2018.12.11IPイギリス・EU:交渉官レベルで離脱協定案合意
イギリス・EU:交渉官レベルで離脱協定案合意
2018年11月14日、イギリスと欧州委員会は、交渉官レベルで合意したとされるイギリスによる欧州連合(EU)離脱に係る協定案(「離脱協定案」)を公表した。
公表された離脱協定案は、欧州議会や英国議会で承認されたものでもなく、あくまで交渉官レベルで合意されたものではあるものの、イギリスによるEU離脱期限が迫るなか、イギリスとEU間の離脱協定の意思を示した内容として重要である。その主な内容は以下の通り。
移行期間に関する措置について、移行期間は2020年12月31日までとされ、また、移行期間の延長を可能とする規定も盛り込まれている(離脱協定案第126条及び第132条)。
知的財産について(離脱協定案第54条から第61条)、EU商標、共同体意匠、共同体植物品種権に関し、移行期間終了日までにこれらの権利を既に登録している場合、移行期間終了後も何ら手続及び費用を求められることなくイギリスにおいて権利行使可能な対応する権利として引き続き保護される。
移行期間終了時点において係属中となっている出願に対しては、移行期間終了後一定期間(EU商標及び共同体意匠は9か月以内、共同体植物品種権は6か月以内)であればイギリスで同様の出願を行う権利を有し、その出願日等については、EU商標、共同体意匠、共同体植物品種権の出願日等と同日とみなされる。
この離脱協定案の知的財産関連規定が欧州議会と英国議会で承認されれば、EUレベルで保護されている知的財産権について、移行期間終了後もイギリス国内で引き続き同様の保護が得られるようになる。
合意案についての原文は以下で確認できる。
https://ec.europa.eu/commission/sites/beta-political/files/draft_withdrawal_agreement_0.pdf
[出典:bloomberg]