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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
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2005.11.01IP海外における商標の情勢


海外における商標の情勢

EU

異議申立手続き中に設けられている請求人と被請求人の間で合意に向けた協議を行うための「冷却(cooling‐off)」期間は、これまで当事者が合意すれば無期限に延長出来たが、2005年7月からは26ヶ月となった。26ヶ月が過ぎると異議理由補充書の提出日が設定される。また、異議申立ての対象でない商品についての商標登録出願を分割することが可能となったことで、登録に向けた審査が迅速になった。

カナダ

商標が文字と図案で構成されている場合、当該文字が商標の要部であって英語またはフランス語において明らかに記述的、かつ、誤解を生じるような記述であるとされた場合には、登録は拒絶される。商標の要部であるか否かについては、審査官が文字と図案の大きさの比率、レタリングのフォント、レイアウト及び図案部分の本質的な顕著性を勘案し判断する。

イスラエル

アメリカの審査実務と同様、商標の使用と登録に関する先行商標権者からの同意書は、補間的であって自動的に先行商標との抵触がなくなるわけではない。同意書の存在とは関係なく、審査官は、それらの商標は混同すると判断すれば登録を拒絶する。

フランス

特定された色の濃淡、例えば赤、に関しては、その全ての範囲が保護されているわけではないが、パントーン色番号に基づく特定の色(通常、パントーン色番号で識別される)の濃淡の範囲は保護可能である。特定の色を基とした濃淡の範囲は、客観的に定義されているわけではないから商標権侵害に関するアドバイスは主観的になる。フランスの審査実務はアメリカのそれと非常に似ている。《翻訳注記:「パントーン」は国際基準の色見本》

タイ

このほどタイ政府は、横行する露骨な商標権侵害に対し、明確な対応をとった。
タイ警察当局はタイ知的財産裁判所および国際貿易裁判所と協力して、商標権侵害を繰り返すバンコクのアパレル関連卸売業者11社の家宅捜索を行った。これにより、数千のコピー商品が押収され世間の注目を集めた。また、侵害者に懲役4年以下又は罰金に処することができるようになった。

メキシコ

メキシコ商標庁が「著名」又は「有名」商標であると宣言することが出来る改正法案が、メキシコ上院議会に提出された。これまでは十分に「著名」又は「有名」だと立証できる場合でも、メキシコ商標庁は国際条約上の規定を国内において施行することに慎重であった。著名であるかどうかは、メキシコにおける特定の市民または産業の一部にその商標が「よく知られている」、あるいはメキシコの大多数の消費者にとって「有名」であるかどうかで判断される。当該改正法が施行されれば、「著名」商標に認められている権利を行使できないことで有名であったメキシコにおける訴訟に変化が生じることとなるであろう。


[出典:Lackenbach Siegel LLP]


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