2020.09.18IPイギリスのEU離脱に伴う手続きにつきまして
イギリスのEU離脱に伴う手続きにつきまして
2019年10月29日、英下院では解散総選挙を行う法案が通過し、12月12日に解散総選挙が実施されました。その結果、ジョンソン首相の率いる保守党が過半数を超える議席を獲得し、2020年1月31日に正式にEUから離脱しました。
今年の2月1日からは、通商を含む将来関係を交渉する期間である「移行期間」に入っています。
ところが、ここに来て欧州連合(EU)は9月2日に予定されているEU大使級会合の議題から、EU離脱後の英国との交渉に関する項目を削除しました。
これにより、合意なき移行の可能性が高まったという見方もあるため、マークアイでは2020年12月31日で移行期間が終了する場合を想定し、現在考えうる影響とその対応策をご案内します。
尚、移行期間終了時点でEUにおいて登録済み・出願中の商標が、英国への移行対象となります。
■登録済みのEUTM及びEUを指定し保護された国際登録
<再登録について>
・EUTM
EUに直接出願した商標は、その登録日を維持し英国国内の権利として、現在の登録番号の先頭に「UK009」が付され英国特許庁に再登録されます。
・国際登録
EUを指定し保護された国際登録は現在の国際登録の先頭に「UK008」の番号が付与され、EUを指定した国際登録と同等の英国商標が再登録されます。1つの国際登録で、EUの事後指定を複数回実施している場合、同等の英国商標が指定ごとに個別に作成されますのでご注意下さい。
これらの新しく作成された国際登録に基づく英国商標は、国際登録から独立し、英国の法律に準拠します。よって更新や譲渡、使用許諾などの維持に関する手続きは直接英国特許庁への申請が必要となります。
また、事後指定をした場合には、事後指定日が英国における登録日となり、存続期限も事後指定日から10年に変更となります。
尚、英国に再登録された商標に関し、英国での登録証は発行されません。
手続きには「最小限の行政コスト」を要するとされていますが、費用に関しては、詳細が分かり次第、改めてお知らせします。
また、英国での再登録をご希望されない場合、「Opt out」という手続きが可能となります。
<更新手続きについて>
移行期間終了日以降に存続期限を迎えるEUTM及び国際登録から英国に再登録された国内商標については、移行期間が終了した時点で、英国国内商標としての更新手続きが必要となります。
移行期間終了日以前にEUTM及び国際登録で更新申請手続きを行った場合においても、移行期間終了日以降に存続期限を迎える場合には英国国内商標としての更新手続きが必要となりますのでご注意ください。
更新申請手続きは移行期間終了日以降となり、移行期間が設けられる予定です。
尚、移行期間終了日以降に存続期限を迎える弊社で管理をしている再登録案件につきましては、別途ご案内をさせていただきます。
■出願中のEUTM及びEUを指定した係属中の国際登録
<権利手続きについて>
英国での登録には、2021年1月1日から9ヶ月以内に英国での再申請が必要となります。
移行期間終了時点で出願係属中の弊社管理案件に関しては、来年早々に当社からご連絡を差し上げます。
当社では引き続き、BREXIT情報を入手し、進展があればあらためて通知いたします。
[出典:イギリス特許庁及びWIPO]