ソマリアはさまざまな分野で大きな変革期を迎えており、顕著な経済成長と発展を遂げている。
主要航路の合流点に位置する地理的優位性と豊富な天然資源の存在が、商業活動においてかつてない機会をもたらしている。
●ソマリア知的財産庁（SIPO）の再開
ソマリアの経済情勢における極めて重要な出来事は、長年閉鎖されていた知的財産庁（SIPO）が2021年初めに業務再開したことである。
SIPOの再開により、企業はソマリア国内において商標を正式に登録し保護することができるようになった。
ソマリアでは新たな知的財産法の制定が待ち望まれているが、現在のところソマリアが連邦共和国となる前の知的財産法が商標登録に適用されている。
この枠組みでは、ニース国際分類第10版に基づく商標出願が認められている。
出願後、商標は絶対的および相対的理由に基づき審査され、公告後は公告日から45日間の異議申立期間が設けられる。商標の保護期間は出願日から10年間であり、更新することで権利維持が可能である。
●商標保護の必要性
経済成長を遂げるソマリアにおいて、知的財産権、特に商標権の保護は非常に重要である。
新興市場であるソマリアやアフリカで足場を固めようとする企業にとって、しっかりとした商標戦略が不可欠である。
登録商標はブランドアイデンティティの要であり、製品やサービスを競合他社と差別化する役割を持つ。
名前、ロゴ、スローガンといったブランド要素の不正使用を防止することは、消費者の信頼やロイヤリティの維持につながる。
さらに、商標の保護は、ブランドの評判や市場におけるシェアを低下させる模倣品への対抗策として重要な役割を果たす。
ソマリアへの投資を検討している企業にとって、商標権の確保が最重要課題といえる。
登録商標はブランド開発への投資を保護するだけでなく、企業の資産価値も高める。
（知的財産権の）係争や侵害が発生した場合、登録商標を持っていれば、商標権を行使し、より優位な立場で適切な措置や保護を求めることができる。
●チャンスをつかむには
SIPOの再開は、成長を続けるソマリア市場において、企業が確固たる基盤を確立するためのまたとない機会である。
早期に商標登録を図ることで、企業は競争における優位性を獲得し、ソマリアの発展とともに知的財産権を保護していくことができるだろう。