2020年05月28日に北京で行われた第13期全国人民代表大会第3回会議の閉幕会議で、民法典草案が採決され、成立となった。同法律は2021年０1月０1日より施行される。中国初の「法典」と命名された同法律の採択は、14億の中国人の民事権利保障が新たな時代に入ることを意味する。
民法典は「社会生活の百科全書」と称され、物権、人格権、婚姻家庭、相続、権利侵犯責任など多くの民事権利を網羅し、7編1260条から成り、中国で条文数が最も多い法律となっている。
知的財産権については、これに関わる単独の法律を統括するよう、概括的な規定を行なっている。また、知的財産権の保護を強化し、侵害の違法コストを引き上げ、他人の知的財産権を故意に侵害し、情状が重大である場合、被侵害人は相応の懲罰的賠償を請求する権利があるという規定も導入された。
中国での民法典の作成作業は過去4回に渡り試まれたが、諸々の理由で棚上げにされていた。2014年10月に開かれた中国共産党第18期第4回全体会議で、民法典編纂に関する政策決定が出されてから、関連の立法プロセスがようやく本格スタートを迎え、今回の法案の成立に繋がった。