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2025.12.09IPオーストラリア:商標規則改正が承認


オーストラリア:商標規則改正が承認

オーストラリアの商標制度は、今後の法改正により国際基準との整合性が維持される見込みであり、審理および異議申立手続の一部も改善される予定である。
これらの変更は、大多数の利用者にとって影響が最小限にとどまると考えられている。
政府は先日、「商標改正(国際登録、審理および異議申立)規則2025」を承認し、これにより1995年商標規則の一部が改正された。
本改正は二段階で施行され、経過措置も設けられる。

■ 11月19日からの主な変更点
● 代替(Replacement)手続の拡張
登録商標の「代替」手続について、従来の完全代替に加え、部分的な代替も可能となる。
代替は同一の権利者が保護されている国際商標(マドリッド制度による国際登録商標)と同一商標かつ、それよりも優先日の早い国内登録商標の双方を保有している場合に限り、例外的に認められる制度である。
制度の詳細は世界知的所有権機関(WIPO)が提供する資料(Madrid System: Managing International Trademark Registrations – Discover "Replacement")を参照されたい。
● IRDA(国際登録のオーストラリア指定)の査定撤回に関する新ルール
審査官は、オーストラリアを指定した国際登録(IRDA)が保護される前であれば、その「登録査定」を撤回する権限を持つようになる。
取消予備通知が発せられた場合、IRDAの自動保護は一時的に停止され、権利者には審査官に応答し主張を行う機会が与えられる。

■ 12月19日からの主な変更点
● 防御意思通知(Notice of Intention to Defend)の期間延長
異議申立てへの防御意思通知の提出期限が、従来の1か月から2か月へ延長される。
本措置は12月19日以降に公告された案件に適用され、具体的な期限は庁からの通知書に明記される。
● ヒアリング請求時の出願受理期間の自動延期
ヒアリング(口頭審理)が請求された場合、商標出願の受理期間(acceptance period)を延期できるようになる。
これにより、受理期限の直前にヒアリングを請求する場合でも、出願人が別途期限延長申請を行う必要はなくなる。
出願の受理は、ヒアリングが終了するまで自動的に延期される。
なお、12月19日以前に請求されたヒアリングは本措置の対象外である。

これらの改正は、オーストラリアの商標制度を国際的要件に引き続き適合させるとともに、規制の簡素化を通じて生産性の向上を図る政府の取り組みに寄与するものである。


[出典:IP Australia]


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