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2024.06.25IPオーストラリア:商標に関する規制の変更について


オーストラリア:商標に関する規制の変更について

オーストラリアでは既存の商品役務のリストをマドリッド商品役務リスト(Madrid Goods and Services)に置き換えることを正式に決定し、2024年3月より施行されている。
さらに、知的財産法改正に基づき、オーストラリアの商標法をマドリッドの審査システムに合わせるため複数の変更を行うことが決まり、2024年5月17日より実効されている。

重要な変更点は下記3点である。
・NICEクラスヘディング(包括見出し)
・グレースピリオド(商標更新猶予期間)
・局指令応答期限の延長請求

・NICEクラスヘディング(包括見出し)
1995年商標法に記載されている商品役務については、NICE国際分類のクラスヘディング(包括見出し)と整合するように改正され、オーストラリアはマドリッドシステムと連携することになった。

・グレースピリオド(商標更新猶予期間)(注:オーストラリア商標法第80G条の変更)
これまでオーストラリアでは商標が失効する前に更新されなかった場合、状況によっては10ヶ月のグレースピリオドが与えられ、その間に商標を更新することができた。
しかし2024年5月17日以降、この10ヶ月のグレースピリオドは6ヶ月に短縮されることとなる。
権利者は商標権維持のため、商標の更新期限を把握し、速やかに更新申請を行う必要がある。

・局指令応答期限の延長請求
出願中に審査官から局指令が通知された場合、その局指令に対する回答期限を延長することができるようになった。
延長申請は、審査官の局指令通知(Examiner’s Assessment Report)への回答期限から2ヶ月以内に延長の請求を行う必要がある。
延長は下記事由に該当する場合でないと請求することができない。

・延長請求者、請求者の代理人、登録機関、または職員による過失または不作為があった場合
・請求者の管理能力を逸脱した事情がある場合
・延長を認めることが妥当である特別な事情がある場合

さらに、商標公報については2024年5月17日以降、IP AustraliaのウェブサイトとAustralian Trade Mark Searchのウェブサイトで情報公開されることとなり、一般市民がよりアクセスしやすくなる。
こうした変更により、今後商標に関連するすべてのやり取りが、オーストラリア商標登録簿の記録と連携し、より利便性が高まることも予想される。


[出典:Macpherson Kelley]


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