2019年12月26日、大統領令229号が公布され、知的財産権侵害に係る小規模事業者に対する行政手続が制限されることになった。これに伴い、これらの事業者に対する摘発等が2020年01月01日から2023年01月01日まで制限されることになる。
カザフスタン政府はこの処置は、同国の小規模事業者を保護するものであると説明しているが、侵害に対する有効な対応策である摘発が制限されることから、商標権者にとって非常にネガティブな影響を及ぼすことが懸念される。
一定状況下、侵害事件の調査は行われるが、少なくとも商標権侵害に対する調査は完全に禁止されている。
カザフスタンで実際に侵害に係る活動を行っているのは、小規模事業者（年間従業者数100人未満）であり、また中規模事業者に該当するものであってもこの大統領令を受けて小規模事業者に再編成することも考えられる。
カザフスタンのIP関連事務所は早速合同で大統領に商標権侵害について、今回の大統領令から適用除外するよう求めたが、現在のところまだ回答がないという。