数登録している(以下参照)。
これらの商標はすべて第11類に登録されている。
出願人は「空調装置および冷却装置」に関して商標「WESTPOOL」の登録出願を行ったが、登録の対象となった商品は異議申立人の商品と明らかに重複していた。
商標「WESTPOOL」は「WHIRLPOOL」の商標にあまりにも似すぎている、と異議申立人は主張した。
特に、出願人が求める登録が異議申立人の主力商品であり、異議申立人が世界中で「WHIRLPOOL」の商標を使用してきた商品であるという事実を考えた場合、両者の商標が酷似していることは問題である。
出願人は、異議申立に対する答弁書を提出せず、本案の審理を担当した商標登録局は異議申立人に有利な判断を示した。
その結果、権利侵害に相当する問題の出願は取り下げられたものと見なされることとなった。
審決書の中で、審査官は、異議申立人「WHIRLPOOL」の製品や商標を既に知っている人々が出願人の商標「WESTPOOL」に遭遇した場合、誤認が生じる潜在的な危険性が存在すると結論している。
つまり、異議申立人の商標が備えている識別力の「詐取」(defrauding)が生じる恐れがあると結論づけている。
審査官はさらに、出願人がいかなる形であれ「WESTPOOL」の商標を使用すれば、その使用は不正競争行為に相当する可能性が高いだろうと指摘した。
この点もまた、問題の商標出願が拒絶される根拠となった。
[出典:Adams & Adams]
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