2026.08.12IPアルゼンチン:商標・知財権の名義変更および譲渡登録手続の要件を緩和
アルゼンチン:商標・知財権の名義変更および譲渡登録手続の要件を緩和
アルゼンチン産業財産庁(INPI)は、決議第162/2026号(スペイン語のみ)を公布し、産業財産権に関する権利譲渡および名称変更の登録手続に関する要件を見直した。
主な改正内容
1.アポスティーユ・領事認証が不要に
今回の改正の最大のポイントは、外国で発行された譲渡証書や名称変更を証明する書類について、アポスティーユまたは領事認証が不要となった点にある。
これにより、譲渡手続および名称変更手続に係る負担の軽減が期待される。
ただし、この緩和措置は譲渡登録および名称変更登録に限定されており、その他の知財手続については従来どおりの要件が維持される。
2.スペイン語翻訳要件は継続
提出書類については、引き続きスペイン語による提出が求められる。
そうでない場合は、提出書類に対し以下対応が必要となる。
•公認翻訳者によるスペイン語翻訳
•翻訳文の認証
特に名称変更手続では、外国語による公的証明書類について翻訳および認証が必須となる。
一方、譲渡証書については、スペイン語またはバイリンガル形式で作成されていれば翻訳を省略できる。
ただし、公証部分がスペイン語以外で記載されている場合は、その部分の翻訳および認証が必要となる。
3.委任状の要件は変更なし
今回の改正は、委任状に関する要件には影響しない。
委任状については従来どおり、
•公証
•アポスティーユ取得
が必要となる。
また、譲渡手続および名称変更手続においては、新権利者名義の委任状が求められる。
4.宣誓供述書としての提出
新規則では、提出される情報や書類はすべて宣誓供述書と同等の効力を有するものとされた。
これにより、提出者は書類の真正性および内容の正確性について責任を負うこととなる。
もっとも、現時点では虚偽申請などに対する具体的な制裁措置は規定されていない。
5.譲渡手続申請者の範囲を拡大
譲渡手続については、以下のいずれからも申請できることが明確化された。
•譲渡人(Assignor)
•譲受人(Assignee)
6.第三者対抗要件の発生時期を変更
譲渡手続の効力について、第三者に対する対抗力の発生時期が見直された。
従来は登録決定日から効力が発生していたが、改正後はINPIへの登録申請日から第三者に対する効力が発生する。
7.拒絶前の補正機会を新設
INPIから不備や局指令が通知された場合、直ちに却下するのではなく、関係当事者に書類を補完・補正する機会を付与する制度が導入された。
実務上の影響
本改正により、アルゼンチンにおける譲渡手続および名称変更手続への負担は軽減される。
特に、外国で発行された証明書類については、認証取得に要するコストや時間の削減が期待される。
一方、スペイン語翻訳要件および委任状の公証・アポスティーユ要件は引き続き維持されるため、関連手続を進める際には留意が必要となる。
[出典:Estudio Marcelo L. Berti]