IPニュース IPニュース

商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2024.01.23IPベトナム:異議手続きおよび第三者意見提出に関する改正


ベトナム:異議手続きおよび第三者意見提出に関する改正

ベトナムでは知的財産法の改正が行われ(第23号/2023/TT-BKHCNおよび第65号/2023/ND-CP)2023年11月30日に公布された。
中でも知的財産法第112条に基づく異議申立手続きに関する改正が注目されている。
ここでは、その詳細とベトナムにおける異議申立手続と第三者意見提出(Third-party observation)の違いについて解説する。

1.異議申立と第三者意見提出のメカニズムの違い
・法的根拠
異議申立:改正知的財産法第112条a
第三者意見提出:改正知的財産法第112条

・申請期限
異議申立:商標公告日から5ヶ月
第三者意見提出:商標出願公告から登録査定まで

・費用(オフィシャルフィー)
異議申立:1商標1区分につきVND550.000
第三者意見提出:当局費用無し

・必要書類
異議申立:ベトナム語の申請書面。追加資料は他の言語でも提出可能だが、ベトナム当局が要求した場合ベトナム語への翻訳が必要となる。
第三者意見提出:ベトナム語の申請書面。

・手続き
異議申立:実体審査期間中に出願審査とは独立した手続きとして行われる(詳細は下記2.参照)
第三者意見提出:実体審査期間中に行われる(審査官への情報提供のみが行われる)

2.ベトナムにおける異議申立手続の詳細
ベトナム当局は異議申立書受理後に、異議申立理由を審査する。
出願商標が引用商標と同一または紛らわしいほど類似していることが明白である場合、当局は出願商標の実体審査手続内で異議申立を処理する。
異議申立が商標出願の権利に基づく場合、当局はその案件を検討し、異議申立人に裁判所に訴訟を起こすよう通知する。
異議申立が登録権に関するものである場合、当局は異議申立人に対し、2ヶ月以内に裁判所に訴訟を提起し、裁判所の受領書を当局に提出するよう速やかに通知する。
これに従わない場合、異議は取り下げられたものとみなされる。
上記以外の場合、当局は出願人に異議申立を通知し、出願人が反論をするために2ヶ月を設定する。
出願人の反論を受領した場合、当局はその内容を異議申立人に通知し、異議申立人の反論のためにさらに2ヶ月を設定する。
当局は、事件の争点を明確にするために、当事者間の面談を手配することもある。
異議申立人は、出願商標の実体審査の結果とともに、異議申立の審決を受領することとなる。

現行の運用においては、異議申立は、抵触する出願商標の登録を阻止する上で、第三者意見提出よりも強力かつ効率的であると我々は考える。
現在、係属中の商標に対する異議申立には一定の期限が設けられている。
このため、商標権者は、ウォッチングサービスを強化し、知的財産弁護士と十分に相談し、期限内に抵触商標出願に対する異議申立書を提出することが推奨される。


[出典:Vision & Associates]


IPニュースの定期購読

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。
購読をご希望の方は下のボタンからお申込みください。